定年まで働いたあなたへ 最後の一仕事、定年退職の挨拶

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仕事の引継ぎはもちろん、年金・健康保険などの各種手続きなど、定年退職する前に行うべきことはたくさんあります。その中でも最後の仕事といっていいものが、お世話になった人への退職の挨拶です。取引先や社内に向けての、定年退職の挨拶のタイミングや内容についてまとめました。

今までお世話になった取引先や企業。在職中の感謝の気持ちを伝えるとともに、後任にうまく引き継ぐためにも、挨拶をするタイミングは大切です。退職の挨拶を送る際、気を付けたほうがいい点について「メール編」「はがき・手紙編」に分けて解説します。

取引先へ定年退職の挨拶をメールで送る

退職の挨拶状は手紙やはがきなどを用いることがかつては主流でしたが、最近はメールで挨拶文を送信するケースが主です。

送信する時期

取引先への退職の挨拶メールは、社内の人間に送るよりも早めに送信しておくことが基本です。現在、関わっている仕事の内容やスケジュール、自身の有給の消化日なども考慮して、失礼のない時期に送るようにしましょう。

具体的には、最終出社日の2週間から3週間前には送るようにしたいものです。

メールに盛り込む内容

・お世話になったことに対するお礼
・退職する日
・後任者の紹介

このような内容を盛り込みましょう。

直近でお付き合いのある取引先の場合は、社内の後任者の紹介も含めて直接出向く場合が多いと思いますが、直接の挨拶が難しく、メールのみの挨拶となってしまった場合は、「本来ならば直接伺って挨拶すべきところ、メールでの連絡となってしまい失礼いたしました」という一言を加えると、行き届いた印象を与えられます。

送信する時間帯

メールを送信するのは、早朝・深夜といった時間は避け、業務時間内が基本です。とはいえ、重要なやりとりが多いと予想される時間帯(午前9時~11時、午後1時~4時)や、終業がギリギリの時間は外し、業務が比較的落ち着く時間を見計らって送信します。

文例や雛形などは、インターネットでさまざまなものが公開されているので、参考にするのがおすすめです。

取引先へ定年退職の挨拶を手紙・はがきで送る

メールでの挨拶は、退職の直近で送信するのに対し、はがきや手紙の場合は、退職後1ヶ月後、遅くとも3カ月以内に先方に届くように送付します。

手紙やはがきに盛り込む内容

・冒頭で簡単な季節の挨拶
・退職した月日
・在職中にお世話になったお礼
・新生活への抱負
・今後も変わらぬお付き合いのお願い
・自身の住所、氏名

挨拶状を印刷して出す場合も多いかと思いますが、その時には手書きのメッセージを一言添えると気持ちも伝わります。印象に残ったエピソードなども書き加えてもいいでしょう。

部下や上司への定年退職の挨拶メール

社内でこれまで一緒に仕事に取り組んできた同僚や、指導してくれた上司、頼もしく成長した部下などには、どういった挨拶がよいのでしょうか。メールと社内スピーチの例を挙げて紹介します。

送信する時期

取引先への定年退職の挨拶は、退職日の2週間~3週間前でしたが、社内の場合はこれまでの感謝の気持ちを伝える「最後の挨拶」に近いものであるため、出勤の最終日にするのが一般的です。しかし、社内での慣習がある場合は、そちらを優先しましょう。

盛り込む内容

メールは要点を抑えたシンプルなものにします。内容な下記のようなものです。

・在籍中にお世話になったお礼
・今後の抱負
・退職後の連絡先
・皆様の今後の活躍を祈る、といった内容

タイトルは、多くのメールの中で埋もれて読み飛ばされないように、退職の挨拶であることがはっきりわかるものにします。「多くの人に送りたいが、一斉送信は失礼にならないだろうか」と考える人もいるかもしれませんが、決して失礼にはあたりません。

しかし、送り先がわからないようメールの宛先は自分をToにし、送信先はBCCで送るようにしましょう。

メールを送信するのは、業務に差し障りがない時間。お昼時あたりが望ましいです。

メールの文例や雛形は、インターネットでも多く公開されていますので、参考にしてみてもいいでしょう。

直接想いを伝える定年退職のスピーチについて

定年退職する当日や送別会などで、スピーチの場を用意されることもあるのではないでしょうか。退職日が近づくにつれ、「どんなことを話せばいいのかわからない」と落ち着かない人もいることでしょう。

人前で話すことが苦手な人にとっては頭が痛いかもしれませんが、事前にしっかりと話す内容などを考えておけば、当日は余裕をもって挨拶することができます。

スピーチの内容

スピーチの構成は次のようなものが代表的です。
・感謝の気持ちを伝える
・これまでの思い出
・今後の抱負など
・結びの挨拶

感謝の気持ちを伝えるときは、「これまで●年間お世話になりました」と、具体的な勤務年数を加えます。送別会などで挨拶する場合は、その会を開いてもらったお礼も述べましょう。思い出話は必ずしも必要ではありませんが、入れることで自分らしいスピーチになります。

また、退職というとどうしても寂しくしんみりしたイメージがあります。湿っぽくならず、明るく前向きにまとめるため、今後の抱負もしっかりと盛り込みます。こうすることで、会社に残る側も安心して送り出すことができます。

スピーチは、送り出してくれる人たちに敬意を表すために、正しい言葉遣いで行ないましょう。内輪だけに通じる話をしたり、同じような思い出話を延々と話し続けるのは、スピーチを聞く側にいい印象を与えません。

緊張してしまう方も多いスピーチですが、できれば本番前に何度か練習しておくと安心です。構成だけを頭に入れておいても、ぶっつけ本番だと雰囲気にのまれ、慌ててしどろもどろになることも。最後の大仕事は、ゆとりを持って臨みたいものですね。

これまでの感謝の気持ちを伝えられる大切なチャンス

退職日近くになると、やるべきことが山積みで、ついついスピーチの練習は後回しになってしまうことが多いもの。

しかし、交流のあった方々へ最後によい印象を残したい。そうした気持があるのでならば、トイレやお風呂に入っているときにでも練習をしておくのもよいかもしれません。

メールや手紙も誤字・脱字がないよう、細心の注意を払って書き上げたいものです。

「立つ鳥跡を濁さず」といった気持ちを忘れずに、最後の仕事をやり遂げましょう。

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