40代で年収アップは可能?今、 "収入を上げるためにすべきこと"とは

  • キャリアを考える

住宅ローン金利の上昇や物価高が続き、40代にとって年収の停滞は深刻な問題です。日本の平均年収は先進国の中でも低水準で、非正規雇用の増加が賃金の伸び悩みに影響しています。一方で、40代の転職市場は活発化しており、半数以上が年収アップに成功しているというデータも。本記事では「転職」「社内での工夫」「副業」など、40代が収入を増やすための具体策を紹介します。

世界的に見ても、日本は低水準の年収

世界でも有数の先進国として名を連ねている日本。しかし、その実態は先進国らしからぬ年収が上がりづらいという現実があるのをご存じでしょうか。

現在、全世代を含めた日本の平均年収は、およそ460万円。アメリカの平均年収がおよそ1,200万円と言われていますから、半分以下の水準です。さらに、スイスにおいては日本の約3.5倍、1,600万円ほどの平均年収だといいますから、いかに日本の平均年収が低いのがお分かりいただけるかと思います。

なぜ、日本の平均年収は諸外国と比べても低いのか。

日本の平均年収が低いと言われる背景には、バブル崩壊以降の「失われた30年」が及ぼした、長期的なデフレが影響しているといいます。景気の鈍化による企業の力が衰退した結果、非正規社員の雇用率が増加したことも大きな要因だとされています。

そして、そうした正社員と比べてボーナスや福利厚生が十分だとは言えない非正規雇用が労働者人口のおよそ4割を占めてしまっていることも、日本の平均年収が上がりづらい実情に繋がってしまっているのです。

データ元:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

40代で、年収をアップさせるためには?

現在、日本の働き盛りのミドルシニアである40代の平均年収は、約550万円。日本の平均年収から比べればその値は100万円ほどプラスであるものの、将来的な老後の資金なども考えなくてはならない世代としては、昨今の物価高や家賃相場の値上げなどを踏まえると、やや心もとない年収かもしれません。

また、2025年12月には約30年ぶりに政策金利が0.75%まで引き上げられました。これにより、住宅ローンの支払いが増加するなど、今後の私たちの生活へ大いに影響を及ぼすことは容易に想像ができます。

このような先行き不透明な時代において年収が上がり、手元にあるお金を増やすことは不安材料を払しょくすることにも繋がります。では、年収を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。

年収を上げる一番の近道は、やはり"転職"でしょう。ただ、「ミドルシニアに差し掛かった40代で転職なんて大丈夫だろうか」、「転職すると条件が悪くないかしら......」と転職に踏み切ることに不安になる方も多いかもしれません。

しかし、40代以上の転職を成功させている方のおよそ半分は年収をアップさせているといいますから、40代での転職で年収を上げることは比較的難しくないことがわかります。このように、40代の転職市場は活発化しているのです。これまで終身雇用の根強かった日本の雇用状況も、徐々に流動的かつ軟化傾向になっています。

40代活躍中の求人を探す

40代で転職が厳しいと言われる理由

盛り上がりをみせる、40代の転職市場。それでも40代での転職は厳しいとの声も聞かれます。どのような理由が挙げられるのでしょうか。

求人数が少ない

転職サイトに掲載される求人数は、年齢が上がるにつれて減少する傾向にあります。特に「40歳以上歓迎」と明記された求人はあまり見当たりません。しかし、これは裏を返せば「年齢不問」の求人が多数存在するということでもあります。

つまり、人手不足と言われる現代において40代でも求人数は一定数存在しますが、若手と比べるとその数は少なくなっているという現実から、40代での転職は厳しいとの印象を持っている方が多いのでしょう。

職場環境に馴染めるかを不安視する声がある

企業側が40代採用を躊躇する理由の一つに、組織内の人間関係があります。10歳も年齢が年下の人が上司になることも今の世の中では珍しくありません。

外資系のような実力主義の会社の経験がある人でしたら問題ないかもしれませんが、そういった環境に馴染めない40代も少なからずいます。そういった事を人事や組織運営側は懸念し、慎重に人材を見極めているといった点から、40代の転職が厳しいと考えられる要因に繋がっているようです。

40代の転職で失敗しがちな人とは?

せっかく転職活動を始めたというのになかなか成果が出ない...という方は、一度自身の転職活動が失敗のパターンに当てはまっていないかをチェックしてみましょう。

失敗パターン➀:年収に固執しすぎる

年収にこだわりすぎた結果、どこにも就職が決まらないという方に多いパターンです。もちろん、収入を上げるために転職活動をするので入社時の年収は重要になりますが、インセンティブや昇給の頻度など、スタート時だけの年収をみて企業を判断するのは選択肢を狭めてしまうことになりかねません。

失敗パターン➁:焦りから短期間で決めようとする

40代での転職は、平均して6ヶ月は期間が必要だと思ってください。焦りから妥協して入社を決めてしまったり、面接などでもよいパフォーマンスが発揮できなかったりと、気持ちの焦りはマイナスにはなっても、プラスにはなりません。40代での転職では時間がかかることを念頭において転職活動を始めましょう。

失敗パターン➂:リサーチ不足

転職活動では条件だけではなく、仕事内容や企業のカラーなど、入念にリサーチした上で臨むようにしてください。あまり企業のことを知らずに転職してしまった場合、入社後にミスマッチが起きてしまい、早期退職にもなりかねません。早期退職すれば、次の就職先が決まりづらくなってしまいます。

失敗パターン④:強みのない転職活動

強みを把握した上で転職活動を行っていない場合、企業から評価されづらくなります。もし、書類審査や面接で次のステップにいけていないという方は一度、自己分析を徹底してやってみると躓きが見えてくる場合があります。また、自分で強みがわからないときは転職エージェントや友人に頼ることも一つの手です。

40代の転職活動で心得ておきたいことは?

では、40代の転職活動を成功させるために心得ておきたいこととは何でしょうか。

まずは、強みの打ち出し方を間違えないことです。ミドルシニアである40代での転職は「専門性」と「マネージメント経験」の2つがあってこそ、企業に求められやすい人材だと言えます。そのため、市場価値を高めるためにも専門性とマネージメント経験を両方アピールすべきでしょう。

また、転職エージェントにも登録をしましょう。登録する場合は一つに絞るのではなく、複数のエージェントで登録しておくと◎。そうすることで、自分のことも多角的にバランスよく知ることができますし、エージェントごとの特色や特徴から就職先の幅も広がるでしょう。

そして、転職活動を成功させるためには、年収交渉もしっかりと行いましょう。年収の交渉は最終面接後の内定提示の段階が一般的だと言われています。なお、内定前に希望年収を聞かれた場合には、「前職実績+10%」を目安に回答すると良いでしょう。

年収アップを図るための転職活動を成功させるには?

年収アップする転職を成功させるには、どのようなことを意識すればよいのでしょうか。

同業界や同職種での給与の高い企業へ移る

現在の経験やスキルを直接活かせる転職の方が、収入アップの確率は高まるでしょう。これまでのキャリアで培った知識や実績が強みとなり、転職市場においても武器になってくれます。

また、就職後も仕事内容はあまり変わらないため、新しいことを学んだり、慣れないことに取り掛かったりしないで済むというメリットもあるでしょう。

年収の高い業種に挑戦する

業種ごとに平均年収が違うことを把握し、転職活動に臨むことも大切です。例えば、最も平均年収の高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」で約760万円、逆に低い年収の業種は小売や飲食で約440万円です。その差を比較すると、約220万円となります。

このように、業種間の年収の違いを把握した上で転職活動に臨めば、年収アップすることも難しくはありません。年収を上げたいと考えるのなら年収ベースの高い業種を選ぶことも一つの手でしょう。

大手企業や成長中のスタートアップを狙う

一般的に大手企業は年収が高い傾向にあるだけではなく、福利厚生も充実しています。また、勢いのあるスタートアップ企業などは人を常に欲しているため、高い給料を提示して採用に力を入れていることが多いでしょう。そのような企業に狙いを絞って転職活動に励むことで、年収アップさせることに繋がりやすくなります。

インセンティブや実力主義の企業を選ぶ

年功序列ではなく、成果主義や実力主義の企業への転職で収入を上げることができるでしょう。特に、ノルマがある営業職や個人の裁量が試されるマーケティング職などは頑張り次第で年収を上げることが可能です。

ただし、成果主義型の企業で働く場合、プレッシャーに強くない方は長期的に安定して働くことができなくなりますので、ご自身の性質に合っているかどうかを判断してから就職を進めましょう。

転職サイトや転職エージェントに登録する

転職サイトや転職エージェントを活用するのも1つの手です。上手く使うことで、自分のスキルや希望に適した求人を効率的に見つけることができます。登録をしておけば、現職の空き時間などで転職活動を進めることができるでしょう。

また、応募書類の書き方や面接でのポイントといった採用に関する知識も教えてもらえるため、不安なく転職活動をすることができます。

転職以外で、年収を上げる方法とは?

年収アップを図るために転職活動をすることも重要ですが、それ以外の方法で年収アップを図ることもできます。

現職で最大のパフォーマンスをする

今の仕事で給与を上げることも、年収アップさせる近道でしょう。日々の業務で成果を出すことで昇給や昇進に繋がった結果、年収を上げることに成功することも。日本での役職別の賃金は部長級で約60万円、課長級で約50万円、係長クラスでは約37万円ほどですから、昇給や昇進を図ることで年収を上げることが可能です。

また、働きに見合っていない給与だと思えば、上司と年収交渉をすることも大切なことです。その際は、感情的に「給料を上げてください」と訴えるのではなく、自身の働きを数値化して交渉に臨むようにしましょう。そうすることで、失敗しない年収交渉に繋がりやすくなります。

社内異動する

会社では、部門によって給与水準の高い部署があります。ミドルシニアの場合、管理職を担っていることも多く、既に現在の部署での昇給が頭打ちになっている場合も。そんなときは社内の年収が高い部署へ異動することが年収アップに繋がるでしょう。

例えば、営業部門などは、他の部署に比べて給与が高く設定されているケースが多いです。今の部署でこれ以上の昇給が見込めないのであれば、社内での異動も検討してみてください。

資格取得を目指す

会社が推奨している資格を取得することで資格手当を得られたり、昇給に繋げられたりすることができます。多くの企業では、「資格手当」を支給する制度を設けています。

例えば、金融業界であれば「中小企業診断士」や「経営学修士(MBA)」などの資格、不動産業界であれば「宅地建物取引士」、経理職であれば「簿記」や「税理士」などの資格が対象になるでしょう。また、資格を取得しておくことで専門性を客観的に証明することができ、今後のキャリアにおいてもプラスになります。

副業で収入を増やす

現在の仕事を続けながらも、副業をすることで収入を増やすことができるでしょう。最近では副業を解禁する企業も増えていることから、クラウドサイトなどを利用することで手軽に副業をすることができます。

月に5万円の副収入があるだけで年間に換算すると、60万円になります。それだけで今の年収+60万円の収入アップが見込めるのですから、副業にチャレンジすることで収入を増やすことができるでしょう。

独立する

会社に属さず、個人事業主やフリーランスとして働くことで、収入を大きく上げられる可能性があります。エンジニアやデザイナーなど特定の専門分野で高いスキルがあれば、収入に上限がないため、会社員時代以上の収入を得ることも難しくありません。

ただし、収入が不安定になるリスクもありますから安定的に仕事を得られる見込みがない場合は、まずは副業からのチャレンジがおすすめです。

データ元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

まとめ

物価高が止まらず、金利が上がった現在。生活によりお金が掛かるようになっている一方で、給与が上がらない現実があります。それでも、ポイントを抑えることができれば40代でも年収を上げることは難しいことではありません。収入を上げ、納得いく働き方をしていきたいですね。

関連記事

40代はキャリア実態と理想にギャップあり!今からでも間に合うなりたい自分を目指す方法 ボーナスを無駄にしない!貯蓄・投資・自己投資の黄金バランス 40代や50代の平均貯蓄額は?年齢に合ったお金のため方や老後資産の準備についてご紹介

記事をシェアする

あなたへのオススメ記事

40代はキャリア実態と理想にギャップあり!今からでも間に合うなりたい自分を目指す方法

ヒューマンホールディングスが実施した「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」によると、多くの人が理想のキャリア像と現実にギャップを感じていることがわかりました。今回は40歳の年収に関するギャップや、なりたい自分に近づくためのリスキリングについて紹介します。リスキリングでよくある失敗や、忙しい40代が時間を確保するコツも解説しますので、理想の自分に今からでも近づきたいという人は、ぜひお読みください。

  • キャリアを考える
  • 2025年12月22日

40代でキャリアを見直す理由と、新しいキャリアパスの築き方

40代はキャリアの分岐点。仕事・家庭・健康…多くの課題が重なるこの時期に、どう未来を描くべきかなのでしょうか?今回は、40代でキャリアを見直す理由と、新しいキャリアパスを築くための具体的なヒントを紹介します。

  • キャリアを考える
  • 2025年11月25日

セカンドキャリア、迷っているのはあなただけじゃない!意識調査で見えた現実

人生100年時代を迎え、働き方の選択肢が広がる中で、定年を分岐点に新たなキャリアを模索する人が増えています。この記事では、公益財団法人産業雇用安定センターの調査結果をもとに、ミドルシニア世代が抱える不安や希望、そしてセカンドキャリアを考えるための具体的なヒントを紹介します。迷っている今こそ、未来の働き方に向けた一歩を踏み出すタイミングかもしれません。

  • キャリアを考える
  • 2025年11月12日

あなたにあった働き方を選ぶ