ミドルシニア層から人気を集めている!?未経験から始められるビル管理の仕事

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オフィスビルは全国におよそ10,500棟あるとされています。また、2025年までに新たに約150棟のビルが建設予定だといいます。本日は、そんなオフィスビルで働く「ビル管理」の仕事に向いている人や、活かせるスキルについて解説します。

ビル管理の仕事がミドルシニア層から人気を集めている!?

ビル管理とは、オフィスビルやマンション、商業施設などの建物を管理する仕事です。その仕事内容は清掃や設備の点検、警備防災の業務といった幅広いものとなっています。具体的には、マンションの共用部の清掃や電気設備の点検、トラブルや異常時の対応といった臨機応変な業務内容まで様々です。

都心ではこれからもビルの新築や増加が続くと考えられているため、今後もビル管理の仕事は需要が高く、求人数が安定的にあるとされています。そんなビル管理の仕事に今、ミドルシニア世代が求められているというのです。

ビル管理の仕事では、突発的な対応や人とのコミュニケーションを図る機会も多く、人生経験の豊富なミドルシニア層の活躍が期待されているからです。また、ビル管理の仕事は落ち着いた環境を求めるミドルシニア世代にとっても働きやすい職場だといえるでしょう。

なぜ、ビル管理の仕事が人気を集めているのか

ビル管理の仕事はなぜミドルシニア層を中心に人気を集めているのでしょうか。
現在のビル管理業界では人手不足が大変深刻です。日本の労働力人口が減っているのはもちろんのこと、ビル管理の業務への若い世代の応募が少ないのも、ビル管理の仕事がミドルシニア世代に開かれている所以でしょう。

また、未経験でも募集している求人が多く、入社してからの研修やサポートも充実しているため、ミドルシニア層が未経験からチャレンジできる環境も広がっているのです。さらに、週に数日だけ働きたい人や、アルバイトといった柔軟な雇用形態がある点もミドルシニア層から人気なポイントです。

データ元:日本不動産研究所「全国オフィスビル調査(2023 年 1 月現在)

ビル管理の仕事内容とは?

ビル管理とは、大まかにいえば商業施設やオフィスビルなどを使う人たちに快適に利用できるように環境を整える仕事です。公益社団法人全国ビルメンテナンス協会によれば、ビル管理には大きく6つの業務があるといいます。

・点検設備業務:建築基準法に基づき設備の調査や検査を実施する
・衛生管理業務:給排水の水質や空調点検、害虫駆除などを行う
・清掃管理業務:ビルの内外の清掃を行う
・警備業務:防犯・防災といった安全管理を行う
・運転保守業務:電気や消防設備、エレベーターの点検や整備を行う
・管理サービス業務:受付や案内を含む、ビルのマネジメント業務を行う

このように、ビル管理と一概にいっても多くの職務があるのが特徴です。求人も、それぞれに特化した専門的なものから複数の業務内容があるものまで様々存在します。

データ元:公益社団法人全国ビルメンテナンス協会「ビルメンテナンス業界について」

マンション管理とは何が違う?

よくビル管理の仕事と類似されるものに、マンション管理の仕事があります。ビル管理の仕事とマンション管理の仕事では、どのような違いがあるのでしょうか。まず、マンション管理の仕事では基本的に管理人と呼ばれる「マンション管理員」が存在します。マンション管理員が様々な業務や住人との窓口になり、マンション内の点検や巡回、清掃などを行います。

また、入退去者や設備工事といったマンション管理に関わる様々な業務に立ち合い、共有スペースなどの管理や受付、苦情などの受付業務を担うことも。いわゆる管理人さんと言われる仕事の全般をこなすのがマンション管理員の仕事です。

さらに、マンション管理人と混同されがちなのが「マンション管理士」でしょう。こちらは国家資格を取得しなければできない業務で、マンション管理組合の運営、大規模修繕の計画立案など、マンション全体のコンサルタントとしてマンション管理や運営を担う仕事となります。

ビル管理の仕事に向いている人とは?

では、ビル管理の仕事にはどのような能力が必要なのでしょうか。

・コミュニケーション能力

ビル管理を仕事にするためには、利用者や他の従業員とのコミュニケーションが重要となります。時にはトラブルへの対応もしなくてはなりませんし、利用者からの相談や要望に丁寧な対応が求められます。特に、ミドルシニア世代は長年の人生経験やキャリアの中で培われてきた、コミュニケーション能力が存分に活かせると言えるでしょう。

・豊富な人生経験

家庭や職場など、これまでの人生経験がビル管理の仕事では役立つでしょう。例えば、主婦であれば家族のために長年掃除や住居のメンテナンスをしてきた人も多いはずです。

また、子育てで巻き起こるトラブルなどは問題解決能力が必要とされますし、ママ・パパ友や地域の住民に交じって新しいコミュニティを形成した経験も、ビル管理の仕事では活かすことができます。ビル管理の仕事では、家庭やこれまでのキャリアで得た実体験がそのまま職場での対応力に繋がるのです。

・気配り

ビル管理の現場では、気配りができる人材が重宝されます。設備の安全性を維持するためにも、小さな異常や汚れを早期に発見することが求められるからです。また、ビル利用者への対応では相手の立場を考慮する必要があります。細やかな気配りや相手への配慮ができることは、ビル管理業務にとって大変重要なのです。

・臨機応変な対応

ビル管理業務では、突然のトラブルに見舞われることも。設備の故障や不具合はいつ発生するかわからないため、トラブルが起きた際にも冷静かつ適切な対処が求められます。その点、人生経験を重ねてきたミドルシニア世代は、若年層に比べてこのような状況に強みを発揮できることが多いでしょう。柔軟な対応力は、ビル管理人として必要な能力と言えます。

・専門知識

ビル管理の仕事をする際には、趣味や専門知識が役立つことも。電気関係の専門学校を出ている場合、簡単な修理や設備点検を行うビル管理の仕事では、アドバンテージになります。また、DIYが趣味の方も手先の器用さをビル管理に活かすことができるので、何かを極めていたり、専門知識があったりする方ほど、ビル管理の仕事にやりがいを感じることができるでしょう。

ビル管理の仕事に資格は必要?

ビル管理業務では未経験でも挑戦できることがほとんどですが、資格を持っている方がスキルアップできる職場も多く存在します。

ビル管理に役立つ主な資格には「第二種電気工事士」や「消防設備士」、「ビル設備管理技能士」といったものがあります。第二種電気工事士とは、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる資格で、電気設備の保守点検や修繕工事などを行う場合に必要になります。

上記に挙げた資格は、業務に直接役立つだけでなく、キャリアアップを図る際にも上席の判断材料やアピールポイントになります。資格手当がある会社も多くあるので、資格取得でより安定した働き方に繋がるでしょう。

ただし、ビル管理の求人は専門知識や経験がなくても始められるものが多いです。未経験でも入社後に研修制度があったり、現場でスキルを学べる環境が整っていたりすることがほとんどなので、未経験でもビル管理の仕事に挑戦することは難しくはありません。

また、最近ではアルバイトとして簡単な清掃作業や巡回業務を担当し、徐々に経験を積んでから正社員採用になるなど、働き方改革を受けて働き方がより柔軟になっている傾向にあるようです。

ビル管理の仕事でミドルシニアが活躍するためには?

ミドルシニアがビル管理の仕事で活躍するためには、どのようなポイントを押さえておけばよいのでしょうか。

・キャリアを武器にする

ミドルシニア世代がビル管理の仕事で活躍するためには、これまでのキャリアを武器にすることが望ましいでしょう。今までの社会人経験はビル管理では直接的に役に立つことが多いです。

例えば、設備の点検や清掃業務、警備においてもビジネス経験が豊富な人材の方が信頼を寄せてもらえやすいなど、キャリアが活きます。トラブルにも迅速かつ冷静に対応できる点は、キャリアを積んだミドルシニアだからこそなせる業でしょう。

・健康に留意する

ビル管理の仕事は、体力が必要になる場面も多いものです。例えば、掃除や設備点検おいても体力が必要になってきます。健康に自信がある人はいいのですが、ミドルシニアになると身体にも問題が起きてくることも。ビル管理の仕事で活躍するためには、体力があることや健康であることが必要となります。そのために、健康管理には特に意識をしておきましょう。

・柔軟な働き方をする

ビル管理の仕事では、日勤や夜勤といったシフト制で働くことも多いでしょう。また、最近ではスキマバイトのような、スポット的な働き方を推奨する求人も多くみかけます。このような柔軟性のある働き方ができることは仕事だけではなく、家庭や趣味の時間と仕事を両立しやすいといえます。

人生100年時代を迎え、働き方は生き方にも繋がる今、仕事とプライベートのバランスの重要性が見直されてきています。そんな中、ビル管理の仕事では自分らしい生き方が実現できるミドルシニアの働き方として、注目を集めているのです。

・社会貢献度の高さを知る

ビル管理の職場では、年齢の近いメンバーと働くことが多く、チームで協力して行う仕事であるため、和気あいあいとした職場が多いのが特徴です。さらに、ビル管理業務を通じて公共の安全を守ったり、快適な環境を提供したりすることは社会的意義のある仕事と言えます。

なぜなら火災報知機の点検や空調の維持管理、清掃業務といったビル管理が行う日々の業務が利用者の命や健康を守るために欠かせないものだからです。ビル管理の仕事はそういった意味で社会貢献度の高い仕事として大変意義のある仕事のひとつでしょう。

まとめ

ビル管理の仕事は、社会的貢献をしながらキャリア形成ができます。また、多様な業務内容があるため自分の興味やスキルに応じた仕事を見つけやすく、長期的に働ける点もミドルシニア向きの仕事と言えるでしょう。

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