50代女性の転職理由と業種・職種へのこだわり具合は?転職先の業種や職種に、企業規模から年収変化までをご紹介

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転職率は年々増加傾向にあると報道されていますが、中高年層が知りたいのは自身の年代・性別における転職者の傾向ではないでしょうか。マイナビが発表した転職動向調査より50代女性にフォーカスし、転職における活動傾向や、転職後の意識・環境の変化について解説いたします。

正社員転職率は増加傾向

すべての年代・性別において正社員への転職率は年々上昇していますが、特に2019年では伸び率が高まっています。

50代女性の転職率自体は少ないものの、4年前の調査と比較すると2倍以上に増えているから、年齢を問わずに転職という選択肢が一般的なものになっていることが見えてきます。

転職活動を始めた理由

転職活動を始めた理由についてです。転職者全体で見ると「仕事内容への不満」「給与が低さ」「職場の人間環境の悪さ」という理由が高い回答を集めています。

50代女性の特徴としては、「仕事内容や給与への不満」は低い一方、「人間関係のストレス」や「会社の事業への不満」などを転職の理由とするケースが多いことです。さらに50代男性同様に「倒産やリストラ」を理由とした転職も目立つほか、「体調不良」なども多く存在します。

新しいことに取り組むことや市場価値を高めるといった能動的に新たな環境を見つけに活動するというよりも、リストラなどの非自発的理由が高いこともこの年代の特徴といえるでしょう。

転職活動の進め方にはどのような特徴がある?

利用しているサービス

もっとも認知度の高い転職サービスはハローワーク、ついで転職サイトという結果でした。情報収集から応募に至るまで、ハローワークを利用する率が高く、人材紹介会社を利用する率は最も低い水準にあるのは、紹介会社のサービスは自分たち向けではないという印象を持っていることが背景にあると考えられます。

閲覧数、応募数、面接数、内定数

求人閲覧数は転職者全体(35. 6求人)と同程度の平均35.5求人を閲覧。応募数は転職者全体(7.9応募)よりもかなり少ない平均5.9応募、面接は平均2.0回経験。最終的な内定は一人1.4社を獲得しています。

幅広く求人を探すというよりも、自分の希望に合致する求人を絞ったうえで「ここならば可能性がある」という見切りをつけて活動しており、それが内定に結びついています。結果的に効率的な活動と言えるかもしれません。

転職活動の期間

約半数が転職活動2ヶ月以内で転職を決めた会社に応募しています。求職者全体からすると若干時間はかかる傾向がありますが、同時に複数応募して活動するというよりも、一社ずつ選考を進め、結果が出てから次の企業を探すといった活動が想像できます。とはいえ、1年以上の長期化する率は5.1%と低いことから、着実に前進していくスタイルが実を結んでいます。

転職活動前後における意識の変化

転職後の変化(ポジティブ要因)

「仕事への取り組みやすさ」「職場の人間関係向上」などが転職のポジティブ成果として挙げられています。

仕事のやりがいの項目は高くないながらも、仕事量を抑え、仕事内容も簡単なものにシフトすることで働きやすさの獲得に成功しているケースが多いのが特徴でしょう。

異業種、異職種への転換率

業種の変化について

転職者全体(48.2%)に比べ、50代女性の異業種への転職率は41.8%と低い水準です。受け入れが多い「医療・福祉・介護」業界においては、資格・これまでの経験を直接的に活かしたい志向が見て取れます。また同業界は、参入ハードルが低いことから異業種からの受け皿にもなっています。

また、「不動産・建築・設備」業界の受け入れが一定数あることは、マンション管理系・設備系などの職種に転身していることが理由です。

職種の変化について

異職種への転職率は転職者全体(38.0%)よりも低い35.4%。これまでの職種にこだわりがありますが、40代女性に比べるとそのこだわりは低めです。

最も転職先として多いのは「管理・事務」。体力的な負荷の低いオフィスワークが人気を集めています。次に多いのが「医療・福祉」の仕事。未経験でも正社員として採用されやすい職種であることから、転職が多くなっています。

企業規模や年収はどのように変化?

企業規模の変化

転職した50代女性の6割が100名以下の企業に在籍という特徴があります。また、5001名以上の企業に属していた人たちも1割程度いますが、早期退職やリストラなどが原因として考えられます。

転職先を見ると、より規模が小さい企業を選択した率は全体(37.7%)に比べ48.1%と非常に高い結果になっているのが特徴です。

年収の変化

年収変化について見ていくと、年収帯は前職・現職ともに「300~349万」が最多。経年比較を見ると、2019年の転職者全体で年収が上がったのは33.7%、年収が下がったのは25.8%。

2016、2017年に比べると転職によって年収が上がった割合は低下傾向にあるのは、年収を上げることが目的の転職から、働き方を変えるための転職という観点が強くなってきていることが考えられるでしょう。

50代女性の年収変化を見ていくと、上がった割合が22.8%(全体では33.7%)、下がった割合が26.6%(全体では25.8%)であることから、転職で年収が下がった人の方が多いという結果になっています。

小規模事業所を転身先に選んだ人が多いことから、年収よりも自分に負荷のかからない働き方を選択したことが垣間見えます。

転職することを、50代女性はどのように捉えている?

最後に転職に関する考え方を見ていきましょう。

「転職は簡単にできる」という設問に対して、そう思うと答えた割合は24.1%、思わないと答えた割合は48.1%。転職は大変なものだったという印象を持っている人が多いです。

しかし、「転職は前向きな行動である」「転職は必要である」という設問に対しては、多くの人がそう思うと答えている結果から、転職は大変なものではあるが自分の人生を自律的に気づいていくために必要なものであると捉えていることがわかります。

転職をするかしないかは、結局のところ自分次第。自分の所属する環境がどう変化していくかを見定めたうえで、どんな人生を歩んでいきたいかのイメージを描くことが重要です。

まとめ

コロナショックによりこれまで以上に何が起こるか見通せない時代となりましたが、転職を成功させる秘訣は、検討は慎重に。しかし、決断したら迅速に行動することです。常に前向きな気持ちを持ち続けていきましょう。

【調査概要】『マイナビ 転職動向調査2020年版』

調査期間:2020年2月21日(金)~2月25日(火)
調査方法:インターネット調査
調査対象:正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2019年に転職した方
有効回答数:1,500名(男性20代277名、男性30代286名、男性40代210名、男性50代144名、女性20代239名、女性30代139名、女性40代126名、女性50代79名)

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