自己資金ゼロでも起業できる?独立前に知るべき資金調達と補助金制度
- 独立・起業
- 公開日:2026年7月30日
「独立したいけれど、資金面が不安で一歩を踏み出せない」。そんな悩みを抱えるミドルシニア世代は少なくありません。しかし現在は、少ない自己資金でも始められるビジネスや、公的な融資制度、補助金・助成金など起業を後押しする仕組みが充実しています。大切なのは、「お金がないから無理」と諦めるのではなく、自分に合った資金計画を立てることです。この記事では、独立前に知っておきたい資金準備のポイントや活用できる制度について解説します。
「お金がない...」からといって独立を諦めてはいませんか?
「起業したい」と思っていても「お金がないから無理だ...」と諦めている方はいませんか?近年では、インターネットを活用したビジネスの普及などにより、以前と比べて少ない自己資金で起業しやすくなっています。
コロナ禍以降、私たちの生活様式は大幅に変化しました。これまではオフィスで働くことが前提でしたが、最近ではインターネットやスマートフォンを活用して働くことができるように。そのため、ネット環境さえ整えられれば、オフィス代やオフィスにまつわる費用は必要なくなったのです。
さらに、起業や独立に関する補助金や助成制度が整えられた昨今。起業資金が必要な場合は、国や自治体の補助金や助成金制度を活用すれば、起業へと踏み切りやすくなりました。
起業には、どのくらいお金がかかるのか
まず気になるのが「実際にどのくらいのお金が必要なのか?」といった点ではないでしょうか。そのために最初に考えなくてはならないのは、個人事業主として開業するのか、法人を設立するのかということです。
個人事業主
個人事業主として開業する場合は、開業届を税務署に提出しなければなりません。この開業届は無料でできますし、税務処理上で必要な青色申告承認申請書も無料です。
つまり、個人事業主として事業をスタートする場合、開業手続き自体には大きな費用はかかりません。ただし、事業内容によっては設備費や備品費などが必要になります。また、名刺の作成や備品を揃えるための事務用品代は必要となることもあるでしょう。
法人設立
法人として開業する場合、法人形態によって異なりますが、定款認証費用や登録免許税などの設立費用が発生します。
ただし、個人事業主から法人化への変更もできるので、まずはほとんど費用のかからない個人事業主としてスタートし、事業が軌道に乗ってきたところで法人化する方のも一つの選択肢と言えるでしょう。
資金の調達先には、どのようなところがあるのか?
それでも、貯金もほとんどない中で起業をするのはやっぱり不安なものです。そこで、自己資金ゼロでも活用できる主要な調達先を紹介します。
日本政策金融公庫
国が100%出資しているため、創業間もない事業者向けの融資に力を入れています。自己資金が少ない場合でも、事業計画や状況に応じて利用できる可能性があります。
民間金融機関
都市銀行や地方銀行、信用金庫などの金融機関が提供する「ビジネスローン」も起業時の選択肢の一つです。融資スピードが速いのが特徴で、無担保や保証人不要な金融機関もあります。条件等については各金融機関で異なっているため、自分に合ったところで資金調達をするようにしましょう。
クラウドファンディング
近年、流行っている資金調達の形式です。ネット上で支援を募り、商品やサービスへの想いを伝えることで支援を集めやすい傾向があります。
商品やサービスをリターンにする購入型や将来の利益を分配する投資型、支援をそのまま受け取る寄付型など様々な形式がありますので、ご自分の事業が合っている方法で資金集めをするのも一つの手でしょう。
家族や知人からの借入
最も身近な資金調達方法の一つとして、身近な人から支援を受けるというものがあります。親しき中にも礼儀ありの精神が重要となりますし、借りるからには借用書などを作成しておかないと後々トラブルになってしまうケースもあるため注意が必要です。
それでも、信頼関係をもとに支援を受けやすい場合もあるため、まとまった資金集めをする上では有利でしょう。
給付金と補助金は似て非なるもの!
開業資金を助成金や補助金で賄おうと考える人もいるかと思います。しかし、助成金や補助金と聞いても、具体的に両者の違いを説明できる人は少ないかもしれませんね。
助成金と補助金は、似て非なるものだということをまずは頭に入れておきましょう。2つの制度の違いをよく理解することで、創業した会社または起業した事業に適した制度を選択することが可能となります。
広義にとらえると助成金と補助金は、給付金制度の1つと言うことができます。ただ、一般的には給付金の場合は「一定の対象者に現金を給付する制度」という意味合いになります。
例えば、過去に新型コロナウイルス感染症により売上高が減少した事業者へ給付された「持続化給付金」などはその代表例と言えます。受給要件を満たした申請者全員に一定額が給付されます。
一方で、助成金や補助金に関しては条件があったり、何かに取り組んだりしなければ受給できないことがあるものがほとんどです。
起業や開業において助成金・補助金を申請するメリットとは?
起業や開業時に、助成金や補助金を申請するメリットについて見てみましょう。
返済不要な場合がある
助成金や補助金は、一定の条件を満たした場合、原則として返済不要で受給できる制度です。そんな助成金や補助金は、開業時に活用しない手はないでしょう。
助成金や補助金の原資は、会社と労働者が支払う雇用保険料や国税、地方税などが原資になっているものが多く、助成金や補助金の要件に該当している個人や会社は受け取る権利があるため、返済義務がないことも多いのです。もちろん審査や条件はあるかもしれませんが、返済不要の資金は起業にプラスに働いてくれるでしょう。
第三者からの意見が聞ける
助成金や補助金を申請には、事業計画書の作成が必要となります。そのため、事業計画書の作成時や審査段階において第三者から事業に関する意見をもらうことができます。客観的な意見を参考にすることで、事業計画を見直すきっかけにもなるでしょう。
信用を得られる
創業補助金などを受給することができれば、金融機関などのステークホルダーから信用を得ることもできるでしょう。受給が決定したということは、国や地方公共機関から事業計画が一定の評価を受けたことになるため、金融機関や取引先からの信頼向上につながる場合があります。
起業や開業において助成金・補助金を申請する際の注意点は?
では、注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
受給要件や審査がある
助成金を受給するためには、要件を満たし、審査を通過しなければなりません。つまり、申請すれば必ず受給できるものではないので、その点については予め考えておかなくてはならないでしょう。
原則として後払いとなる
助成金、補助金ともに後払いであることが多いです。そのため、審査を通過したからといってすぐに入金されるわけではありません。早急に資金が必要という場合には、資金繰りが間に合わないことも踏まえ、動いておかなくてはならないでしょう。
書類作成に時間がかかる
申請する際に、事業計画書を作成しなければなりません。また、審査を通過した後も資金の使い道などの報告書を提出しなければならないので、面倒に思う方も。特に、書類作成に慣れていない場合は、思いのほか時間を取られてしまうことを覚えておきましょう。
どのような助成制度があるのか?
助成制度の一部をみていきましょう。
創業助成事業
東京都の助成金で創業5年以内の事業者、または開業を予定している方が応募することができます。人件費や賃借料なども対象になるため利用しやすい制度です。助成対象期間は交付決定日から6か月以上最長2年、助成率は3分の2以内、助成額の限度額は400万円となっています。
東京都「融資・助成制度」
小規模事業者持続化補助金
従業員が20名以下の小規模事業者を対象とした補助金です。補助金を申請するためには、商工会議所または商工会の助言等を受けて経営計画を作成する必要があります。一部の申請枠では「インボイス特例」や「賃金引き上げ特例」などの要件を満たすと、補助上限額が上がる場合も。
全国商工会連合会「小規模事業者持続化補助金」
事業再構築補助金
新分野の事業を始める事業者を対象とした補助金です。他の補助金に比べて予算が多く、枠によって上限は異なるのが特徴です。
事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金」
ものづくり補助金
中小企業や小規模事業者の製品開発などを支援する補助金です。正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。
独立行政法人 中小企業基盤整備機構「ものづくり補助金のご案内」
IT導入補助金
ITを導入し生産性をあげるための補助金です。国が推進するDX化に則した補助金で、パソコンやタブレットなどのハードウェア、会計ソフトなどの業務効率化ツールの導入費用も対象となります。
独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」
まとめ
「自己資金がないから独立は難しい」と考えてしまいがちですが、現在は融資制度や補助金・助成金など、起業を後押しするさまざまな仕組みが整っています。大切なのは、資金があるかないかではなく、自分の事業に必要な資金を把握し、無理のない計画を立てることです。
独立や起業は人生の大きな挑戦ですが、事前に情報を集めて準備を進めることで、不安を減らしながら一歩を踏み出せます。まずは利用できる制度や資金調達の方法を確認し、自分らしいセカンドキャリアの実現に向けて行動を始めてみてはいかがでしょうか。