住民税非課税世帯とは?対象となる条件・年収目安、受けられる支援を紹介
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- 公開日:2026年10月16日
住民税非課税世帯とは、世帯全員が所得割・均等割ともに、住民税非課税となっている世帯のことです。対象となる基準は所得・家族構成・年齢などによって異なります。今回は住民税非課税世帯の仕組みや対象となる条件、年収の目安についてわかりやすく解説。あわせて、住民税非課税世帯が利用できる主な支援制度や優遇措置についてもご紹介しますので、自分も住民税が非課税になるか知りたい人はぜひご一読ください。
住民税非課税世帯とは
世帯全員が住民税の所得割・均等割ともに非課税となっている世帯のことです。住民税とは、住んでいる都道府県や市区町村などの自治体に納める税金で、教育や福祉などのサービスに利用されています。
原則、毎年1月1日時点で日本に住所があり、給与などの所得を得ているなら、納める義務が発生します。ただし、以下のような条件に該当している人は、非課税の対象です。
- 生活保護を受けている
- 前年の合計所得金額が各自治体の定める基準以下
- 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得が135万円以下
世帯全員が非課税の要件を満たしていると、住民税非課税世帯となります。住民税は確定申告や住民税申告をもとに認定されるため、非課税に関する申請をする必要はありません。
住民税は前年の所得金額によって課税される所得割と、所得に関係なく定額で課税される均等割の2つによって構成されており、それぞれに計算が行われます。
- 所得割:市区町村民税・特別区民税(6%)+都道府県民税・都民税(4%)
- 均等割:市区町村民税・特別区民税(3,000円)+都道府県民税・都民税(1,000円) +森林環境税(1,000円)
所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得金額に応じた課税を行います。収入から控除を差し引いた所得を基に計算するため、所得が多いほど課税額も高くなる仕組みです。税率の内訳は自治体によって異なりますが、合計は一律10%が原則です。
均等割は、前年の所得金額に関係なく、住民全員に一律で課される住民税です。標準的な税額は年額5,000円で、内訳は市区町村民税3,000円・都道府県民税1,000円・森林環境税1,000円となっています。
ただし、自治体ごとに独自の条例で税額を上乗せしているケースもあります。基準額より高い場合は、上乗せの条例による可能性があるため、自治体の規定を確認してみてください。
住民税非課税の対象になる要件
一定の要件を満たしている場合、住民税は非課税になる場合があります。所得割のみ非課税になるケースと、所得割と均等割の両方が非課税になるケースの2パターンについて、以下で解説いたします。条件に当てはまっていないか、ぜひ一度確認してみてください。
所得割のみ非課税になるパターン
所得割のみが非課税になるのは、前年の所得が一定額以下になった場合です。給料や事業の売上など、1年間で得た収入から必要経費を差し引いた、総所得金額が一定額を下回っている場合に非課税となります。
一定額は扶養親族の有無によっても異なりますが、扶養親族がいない単身者は総所得金額が45万円以下、給与収入のみの場合は年収約110万円以下だと非課税の対象です。
扶養親族がいる場合は「350,000円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)+100,000円+320,000円」で算出された金額を下回っていると課税されません。例えば、夫婦2人と子ども3人の世帯の場合は、所得が以下の金額を下回っていれば非課税になります。
350,000円×5人+100,000円+320,000円=2,170,000円以下
扶養人数が増えるほど、非課税となる範囲は広くなっていきます。
所得割と均等割の両方が非課税になるパターン
所得割と均等割の両方ともが非課税になるのは、以下のいずれかに該当している人です。
- 生活保護を受けている
- 障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得が135万円以下
- 前年の合計所得金額が各自治体の定める基準以下
生活保護により支援を受けている人は、住民税が全額非課税になります。障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年所得が合計で135万円、給与年収で約204万円以下となると非課税の対象です。
前年の合計所得額が一定基準より下の場合も非課税になりますが、基準額は扶養親族がいない単身者の場合は合計所得45万円(給与年収約110万円)以下、扶養親族がいる場合は「350,000円×(本人+扶養人数)+310,000円」以下の金額となります。
例えば、夫婦2人と子ども3人の世帯の場合は、所得が以下の金額を下回っていれば非課税になります。
350,000円×5人+310,000円=2,060,000円以下
非課税限度額は自治体によって異なるため、上記は一例です。正確な基準は、1月1日時点で住所のある市区町村のWebサイトなどで確認してください。
住民税が非課税になる年収の目安
住民税が非課税になる年収額は、家族構成や扶養親族の人数によって異なります。以下では、単身者・夫婦2人世帯・夫婦2人と子ども1人世帯のケースに分けて、非課税になる年収の目安をご紹介します。
単身者世帯
単身・給与収入のみの場合、令和8年度の住民税では給与年収110万円以下が非課税となる目安の一つです。ただし、非課税基準は自治体によって異なります。また、2026年中の収入を基に計算する令和9年度住民税では、給与所得控除の見直しにより年収119万円以下が目安となる地域もあります。
年収約110万円以下は、合計所得金額が非課税の基準である45万円以下になるケースが多いためです。もし、収入が公的年金のみの場合は、基準額が変わります。65歳以上は年金収入が155万円以下、65歳未満は105万円以下になると非課税になります。
夫婦2人世帯
夫婦2人世帯で配偶者を扶養している場合は、世帯主の給与年収が約156万円以下であると住民税が非課税になる可能性が高くなります。夫婦2人世帯では合計所得が101万円以下が非課税の基準となり、その範囲内に収まるのが年収約156万円となるためです。
夫婦2人と子ども1人世帯
夫婦2人と子ども1人世帯の場合は、世帯主の給与年収が約206万円以下になると住民税が非課税になる可能性があります。3人世帯の場合は、合計所得が136万円以下が非課税世帯となるためです。
扶養親族の人数が増えると、所得額も増えていきます。具体的な非課税金額は自治体によって異なるケースもあるため、詳細を知りたい場合は、市区町村のホームページや窓口で確認しておいてください。
住民税非課税世帯が利用できる支援制度
住民税非課税世帯には、家計の負担を軽減させるための公的支援制度が用意されています。どのようなものが利用できるのか、以下で例をご紹介いたします。
ゴミ袋の無償化
自治体がゴミ袋の有料化を行っている場合、住民税非課税世帯には無料で配布する制度が用意されています。配布枚数は自治体によって変わりますが、年間で最大80枚配布されるケースもあります。
ただし、配布の条件は各自治体によって異なります。例えば、東京都多摩市の場合は、以下の条件に該当する世帯に対して配布を行っています。
- 生活保護受給世帯
- 児童扶養手当受給世帯
- 特別児童扶養手当の支給を受ける人が属し、かつ、世帯全員が市民税非課税の世帯
- 在宅で生活する愛の手帳(知的障がい1級・2級)の方が属し、かつ、世帯全員が市民税非課税の世帯
- 在宅で生活する精神障害者保険福祉手帳(1級)の方が属し、かつ、世帯全員が市民税非課税の世帯
- 在宅で生活する身体障害者手帳(1級・2級)の方が属し、かつ、世帯全員が市民税非課税の世帯
- 75歳以上のみで構成される世帯で、かつ、世帯全員が市民税非課税の世帯
住民税が非課税なだけでは対象とならない場合もあるため、事前に自治体へ確認しておくとスムーズに手続きを進められます。
給付金の対象
住民税非課税世帯に向けて用意された、給付金を受け取れる場合があります。2025年には非課税世帯に3万円(18歳以下の子ども1人につき2万円加算)の給付金が用意されていました。
自治体で独自に給付金を用意しているケースもあり、大阪府吹田市では、上限が7万円の「吹田市住民税非課税世帯支援給付金」が用意されています。また、住民税均等割非課税または、均等割のみ課税になった世帯に1世帯10万円、18歳以下の扶養児童1人あたり5万円が加算される「吹田市低所得者支援給付金」を設けています。
国民年金保険や国民健康保険料が減額・免除される場合も
住民税非課税世帯は、国民年金保険や国民健康保険料が減額・免除になるケースもあります。国民健康保険は、前年の所得によって均等割額が2〜7割減額されます。
国民年金保険は、全額または一部の支払いが免除になるケースもあります。もし、支払い免除となっても、将来受け取る基礎年金額の2分の1は国が負担してくれます。ただし、年金については、申請手続きが必要です。支払いが難しいと感じた時は、未納にはせずに自治体や近くの年金事務所で相談してみてください。
医療費の負担軽減
高額療養費制度では、住民税非課税世帯などの低所得者について、一般の所得区分より低い自己負担上限額が設定されています。上限額は年齢や所得区分によって異なるため、加入している医療保険で確認しましょう。
保育料の無償化
住民税非課税世帯では、保育料に関する優遇措置も用意されています。通常、3〜5歳までの子どもを保育園に預けると、保育料は一律で無償化されています。しかし、0〜2歳までについては自己負担です。
住民税非課税は0〜2歳も保育料無償化の対象となっており、保育園や認定子ども園などを自己負担額0円で利用できます。
大学の入学金や授業料の減免
子どもが大学へ進学する際、入学金や授業料が減額・免除となるケースもあります。高等教育の修学支援新制度によって、世帯収入が一定額以下の学生は入学金や授業料が減免されます。
住民税非課税世帯の学生が私立大学に通う場合の減免額は、入学金約26万円、授業料は年間で約70万円です。また、給付型奨学金の受給も可能です。減免額や給付額は、世帯の収入水準や、1人暮らしかどうかで決まります。
非課税限度額は自治体によって異なるため、上記は一例です。正確な基準は、1月1日時点で住所のある市区町村のWebサイトなどで確認してください。
介護保険料や高額介護サービスなどの負担軽減
65歳以上の人が支払う介護保険料や、高額介護サービスの自己負担額軽減などの支援も受けられます。介護保険料については、65歳以上の場合、基準額の約3割までの減額が受けられます。利用するには、申請書の提出が必要です。
1ヶ月の介護サービス利用料が一定額を超えると、超過分の払い戻しが受けられる制度でも、住民税非課税世帯は優遇措置が用意されています。一般的な課税世帯は月額4万4,400円が上限額ですが、住民税非課税世帯は月額2万4,600円が上限額です。
申請によって払い戻されますので、介護サービスが高いと感じた際は、申請できないか確かめてみてください。
障害福祉サービスの利用料の免除
障がい福祉サービスも、住民税非課税世帯は利用料免除の措置が用意されています。一般的には所得によって、月額9,300円または3万7,200円の自己負担上限額があります。しかし、住民税非課税世帯は上限額0円に設定されているため、費用を気にせずに利用が可能です。
住民税が非課税になるかを調べる方法
自分は住民税非課税世帯に該当するかわからないという人は多いでしょう。該当するか気になった人は、以下の書類を確認するとわかるようになります。
- 源泉徴収票の給与所得控除後の金額を見る
- 納税通知書の住民税額を調べる
- 課税証明書に非課税の記載があるか
該当書類にて住民税に関連する項目が、0円や基準額以下であれば、非課税となる可能性が高くなります。ぜひ、手元に用意して確かめてみてください。
まとめ
住民税非課税世帯について、非課税世帯に向けた支援制度などについてご紹介いたしました。住民税が非課税になるかは、前年の所得や扶養親族の有無によって異なります。
もし非課税となった場合は、年金保険料や保育園の利用料など、さまざまな場面で優遇措置が利用可能です。まずは、自分が非課税世帯に該当するか、自治体の窓口や書類などで確かめてみてください。