物価高・収入減の時代に備える|ミドルシニアが選ぶべき副業とは

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物価高や実質賃金の低下により、一般的な会社員でも“下流老人”になるリスクが高まっています。特に50代以降のミドルシニアにとって、老後資金の確保は急務です。今回は、収入源を増やすための副業や、注目される「ビヨンド副業」のメリットを解説します。将来の不安を減らし、安定した老後を実現するためにご一読ください。

誰もが「下流老人」に成り得る社会

少し前に、「下流老人」という言葉が巷を賑わせました。下流老人とは、普通の生活を送ることができず"下流"の生活を強いられている老人のことで、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」を意味するといいます。

現在、日本には該当する方が推定600~700万人はいるとされています。さらに、恐ろしいのは日本の平均年収である400万円前後のサラリーマンでも、下流老人に落ちてしまうリスクがあると言われているところです。

平均寿命が延びた現在、誰もが老後資金をどうやって準備するか、この物価高にどのように対応していけば良いのか悩んでいることでしょう。金利が上がった今、住宅ローンがいつまでたっても終わらない現実があり、家賃も更新の度に値上げを言われる始末です。

私たちの暮らしは良くなるどころか、歳をとればとるほど不安要素が増えていく気がしてなりません。さらに、ずっと健康で生きられれば問題ありませんが、いつ健康を害するかもわかりません。

また、「2025年問題」と言われる1947~1949年の第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代が後期高齢者(75歳)に達し、人口の4分の1が後期高齢者となりました。いよいよ社会保障費の不足や、深刻な介護人材不足に陥っていくとも言われています。

データ元:藤田孝典「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」(朝日新書)

ミドルシニア世代に、副業のすすめ

早いうちから動いておくことが重要

不安定な社会情勢だからこそ、50代のうちから老後を見据えた動きをしておく必要があります。優良企業が突如倒産してしまった歴史や、ちょっとした不祥事であえなくそっぽを向かれて経営危機に陥った企業を見てもわかるように、「絶対大丈夫」なんてことは、この世の中にはありません。

急に、自身や家族が病に伏せてしまうことも考えられます。そんないざと言うときのために、50代の今のうちから動いておくことは将来へのリスクヘッジにもなるでしょう。

具体的に何から始めたら良いかわからない方は、まずは"副業"から始めてみるのをおすすめします。将来に向けてやっておいた方がいいことは、手取りを増やすことです。お金があれば、それを元手に投資で資産形成を行うこともできますし、貯蓄に回すこともできます。

そこで、おすすめなのがスキマ時間や休日にでもできる"副業"です。ミドルシニア世代の会社員に、40代以降の副業経験について尋ねたところ、「副業を実施したことがある」約22%、「副業を実施したことがない」約78%という結果になったとのこと。

副業をしたことがないミドルシニア世代の方は、8割にも上ります。副業に興味があるとは言っているものの、具体的に行動に移せている方は少ないことが明らかです。

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副業のメリット

副業のメリットは副収入だけではありません。本業とは別ジャンルを選ぶことによって、まさかの事態にも備えることができます。

現に飲食店に勤めていた方は、趣味のDIYが功を奏し、建築業でアルバイトできたことでコロナの時に本業が無収入になっても、耐え忍ぶことができたといいます。まさかの時に備えて動いていなくても、収入源を一本化しないことでリスクヘッジが自然とできていることもあるでしょう。

また、副業は収入面だけではなく、スキルアップや新たな人脈の形成にもつながります。副業だからこそ、合わないと思えばすぐに方向転換できるフットワークの軽さも副業をするメリットです。

データ元:株式会社lotsful Company「ミドルシニアの副業実態と、キャリアに関する調査を実施」、株式会社マイナビ「しなやかに紡ぐ老後キャリアのために」

政府も認める、副業の重要性

副業をする人が増えている背景には、政府が2018年に副業を解禁したことが大きな要因であるといえるでしょう。その背景にはどのような動きがあったのでしょうか。

人生100年時代に対応するため

人生100年時代、本業では得られないスキルや知識、経験を副業や兼業で得ることでキャリア形成の発展が行えると考えられました。副業で活躍する場が広げられれば、希望する働き方を見つけることにつながるとされたのです。

地方創生のため

人口は都市部に集中し、地方では過疎化がますます進んでいます。それにより、地方企業の人手不足も進み、採用活動が難航する企業も出てきています。そこで、普段は都市部に住んでいる人に、週末などの機会を使って副業で働いてもらえれば、人手不足の解消につながると考えられたのです。

所得を増やすため

近年「実質賃金」が減っています。これは物価の高さと比較して賃金が低いため、生活が豊かになりにくい状況だといえます。このような状況からも、政府は国民にゆとりのある生活を送ってもらうために、所得を増やせる副業や兼業を推進しているのです。

企業にとって、副業はどのような作用があるのか

副業や兼業は、働く私たちだけに影響があるものではありません。それは雇用する側の企業にとっても、大きな影響があるものなのです。

人材流出を抑えることができる

副業を解禁することで、優秀な社員の流出を止めることができます。例えば、優秀な社員は向上心もあることから日々の業務だけでは満足がいかなくなり、もっと違うことに挑戦したくなります。

そこで副業ができないと、副業ができる会社への転職を考えてしまいます。そうした人材流出を抑えるためにも副業は役立っているのです。

優秀な人材が確保できる

現代では、正社員だけでなく業務委託やアルバイトの働き方を希望する方が多いのが特徴です。業務委託やアルバイトなど副業として働く人材を受け入れれば、たとえ正社員でなくても優秀な人材の確保をすることができます。

ミドルシニア世代の副業で気を付けておきたいこと

副業を始めるにあたって気を付けておきたいことには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

情報の扱い

副業することで、様々な情報を得る機会があります。個人情報や機密情報の取り扱いに関して十分に理解していても、本業のメールアドレスと副業のメールアドレスを間違えて使ってしまい、それが原因で個人情報や機密情報が洩れてしまうといったリスクも。

本業と副業で使用するスマホは分けて使うようにしておくなど、リスク回避について予め決めておくとよいでしょう。

本業の生産性が下がる

副業や兼業は、本業以外の時間である休日や平日の遅い時間に行うことが多いでしょう。そのため、休むはずの時間に仕事に取り組むことで十分に休息できず、本業での生産性が低下してしまう恐れがあります。副業を行う際は、きちんとメリハリを付けて本業に影響しない程度に頑張るようにしましょう。

まずは「ビヨンド副業」からスタートを

「ビヨンド副業」とは、首都圏に住みながら地方の仕事をオンラインで請負うという働き方です。ビヨンド副業の仕事内容の具体例は以下のようなものがあります。

・SNSを活用した仕事
・コンサルタント
・エンジニア

基本的に時間や場所に縛られることのない、オンライン完結の仕事がメインとなります。パソコンやスマートフォンがあれば、作業を進めることができるのでミドルシニアの副業に合っている働き方の一つでしょう。

ビヨンド副業では週末が稼働の中心になるため、本業を犠牲にするリスクも減らます。また、ビヨンド副業を探す場合には、地方企業からの業務委託業務が掲載されているマッチングサイトがおすすめです。地方の案件だからといって出張があるわけではないので、気軽に始められる点も◎。

実際、こうしたビヨンド副業を福利厚生に盛り込んでいる企業も増えてきており、社員に自由に選択させる働き方を推奨している会社が増えてきている印象です。

歳をとると挑戦こそ、難しい

歳を重ねると、いざ行動しようと思っても腰が重いことってありますよね。実際、副業をしたいと思っていても挑戦する人って意外と多くないのです。若い時に比べて私たちは「新しいことに挑戦したくない」、「現状維持ならそれでいい」と思ってしまいがちです。

このように考えてしまうのは、加齢とともに脳の機能が低下してしまっているからと言われています。つまり、やる気が出ない、挑戦に向えないのは脳の老化現象なのです。それでも私たちは、自分の将来を少しでも良くしたいと日々と向き合っています。

そこで、もしやる気が起きないときは考え方を変えてみましょう。「もうこんな歳だから...」、「どうせ頑張ったって...」と思うのではなく、今から行動をすれば未来は変えられるということをしっかり頭にいれましょう。

このスタートダッシュを切るのが早ければ早いほど、老後の資金も貯まりやすくなるのですから、今のうちに頑張っておいて損はありません。老後資金がない、お金がないと嘆く前に、一旦行動を起こしてみましょう。行動した先に思ってもみなかった未来が待っているかもしれません。

まとめ

金利上昇、物価高...私たちの生活は決して楽ではありません。だからこそ、将来を見据えた動きを今のうちから始めたいですね。

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