清掃会社への転職はどう?種類、働き方、報酬、向いている人を紹介

  • 働き方を選ぶ

公衆衛生を保つために欠かせない職業である清掃業は、景気にかかわらずニーズも一定あり、未経験からでもチャレンジしやすく、年齢制限もないため幅広い世代にオススメの職業と言えます。そこで今回は清掃会社での仕事内容から、その働き方、転職やキャリアアップに有利な資格まで幅広くご紹介していきます。

清掃会社ではどんな仕事をしているのか

ではまず、清掃業の仕事内容について簡単にお伝えしていきます。

清掃員の仕事とは?

一般的に「清掃」といってもその内容は実に幅広く、家庭や店舗から出るゴミの回収や廃棄物の処理といった「作業員」的な仕事から、室内の清掃やホスピタリティを重視する「ハウスキーパー」的な仕事まで幅広く存在します。

どの仕事もまず体が資本となる仕事ですが、ぜひご自身の適性を省みた上で求人を探してみてください。

清掃員の仕事の種類

前述したように、清掃業は実に幅広い求人があります。そこで今回は、幅広い清掃業の中でも、特に求人として掲載されることが多い「清掃業務員」「ビル清掃員」「家屋清掃員」「客室清掃員」「特殊清掃員」の5つの業種についてご紹介していきます。

・清掃作業員(公務員・民間)
ゴミ処分施設に勤務し、ゴミの回収や廃棄物の処理などを行う仕事です。
自治体が直営する処分施設に勤務する場合は公務員として試験を受ける必要がありますが、受かれば安定した給料が得られる他、福利厚生も充実しています。

しかし、現在は財政難で民間に委託している自治体も多く、その場合は民間企業への就職となります。気になる方は、ご自身がお住まいの地域がゴミ収集を直営で行っているか、民間企業に委託しているか自治体HPをチェックしてみてください。

・ビル清掃員
オフィスビルや店舗ビルの清掃を行う業務です。清掃員単独の求人もあれば、清掃のほかにビルの点検や管理も行う「ビルメンテナンス」としての求人も多く見られます。

ビル管理業務は資格も充実しており、特に「ビルクリーニング技能士」の3級は実務経験が無くとも受けられる資格のひとつです。
この資格はキャリアアップに有利であるほか、「ビルメンテナンス」職もたくさんの資格があるので、ビル関係の仕事は幅広いキャリアパスが可能なのも大きな特徴と言えるでしょう。

・家屋清掃員(ハウスクリーニング)
依頼のあったご家庭の家を清掃する仕事です。ただ清掃するだけではなく、エアコンのクリーニング、キッチン周りの油汚れやお風呂のカビなど、特殊な機材や薬剤を使用する場合もあります。

こちらも「ハウスクリーニング技能士」という資格があり、受検するためには原則として一定の実務経験が必要となりますが、所有していれば資格手当が支給されることの多い資格でもあるので、キャリアアップを望む際はぜひチャレンジしてみてください。

・客室清掃員
主にホテルや旅館などで、客室の清掃や消耗品の補充、シーツの交換などを行う業務です。

お客様が快適に過ごしていただけるようホスピタリティに気を使いながら仕事に臨む必要があり、お客様と関わる機会もあるので、適度に人と関わって働きたい方にオススメの職業です。

・特殊作業員
孤独死や突然死などで長らく見つからなかった遺体で汚染された環境(家)を元通り(原状回復)にする業務です。その際片付けなども一緒に行うので、遺品整理も業務に含まれています。

ニッチな職業のように感じるかも知れませんが、高齢化が進む現代において、ニーズは日に日に高まっています。そのため現在は大手ハウスクリーニング業者やリフォーム業者も参入するなど市場が年々大きくなっており、成長が見込める業界とも言えます。

清掃の求人を探す

清掃会社での働き方、報酬とは?

清掃作業員の働き方

・アルバイト、パート
アルバイトやパートのメリットは、勤務時間が選びやすく、短時間勤務も可能な点でしょう。プライベートも大切にしながら働きたい、という方はこの業態をオススメします。

未経験からでもチャレンジしやすいほか、適度に体を動かす仕事なので、「リタイア後の社会参画の一貫として働きたい」という方にもピッタリの働き方です。また、日常的に掃除や整理整頓を行っているきれい好きな方も、達成感を感じながら業務にあたることができるでしょう。

・業務委託
業務委託の働き方は、基本的に出来高制となります。そのため未経験からでもチャレンジ可能ですが、有資格者であるほど高単価が狙えます。頑張れば頑張るほど稼げるため、有資格者で現場知識も充分にある、という方はこの働き方をオススメします。

・正社員
勤務時間は固定されているものの、安定して稼ぐのならば、やはり正社員がオススメです。資格取得支援制度のある求人も多いほか、福利厚生も充実しているため、清掃員としてキャリアアップを目指したい方はこの働き方をオススメします。

清掃作業員の報酬とは?

・正社員の場合
マイナビ転職の「2022年版 職種別 モデル年収平均ランキング(※1)」によれば、「警備・守衛・清掃」の平均年収は412万円ほど。調査データ全体の平均年収額は約557万円なので、業種でみれば平均より下になります。

ですが地域によってバラつきも多いほか、夜勤帯の業務や業務内容によって差もあるため、ぜひ求人をチェックして、自分に合った求人を探してみてください。

※1 マイナビ転職 「2022年版 職種別 モデル年収平均ランキング」

・非正規雇用の場合
清掃の平均時給は1027円(※2)となっています。厚生労働省が発表した令和3年度地域別最低賃金改定状況によると、2021年10月時点で全国のバイトの平均時給は930円のため、バイトの場合は全国平均より高めと言うことができるでしょう。

地域によって時給に差がある場合もありますが、幅広い求人がある職業でもあるため、ぜひご自身に会う求人を探してみてください。

※2 マイナビミドルシニア内求人の提示給与額をベースに算出

清掃会社で働くのに向いている人とは?

きれい好きな人

当然のことながら、清掃員は「掃除」が仕事です。そのため掃除が苦でない方、むしろ日頃から掃除が好きで色々工夫していた人は、楽しみながら業務にあたることができるでしょう。

業種によっては、中々個人では使えない掃除道具を使用することもあります。そこにワクワクする人も、きっと清掃員の仕事が向いているでしょう。

体を動かすことが好きな人

清掃員は基本的に動く仕事です。日頃から運動をしている人や、体を動かす職業を探している人にはピッタリの仕事と言えるでしょう。

「適度に体を動かす仕事がしたい」という方は、屋内清掃や短時間勤務から徐々に体を慣らして業務にあたることで、無理なく仕事を続けていくことができるでしょう。

未経験からスキルアップ、キャリアアップを目指したい人

前述したように、清掃員の仕事は未経験からでもチャレンジすることができ、年齢制限も設けていない求人が多数あります。

特別なスキルや資格、経験も必要ない一方で、清掃業は経験を積めば積むほど、専門性が培われる職業です。スキルを身につけたい人や、資格を持って一生モノの仕事を得たい人にはぴったりと言えるでしょう。

また、実務経験を積んでいく中で資格を取得することが可能であり、着実にキャリアアップできる仕事でもあります。そのため、未経験からのキャリアアップを目指す人にはオススメの仕事です。

気配りが上手な人

清掃業というのは個人業務であることが多いですが、業務内容によっては協力して仕事にあたる業務でもあります。

そのため、「気持ちの良い挨拶をする」「報連相を行う」などのコミュニケーション対応は必要となるでしょう。
その上で相手の立場に立った言動を行える人は、スムーズな業務が可能となるはずです。

効率的重視な人

掃除というものは意外と「完了」のラインがわかりにくいもの。そのため、どこまで清掃すべきなのかラインをきちんと把握し、業務手順をしっかりと構築した上で計画的に業務にあたることができる人は向いているでしょう。

ゴミの回収の場合、時間が長引くとゴミが獣害に遭って散乱する可能性があったり、ホテルや商業施設などは、営業時間前に清掃を行うことが多く、業務時間に制限がある業種もあります。
いかに効率的に業務をこなせるか考えてきた人は、スムーズな業務進行が可能となるでしょう。

丁寧に作業ができる人

効率的に作業を行う必要はありますが、だからといって手を抜いてしまっては信用問題に関わります。そのため、丁寧な作業を日頃から仕事としてきた人や、コツコツとした業務が好きな人は、その経験や性格を活かせるでしょう。

清掃の求人を探す

転職やキャリアアップに有利な資格は?

資格が必要な職業というのはいわゆる「独占業務」であることが多いですが、清掃業において独占業務は少ないため、資格がなくても仕事をすることは可能です。

未経験の場合であっても、特別な資格やスキル、学歴が無くても始めることができますので、安心してチャレンジしてください。

しかし、業務によっては取得しておいた方が有利な資格も。
今回は清掃員になるために有利な資格から、キャリアアップを目指すなら取得したい資格まで幅広くお伝えしていきますので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

普通自動車運転免許

ゴミの回収などでは当然専用車を運転することになるほか、例えば特殊清掃員であっても、遺品の撤去などでトラックが必要な場面が多々出てきます。

また、ハウスクリーニングでは依頼のあったご家庭に機材を積んで車で赴くことも多いので、大型や中型免許は必要ありませんが、普通自動車運転免許は持っておくとプラスになる場面が多いでしょう。

ビルクリーニング技能士

前述したビルクリーニング技能士は、複数等級(1級・2級・3級)があり、3級は実務経験不要なのでどなたでも受けることができます。

実技も機材の手入れや導線の確保など基礎的なところから受験することができるので、未経験から清掃員になりたい方にぜひオススメしたい資格です。
会社で資格取得支援制度のある求人も多いので、自分で受講せず、会社に入職後に受講するのもひとつの手段でしょう。

また、実務経験は必要となりますが、ビルクリーニング技能士1級はさらに上の資格である「清掃作業監督者」になるための必要資格でもあるため、キャリアアップには最適の資格とも言えます。清掃員としてキャリアを積み、管理者も目指してみたい、という方にはぜひオススメしたい資格です。

清掃作業監督者

この資格は厚生労働大臣登録清掃作業監督者講習会を受講することで取得することができます。
こう聞くと簡単に思うかも知れませんが、前提として受講できるのは前述した「ビルクリーニング技能士1級」、もしくは「建築物環境衛生管理技術者」の資格を取得したものに限られるため、実質これらの上位資格と呼べるものです。

そもそも、建築物清掃業を行うにあたり、配置すべき人員の一人にこの「清掃作業監督者」があります。よってこの資格取得者は非常に重宝されるポジションであり、資格手当も前述したものより上になる傾向があります。
キャリアアップを目指すなら、ぜひ取得するべき資格といえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は清掃会社での仕事内容から、その働き方、転職やキャリアアップに有利な資格まで幅広くご紹介してきました。

清掃業は未経験からチャレンジしやすく、働き方も柔軟な求人が多いため、ミドルシニアの仕事先としてぜひオススメしたい職業のひとつです。

関連記事

清掃業の志望動機の書き方を解説!業務内容・アピールポイント・例文付き 清掃員の仕事は本当にきつい?仕事内容とメリット・デメリット 清掃スタッフの仕事とは? 仕事内容と志望動機の書き方

記事をシェアする

あなたへのオススメ記事

ミドルシニアに人気!ドライバーの職種と受かりやすい志望動機を解説

ドライバーの仕事は平均年齢も高く、ミドルシニアの方でも就職しやすい仕事の1つです。これからドライバーの仕事を検討したい方や、転職を考えている方向けて、志望動機の書き方や面接の際の注意点を解説します。

  • 働き方を選ぶ
  • 2024年4月22日

今さら聞けない雇用形態|正社員、契約社員、嘱託社員の違いとは?

正社員や契約社員など、企業ではいくつかの雇用形態が用意されています。今回は「嘱託社員と正社員では、どのように仕事が変わるの?」「契約社員で働くデメリットって何?」「地域限定採用ってどんな働き方?」といった雇用形態に関する疑問に、お答えいたします。

  • 働き方を選ぶ
  • 2024年4月10日

ダブルワークをする時の注意点|中高年におすすめの掛け持ちしやすい仕事も紹介

働き方が多様化した現代では、ダブルワークで収入を上げたい、ダブルワークに興味があるといった方が多くいらっしゃいます。しかし、ダブルワークをするには、年末調整は必要?本当に仕事を両立できる?と、不安が浮かんでくることも。今回は、ダブルワークに関する注意点や中高年世代でも取り組みやすい仕事を解説します。

  • 働き方を選ぶ
  • 2024年3月13日

あなたにあった働き方を選ぶ