外国語を学ぶ前にちょっと待った! 本当に日本語を理解していますか?

  • ちょっと得する知識

私たちは現在、国際化の時代に生きています。2020年の推計によれば、国外に住んでいる日本人の数はおよそ137万人。国別では、米国が最も多く、約43万人。次いで中国に、約11万人の日本人が在留しているのだそうです。 IT化も進んだことで、もはや世界のどこでも働け、生活できる時代となりました。そんな国際化の動きを受けて、日本国内でも外国語を学ぶ動きは加速しています。ある大学では10年後を目標に、2人に1人が海外留学、また全学生が国内外で国際体験することを目指しているなど、外国語を学ぶことに比重が置かれたカリキュラムが主軸となっているのです。そんな国際色が強い時代において、日本の文化や日本語を学ぶことの大切さが改めて見直されてきているといいます。※データ元:外務省HP「令和2年 海外在留邦人数調査統計」 

外国の中でこそより際立つ、日本という国

みなさんの中には留学や英会話レッスンをした経験がある人も多いかと思います。
そんなとき、必ずテーマとなるのが、「日本ってどういう国?」「これって日本語だとどうやって表現するの?」といった日本とは何か、日本語の表現ではどうなるのかといった日本についての詳細な事柄です。

自分の国について詳しく話せたらいいですが、大抵は口ごもってしまう方が多いのではないでしょうか。
自分の国の事を知らずに世界との関係を築くことは難しいですし、真の意味でのグローバル化にはならないといえます。

考えてみれば、私たちも普段の生活の中では相手をより深く知ることで相互理解ができていますから、海外においてコミュニケーションを図る上でもまずは自分のことを多く語れるに越したことはありません。

国際化の流れを受けて外に向かっていこうとすればするほど、日本人とは何か、日本語とはどういったものかを改めて見つめ直す内側の視点を持つことが必要になるという逆説的なことが起こるのです。

また、最近では"クールジャパン(CJ)"という言葉も頻繁に聞くようになりました。
クールジャパンとは、世界から「クール(かっこいい)」と捉えられる(その可能性のあるものを含む)日本の「魅力」のことを指します。

CJ は「食」、「アニメ」、「ポップカルチャー」、「新幹線」、「伝統工芸」、「有名観光地」、はたまた「渋谷のスクランブル交差点」や「弁当箱」、「部活」といった日本人からしたらクールとは捉えられないものであっても、世界の人々の観点からしたらクールなものになるのだといいます。

2020年のコロナウイルス感染症の蔓延によって、ネットの動画配信サービスが伸び、動画配信サービスで世界的に人気のコンテンツは、日本の「アニメ」なんだとか。

これからも日本の文化は世界的に注目されていることは間違いないでしょう。

日本語をきちんと理解できていますか?

そんな中、日本語も世界的に人気な言語となっているのをご存知でしょうか。
世界に数多くの言語が存在する中で、話者数で日本語は毎年10位以内に入り、2020年にはインターネット上で使用されている言語でも8位にランクインしています。海外における日本語学習者も数百万人に上っているのだといいます。

また、「今後世界のコミュニケーションで必要になると思われる言語」として、オーストラリアでは英語に次いで日本語が第2位に挙げられました。

アメリカや中国など6か国の地域でも第3位に挙げられたのは"日本語"なのだそうです。
そして現在、国内や海外でも日本語学習需要は高まっているといいます。

平成2年における国内の日本語教育実施機関や施設の数はおよそ800機関だったのにも関わらず、平成29年にはその数はおよそ2100機関と、約3倍にも届きそうな数になっています。

それに伴い、日本語学習人数も約6万人から約24万人へと大幅に増えているのです。
しかしながらその日本語を教える担い手の不足が叫ばれています。場所によっては日本語教師が足りずにボランティアで教えているところもあるのだとか。

また、海外を見ても、2018年には海外における日本語教育機関数はおよそ19,000機関、日本語教師数もおよそ77,000人と、いずれも過去最多を記録しているといいますから、日本語の需要は海外でも軒並み高まっていることがおわかりでしょう。

※データ元:
平成29年 文化庁文化部国語課 『平成29年度 国内の日本語教育の概要』
国際交流基金『海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査より』
Visual Capitalist『インターネットで最もよく使われている言語ランキング(2020年)』

このように、外国語を学びに諸外国に留学する上でも、しっかりとした日本語を身につけていれば、留学先で生活費を稼ぐ働き口を見つけられることにも繋がるのです。

また、日本語を教える日本語教師の資格を一度取ってしまえば、現役世代を引退した定年後でも「日本語教師」の求人は多く存在しますから、老後の生活資金にも充てることができるのでおすすめです。

まとめ

外国語を学ぶことは一見、とても有意義なことに思えるかもしれません。
しかし外国語を学ぶ前に一度、ご自身の日本語がしっかりできているのか、日本人として日本のことをしっかりと理解しているのかを問いかけてみてください。

留学や他国のことを学ぶことは、この国際化になくてはならないことかもしれませんが、日本のことや正しい日本語を理解することは他国で働く上でも、外国人とコミュニケーションを図る上でも大切なことなのです。

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