仕事に役立つ資格│管理業務主任者〜需要や取得する魅力を紹介〜
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- 公開日:2022年4月12日
マンション管理会社の担当者として、管理組合運営の支援、建物や設備の維持・管理などの仕事をを行うフロント職。フロント職は管理業務主任者の資格を持つ人が行っていることが一般的です。今回はフロント職の仕事内容や、管理業務主任者についてご紹介します。
マンション管理フロント職の業務
分譲マンションの購入した人たちは、お金を出し合って共同でマンションの共用部分を管理する必要があります。
しかし、それはとても手間がかかるため、この管理業務を引き受けるのがマンション管理会社です。
マンション管理会社の担当者として、管理組合運営の支援、建物や設備の維持・管理などを行う仕事を「フロント」といいます。
フロント職は管理会社が管理受託しているマンションに対する管理会社側の接点で、先端・前面との意味から「フロント」と呼ばれています。単に分譲マンションの管理人ではありません。
マンション管理会社のフロント職は、1人で15程度のマンションを担当していることが多く、管理業務主任者の資格を持つ人が行っていることが一般的です。
フロント職の具体的な業務は以下の通りです。
①理事会の開催・運営支援
②総会の開催・運営支援
③管理組合の経理事務支援
④マンションの維持・修繕に関する企画・実施
マンションをソフト・ハードの両面で維持・管理する仕事で、担当マンションの定期巡回、マンション管理員の指導、管理組合への助言、関係者との折衝、居住者からの問合せ対応なども行います。
マンション管理業界の今後
現在のマンションストック総数は約675.3万戸(令和2年末時点)。
国民の1割超が居住している推計となっています。
また、マンション管理会社は何十万戸も管理する大手から、街の不動産屋さんまで、全国に2,000社以上あります。
マンション管理費市場規模(管理費ベース)は2018年は7,459億円。
2025年には18.9%増の8,866億円まで拡大すると予測されています。(2022/03/11調査 矢野経済研究所)
管理業務主任者(管業)とは?
管理業務主任者は必置義務、独占業務がある国家資格です。管業とも言われます。
〇必置義務
「事務所ごとに管理業務主任者資格の保有者を、30管理組合に1人以上設置しなければならない」
〇独占業務
管理組合との契約締結時における重要事項の説明
重要事項に関する書面への記名・押印
管理受託契約にかかる契約書への記名・押印
管理業務を定期的に管理組合へ報告すること
管理業務主任者には、国で定められた「独占業務」と「必置義務」があるため、未経験の人が資格取得して仕事を探す場合でも、求人の需要は保たれています。
未経験であっても、年齢問わず管理業務主任者を活かして就職や転職を行うことができます。
管理業務主任者の難易度
過去5年の平均合格率は【22.6%】です。平均合格率で比較すると、同じ不動産系資格の宅地建物取引士(宅建)【16.2%】、マンション管理士【8.2%】よりも難易度は低くなっています。
合格までの勉強時間は300~400時間と言われており、合格者の平均年齢は42.8歳で40代50代の取得者が中心と考えられます。
不動産の資格の取得を考える際、まず宅建と考える方が多いと思います。
しかし、マンション管理会社のフロント職を志望する場合であれば、難易度が低く・学習内容が実務内容に直結する、管理業務主任者の取得が最も有効です。
管理業務主任者の登録実務講習
管理業務主任者に登録するには2年以上のマンション管理実務の経験が必要であるため、経験がない人は実務講習を受ける必要があります。
逆に試験に合格さえしていれば、実務経験は講習でカバーできるということです。
管理業務主任者の登録実務講習を実施している機関は国土交通省のHPに記載があります。
2022年1月時点での実施機関は3社、内2社はweb受講があり費用も廉価です。
ミドルシニア層にとっての資格取得メリット
管理業務主任者を取得するメリットは以下の内容が考えられます。
・理事長や理事は年配者が多く、社会人経験が長いミドルシニア層の方は、話が弾みやすく働きやすい。
・年齢(40代後半、50代)が高いと信頼されやすい。
・改善を進めていけば、住民の皆さんに感謝される。
・マンション管理会社は大手企業の系列子会社が多く安定している。
収入・平均年齢・主な就業形態
厚生労働省のデータでは下記のようになっています。
平均収入:442.5万
平均年齢:42.3歳
主な就業形態:正社員56.4%、契約社員16.4%、パート、アルバイト14.5%
まとめ:フロント職の仕事の特徴
管理会社の社員であるという点はマンション管理員と同様ですが、マンション管理員はマンション単体であるのに対して、フロント職は管理会社事務所を拠点として担当物件全体が就労場所となります。
就業者は男性が大半であるが、近年は女性の割合も高まっています。雇用形態は正社員が一般的ですが、管理会社の中には就業エリアを限定した契約社員という雇用形態をとっているところもあります。
フロント1人が担当するマンション数は15程度のケースが多く、週1回など決まった頻度で定期巡回します。
理事会頻度が月1回であれば、月に15回程度、理事会の準備と出席、後処理をすることになります。週休二日制が一般的ですが、理事会は土日の夕方に開催されることが多いため、休日は土日以外の曜日となることが多いようです。
また、時間を問わず発生するトラブルやクレームに対応することも求められるため、夜間や、休日に緊急での対応を行わなければならないことや、管理会社によっては定期的な宿直もあります。
基本は事務職であり、日常的にはデスクワーク4割、外回り6割程度の比率と言われています。