個人事業主こそ健康診断が必須!お得に受けるコツや、経費で落とせるのかなどの疑問まで解決
- 独立・起業
- 公開日:2026年4月 1日
個人事業主は、会社員のように健康診断を毎年受ける習慣がなくなる傾向にあるため、何年も受けていないという人もめずらしくありません。しかし、個人事業主にこそ健康診断は大切です。今回は個人事業主が健康診断を受けるべき理由や、お得に受けるためのコツ、経費で落とせるかなどを解説します。健康診断を数年受けていない人や、費用を抑えて受診したいという人は、ぜひご一読ください。
個人事業主が健康診断を受けるべき理由
個人事業主が健康診断を受けるべき理由を3つを紹介します。健康診断を受けるか悩んでいる、受けるメリットを知りたいという人は、ぜひご確認ください。
健康に対する不安が減る
健康診断を受けることで、自分の体の状態が数値としてわかるため、健康に対する不安を軽減できます。健康診断によって自覚症状のない病気が早期発見できれば、早い時期に適切な治療を受けられます。
体の状態がわかっていれば、安心して日々の生活や仕事を続けられるので、結果として生産性も向上するでしょう。個人事業主は、会社員以上に健康問題を自分で管理し続ける必要があるため、毎年の健康診断は必須です。
収入へのリスクが減る
会社員の場合、病気になっても福利厚生制度を活用すれば、無収入になる状況は避けられる可能性があります。しかし、個人事業主が病気や怪我をした場合、治療のために仕事を休むとその分は無収入となります。
場合によっては、案件の失注にもつながるでしょう。定期的な健康診断で、病気の早期発見・治療が受けられれば、休業をしないで回復させられる可能性もあります。収入を守るためには、健康診断の受診が大切です。
家族の生活を守れる
個人事業主が健康診断を受けて健康を守ることは、家族の生活を守ることにもつながります。病気や怪我で働けなくなると即座に無収入となる状況は、家族の生活にも金銭面で影響を与えます。
健康診断で体の管理ができていれば、仕事に集中できるようになり、収入の増加にもつながるでしょう。また、医療費の削減など金銭的なサポートにもつながります。安心して仕事を続け、生活を送るためにも、個人事業主には健康診断の受診が必要です。
個人事業主が健康診断を受ける方法
個人事業主が健康診断を受ける方法を紹介します。
加入している健康保険
加入している国民健康保険組合を利用して、健康診断を受けられます。医師・歯科医師・建設関係などの場合は、国民健康保険組合に加入している場合がほとんどです。加入している国民健康保険組合のホームページから、健康診断の申し込みができますので、都合のつく日を予約します。
ただし、組合によっては年齢制限を設けているケースがあります。健診は18歳以上、人間ドックは30〜39歳までなど組合ごとに年齢制限が異なりますので、事前に確認しておいてください。特定健診やがん検診など、費用を抑えて受診できる場合もあるため、ぜひ活用しましょう。
自治体
国民健康保険組合ではなく、国民健康保険に加入している場合は地方自治体の健康診断を受診できます。自治体の健康診断の特徴は、特定検査診断と呼ばれる生活習慣の予防がメインであること、40〜74歳までの年齢制限があることです。
また、自治体によっては健康診断を無料で受けられたり、人間ドックの助成・補助金を用意していたりするケースもあります。具体的な内容については、自治体のホームページや窓口にて確認してください。
病院やクリニック
任意の病院やクリニックでも、健康診断は受診可能です。自治体などの健康診断よりも予約が取りやすかったり、近場の病院で受診できたりとメリットがあります。もし、追加で検査が必要になった時は、通い慣れた病院で受けられるのも嬉しいポイントです。
ただし、人間ドックという形になるため、健康保険組合や自治体の健康診断よりも費用は高額になります。費用を抑えて健康診断を受けたいと考えている人は、健康保険組合や自治体の健康診断を利用してください。
個人事業主がお得に健康診断を受ける方法
個人事業主が少しでも費用を抑えて健康診断を受ける方法を紹介します。お得に受診できるのは、特定健診とがん検診の2つです。
特定健診
特定健診とは、40〜74歳の人を対象に生活習慣の予防を目的として、特にメタボリックシンドロームに着目した健診のことです。自治体によっては35歳から受けられる場合もあります。
費用は健康保険組合や自治体によって異なりますが、多くの場合は無料で受けられます。もし負担が発生しても、費用は約8,000〜1万円となっています。特定健診での検査項目は、以下の通りです。
• 質問票
• 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
• 理学的検査(身体診察)
• 血圧測定
• 血液検査
• 脂質検査(空腹時中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)
• 肝機能検査(AST・ALT・γ-GT)
• 血糖検査(空腹時血糖または、HbA1c)
• 検尿 (尿糖・尿蛋白)
• 心電図検査
• 眼底検査
• 貧血検査(赤血球数・ヘモグロビン値・ヘマトクリット値)
• 血清クレアチニン検査(医師が必要と判断した時のみ)
検査結果によって、生活習慣に改善が必要と判断された場合は、特定保健指導が実施されます。
特定保健指導とは
医師・保健師・管理栄養士などの専門家が、対象者それぞれに応じた生活習慣を見直すアドバイスを行うことです。指導内容はリスクに応じて、動機づけ支援と積極的支援の2つが行われます。
がん健診
日本人が亡くなる原因の1つとして挙げられる、がんを早期に発見・治療するため、健康保険組合や自治体ではがん検診を設けています。費用は自治体の補助がある場合、無料〜3,000円ほど、自己診療で受ける場合は2万円ほどする可能性があります。
各検査項目と助成がある場合の費用は以下の通りです。
| 検査項目 | 費用 | 対象年齢 |
|---|---|---|
| 肺がん | 0〜1,000円(肺部X線検査・喀痰細胞診) | 40歳以上 |
| 胃がん | 0〜1,500円(胃部X線検査) 2,500円〜(胃内視鏡検査) |
50歳以上 |
| 大腸がん | 0〜1,000円 | 40歳以上 |
| 子宮頸がん(女性) | 0〜1,500円 | 20歳以上 |
| 乳がん(女性) | 0〜2,000円 | 40歳以上 |
ほとんどは40代以降に検査を行いますが、子宮頸がんのみ20歳すぎから2年に1回の検査が必要です。胃がん・大腸がん・子宮頸がん・乳がんは、早期に発見できれば90%以上が、肺がんは80%以上が治る可能性が高いため、定期的に受診して早期発見に努めましょう。
個人事業主が健康診断で受けるべき項目
個人事業主が健康診断を受ける場合、会社員のように指定項目がないため、自分で項目を選択する必要があります。基本項目を中心に、自分が気になる診断をオプションでつけるのがおすすめです。
何を受けるべきか迷うという人は、厚生労働省の定期健康診断項目を参考に決めてみてください。
1. 既往歴及び業務歴の調査
2. 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3. 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4. 胸部エックス線検査及び喀痰検査
5. 血圧の測定
6. 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
7. 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
8. 血中脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
9. 血糖検査
10. 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
11. 心電図検査
20代であっても詳細な状況が知りたい場合は、オプションで骨密度や呼吸機能の検査などもすると、生活習慣を見直して健康に過ごすためのヒントを得られるでしょう。
30代では、がんに関連する項目を検査すると、早期発見につなげられます。40代以降はがん検診だけではなく、ピロリ菌の検査など年齢によって罹患率が高まる病気の検査も受けてください。
個人事業主の健康診断の費用は経費になるか
個人事業主が健康診断を受診した際の費用は、経費にはできません。医療費控除にも含められないため、基本的には全額自己負担となります。また、個人事業主本人はもちろん、従業員として家族を雇用している場合、その家族分も経費計上はできません。もし、家族以外の従業員がいる時は、その分のみ経費として計上が可能です。
ただし、健康診断や人間ドックを受診した結果、重大な疾病が見つかった場合は、治療や療養などにかかる費用に対して医療費控除の特例を適用できるケースがあります。特例である「セルフメディケーション税制」は、以下のような条件を満たしている時に適用できます。
• 健康診断の費用が12,000円以上
• 健康診断の結果に基づいて、特定の治療を受けた
• 健康診断を受診した際の領収書や結果通知を保存している
あくまでも疾病が見つかり、治療を行った時のみのため、発見できた時の健康診断の費用は対象外のままです。利用をする際は確定申告の時に申請を行います。
個人事業主が健康診断の受診先を選ぶ際のコツ
個人事業主が健康診断を受診する際に、どういったポイントで選ぶと良いのかをご紹介いたします。後悔しないように、受診先もしっかりと検討してください。
個人で健康診断を受けられるか
一部の医療機関では企業や団体のみ、健康診断を受け付けているケースがあります。まず、病院の受診科目に健康診断を入れている所があれば、個人での受診に対応しているか確認してください。個人事業主向けに対応しているところであれば、スムーズに健康診断を受診できます。
アクセスが良いか
自宅や職場からのアクセスが良い病院がないか、探してみてください。アクセスが悪いと、定期的な健康診断の受診が難しくなります。健康診断は1度受ければ良いというものではなく、継続的な受診で変化がないか観察していくことが大切です。そのためには、普段の生活範囲の中にある病院を選ぶのがおすすめです。
アフターフォローにも対応しているか
健康診断の結果によっては、健康指導を受けたり治療を受けたりする必要があります。アフターフォローが充実している医療機関なら、同じ病院で検査結果を元に丁寧な指導や治療を受けられるでしょう。
継続的なモニタリングができれば、より自分に合ったサポートを受けられます。健康診断を受けられるかどうかのほか、その後の対応を行っているかも口コミなどから判断してください。
個人事業主が健康診断を受診する時に使えるサービス
個人事業主の健康診断にかかる費用は、原則全額負担です。しかし、専用のサービスを利用すれば、費用を抑えて受診が可能です。以下のようなサービスを活用して、お得に健康診断を受けてください。
• 一般財団法人あんしんサービス
• 事業用クレジットカードの付帯サービス
• プロフェッショナル&パラレルキャリアフリーランス協会
それぞれ、個人事業主も加入ができるうえ福利厚生サービスとして、健康診断の割引などを受けられます。健康診断の費用が気になるという人は、ぜひ活用を検討してください。
まとめ
個人事業主の健康診断について解説しました。個人事業主は会社員と異なり、毎年の健康診断は自身で管理し、受診する必要があります。
費用も自己負担となるため、受けていないという人もいますが、健康・収入・家族へのリスクを減らせる点を考えると、毎年受診した方がいいでしょう。受診の際は特定健診やがん検診のほか、個人事業主向けのサービスを利用するなど、費用が安くなる方法をぜひ活用してください。