定年後こそ、人に教える機会に恵まれる

  • ちょっと得する知識

「亀の甲より年の功」、「おばあちゃんの知恵袋」など、日本には昔から年長者は経験豊富で、尊重すべきだという言葉が存在しますよね。定年後のセカンドライフは、実際にそんな言葉を実践してみるのはいかがでしょうか。

今後の日本のキーパーソンはシニア層?

「少子高齢化」はみなさんもよく耳にする言葉だと思います。
少子化が問題となっている一方で、2035年には日本の人口のうち3人に1人が65歳以上になると予測されているのです。

これにより、少ない若者がより多くの高齢者を支えていくことは、日本社会にとって大きな負担であるという記事や、ニュースを至るところで目にするようになりました。
そういった面で、日本は世界からもネガティブなイメージを持たれてしまっています。

イギリスの経済誌『エコノミスト』にはかつて、日本の高齢化を「日本の重荷」と揶揄した表現が掲載されたこともありました。
他国に目を向けてみると、先進国では早い段階からシニア層を積極的に活用する動きがあります。

例えば、アメリカでは1967年に「雇用における年齢差別禁止法(ADEA)」が制定されています。
これは、40歳以上の人たちに限って雇用差別を禁止している点が大きな特徴です。

これまで現役として働いてきたシニア層のスキルの高さを評価し、若年層よりもシニア層を積極的に雇う動きが表れた結果です。
また、EUでは加盟国に対し「活力ある高齢化(アクティブエージング)」という高齢者雇用政策の方針を打ち出しています。

世界ではこのように、シニア層を経済のプラスの働きとして活用する取り組みがなされているのです。
そんな世界の国々では、シニアが若者に「教える」という機会も多くあるのだとか。

例を挙げると、投資銀行に勤めていた人が学生向けにファイナンスを教えたり、エンジニアをやっていた人がモノづくりをレクチャーしたりと、そのジャンルは多岐に渡るといいます。
まさに、年の功を生かして若年層への「学び」に役立てているのです。

定年後は、人に教えるという選択肢を持つ

自分のこれまで学んでいたことを、次世代の誰かの学びにしていく―。
そんな「教える」ことは、とてもワクワクする、やりがいのある活動といえます。

しかしそうはいっても、一体どうやって人に教える機会を持てばいいのだろうと、頭を悩ませてしまう方も少なくないと思います。
そんな中、日本でもエイジフリーの社会を踏まえ、人生100年時代に向けて動き出しています。

例えば現在、シニア層のための「学びたい人」と「教えたい人」をつなぐ場が数多く用意されています。
あるサイトでは、自身の持っている資格や、キャリアを登録しておけば、講師の依頼がきたり、培ったキャリアを生かしてほしいというオファーが届いたりすることもあるのだとか。

このように、インターネットを活用した学びを生かせる場に積極的にアクセスしてみるのも積んできたキャリアを生かす、いい機会になるかもしれません。

また、日本の高齢者は世界に比べて働き続けたいと思っている割合が【日本(44.9%)・アメリカ(39.4%)・スウェーデン(36.6%)・ドイツ(22.7%)】と、高いことが窺えます。

※データ元:平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果「今後も収入の伴う仕事をしたい(続けたい)と思うか」

このように、日本には働く意欲にあふれているアクティブシニアが多く存在しているのです。

2020年3月31日に成立した、高年齢者雇用安定法では、65〜70歳までの就業機会確保として、フリーランス、起業、社会貢献活動など、今までなかった働き方が示され、これまで「もう歳だから...」と、年齢でチャレンジを諦めていたことの垣根はなくなりつつあります。

長生きすることは人生のチャンスが広がる、ポジティブなものとして捉えられるようになりました。

ここで、面白いお話をご紹介します。
ある番組で「健康寿命を伸ばす生活習慣をAIに分析させる」という企画があり、その最重要項目にはなんと「本や雑誌をよく読む」がダントツで挙げられたというのです。

実際に、アメリカのイエール大学では「健康と読書」についての論文もあるといいます。
日本で見れば、山梨県は健康寿命(*)総合1位だそうですが、人口100万人当たりの図書館数が全国的に断然多いのだそうです。

※データ元:『精神科医が教える百歳人生を退屈しないヒント』著:保坂隆、だいわ文庫
      *健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義され、病気などをせずに健康的に過ごせる期間のことをいう。

こうしてみると、学ぶ意欲がある人の方が溌剌と生きていけるのかもしれませんね。
有意義な生活を送るためにも、セカンドライフが始まってから慌ててしまわぬように現役時代から「資格取得」や「スキルアップ」を目指しておくと、人に教える機会に繋がり、それを働くことにも生かしていけます。

まとめ

これまで働くことで技術や技能を習得してきたシニア世代。
引退後は好きなことをやりながら生活を送るのもいいかもしれませんが、蓄えてきた知識を若い世代に伝えるという役割を担いながら働くのもいいのかもしれません。

定年後に時間を持て余さないためにも、働くことに繋がる資格取得も視野に入れ、やってみたい学びや資格を知っておくのもポイントです。

引退後の私たちの時間こそ、ゆとりを持ちながら「人に教える機会」に恵まれているのです。

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