職務経歴書は手書きとパソコン、どちらが正解?【2019年最新版】
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2019年6月26日
久しぶりの就職活動。本腰を入れるつもりが、職務経歴書を書く段になったら途端に手が止まってしまった!! これって手書きでいいの? それとも今の時代はパソコンが当たり前? わからないことだらけの職務経歴書の書き方&ルール、すべて教えます!
職務経歴書と履歴書の違い
職務経歴書とは?
職務経歴書とは、転職活動などを行う際、求職者が企業に提出する「応募書類」の一つ。これまで携わってきた仕事の内容や築いてきたキャリア、身につけたスキル・経験などを記した書類です。
正社員採用においては多くの企業で必須提出書類とされていますが、パート・アルバイトの場合は必ずしも提出を求められるものではありません。
履歴書との違いは?
応募書類の中で、必須の書類は履歴書です。これは雇用する際に企業で作成が義務付けられている「労働者名簿」を作成するために用いられることが多いためです。
では、履歴書と職務経歴書はどんな違いがあるのでしょうか。
【形式の違い】
履歴書はフォーマットが決まっており、多くの場合、市販の履歴書に必要事項を書き込んで提出します。今や、100均でも履歴書が売っている時代。正社員募集はもちろん、派遣やパートなどの仕事を探したときでも、多くの方が履歴書を複数回書いた経験があることと思います。
対して、職務経歴書はフォーマットが決まっていません。求職者が自分で「何をどのような形式で書くか」を考え、用紙にまとめていきます。
【把握するポイントの違い】
履歴書には、学歴・職歴や免許・資格、志望動機や自己PR、趣味・特技など、多くの記入欄があります。このことからもわかるように、企業が履歴書から把握するのは、求職者の基本的な情報や、職歴も含めた人となりです。
職務経歴書は、「履歴書に書かれた職歴をさらに詳しく記述したもの」と捉えることができます。企業は職務経歴書から求職者のスキルや経験を把握し、「この求職者のスキルを当社で活かしてもらえるか否か」を判断するわけです。
職務経歴書は手書きがベスト? それともパソコンで作成すべき?
手書きとパソコン、どちらでもOK
では、職務経歴書は手書きとパソコン、どちらで作成すれば良いのでしょうか?
パソコンが普及していなかった時代は手書きが一般的でしたが、今はパソコンを所有している人が多く、職務経歴書もパソコンで作成する傾向が高まっています。
だからといって、「どんな場合でもパソコンが正解」とは限りません。職務経歴書は決められたフォーマットがないため、応募先の企業が形式や用紙などを指定していないのであれば、正解は「どちらでもOK」です。
どちらかを選ぶのであれば、パソコンがオススメ
自宅にパソコンがない方の場合、職務経歴書のためにパソコンを購入するのは大変ですよね。でも、もしもパソコンを持っているのであれば、断然パソコンがオススメです。なぜなら、手書きにはないメリットがたくさんあるからです。
手書きのメリット・デメリット
手書きで職務経歴書を作成する最大のメリットは、本人の人柄や仕事への思いを「手書きの文字」に込められること。「心を込めて書いてくれたんだな」と、採用担当者が良い印象を抱いてくれる可能性があります。
しかしながら、手書きの場合は時間がかかり過ぎます。さらに、わずか一文字書き損じただけでも、一から書き直さなければならないため、効率面において圧倒的に不利なのです。
このほか、「レイアウトを整えるのが難しい」「悪筆の場合、文字が読みづらい」など、デメリットは多くあります。
パソコンで作成するメリット・デメリット
パソコンで作成する一番のメリットは、効率的であること。手書きのように書き損じることもありませんし、誤字や脱字を見つけたらすぐに直すことができます。
Wordなどで作成すればレイアウトをキレイに整えるのも簡単にできます。データを保存しておき、過去に作成した職務経歴書をベースにして、新たに応募する企業向けに作り直すこともできます。
ただし、パソコンで作成する場合、職務経歴書を通じて「パソコンスキル」の有無を判断されてしまう可能性もあります。たとえば、フォントがあまりにも小さく詰め込みすぎていたり、用字用語が統一されていなかったり、わかりづらいレイアウトだったり――。
このような職務経歴書だと、「パソコンスキルがない」と判断される可能性が高いばかりか、「採用担当者への配慮が足りない」と捉えられてしまうことも有りえます。
職務経歴書のフォーマット
A4用紙1~3枚が一般的
職務経歴書に決められたフォーマットはありませんが、A4サイズの用紙1~3枚程度にまとめるのが一般的です。サイトによっては2枚以内などと記載されているケースもありますが、長い経験を積んできたミドルシニア世代の場合は書くことが多いため、2枚以上になることがほとんどです。
職務経歴書に書く内容
「職務要約」や「職務経歴」「活かせる知識やスキル・経験」「資格・免許」「志望動機」「自己PR」「退職理由・転職理由」などを記します。職務経歴書は書類選考に用いられるものなので、「採用担当者の視点」で職務経歴書をまとめることが大切です。
編年体式とキャリア式
書き方の決まりがないため、どのような順番や形式で書いても自由です。一般的には「編年体式」や「キャリア式」で書くことが多く、転職サイトなどでフォーマットやサンプルをダウンロードすることができます。
項目別! 職務経歴書の書き方
次に、職務経歴書に書く内容を、項目別にご紹介します。特に重要なのは「職務要約」と「職務経歴」。その他の項目については、履歴書と重複するようであれば割愛しても問題ありません。
職務要約
初めて社会に出た時から現在に至るまで、どのような仕事に就き、どのような経験を重ねてきたのか。皆さんがこれまで築いてきた職歴を3~4行程度に簡潔に記します。
職務経歴書の冒頭に書くことが多く、採用担当者はこの項目に書かれている内容を読んで、応募者の経歴を大まかに把握します。「当社が求める人材に近い」と興味を抱いてもらえそうな情報を強調したり、多く配置するなどの工夫をしてみましょう。
職務経歴
略歴ではなく、「いつ、どの会社に在籍し、どの部門で何をしたか」を詳細にまとめ、異動や昇給・昇格なども書き添えましょう。また、携わった仕事内容だけでなく、その仕事によって打ち出した実績・成果、評価などもまとめて、「どのような能力を持っているか」をアピールしましょう。
なお、実績をまとめる際には、「年間売上金額●●万円、●●年度社内MVP受賞」など、数字を用いて具体的な例を書くと印象に残りやすいです。
キャリアの長いミドルシニア世代の場合、すべてを書くと膨大な情報量になってしまうため、アピールしたいキャリアに絞って書くことをオススメします。
活かせる知識・スキル
これまでの経験で身につけた知識・スキルの中で、特に応募先の企業で活かすことができるものをアピールします。
具体的なエピソードも盛り込みながら、「どのような場面で、どのように発揮できる力なのか」を採用担当者がイメージできるような内容を目指しましょう。
業務に関する専門知識やスキルも、単に羅列するのではなく、応募先の企業で発揮できるものに絞ってまとめるようにしましょう。なお、ビジネスマナーやビジネススキルも、活かせる知識・スキルとしてアピールすることができます。
資格・免許
「活かせる知識・スキル」と同様に、応募先の企業で発揮できるものや募集職種に関連したものに絞って書きます。たとえば、外資系の企業や海外取引の多い企業であれば、TOEICのスコアや語学系の資格取得歴を記載しましょう。
取得した資格がこれまでの業務にどう役立っているかを、書き添えるのも良いでしょう。資格取得に向けて勉強中の場合も、その旨を記しましょう。
省略せずに正式名称で記載し、取得した年月日も西暦・和暦のいずれかで統一しましょう。最後に、履歴書の資格欄と内容に相違がないかチェックも大切です
自己PR
これまでの項目と同様に、応募する企業で求められる能力や活かせるスキルに関連した内容に絞ることが大切です。
PRしたいことが複数ある人は、それぞれ見出しを付けて、1つのPRポイントにつき200~250字程度にまとめましょう。
志望動機
単に応募先企業への思いをまとめるのではなく、採用担当者に「なぜ当社へ応募したのか」の必然性が伝わるよう意識しましょう。
仕事に対して、どのような意識を抱き、どのような目標を持っているのか。応募先企業に就職することで、その目標がどう叶うのか。そして、応募先企業に対して、どのような貢献ができるのか。200~300字程度に簡潔にまとめましょう。
退職理由・転職理由
不満や不平などネガティブな情報は書かずに、前向きな内容でまとめることが大切です。「仕事に対してこのような希望をもっているが、現在の会社では実現が難しかったから」といった書き方にすると、志望動機と関連付けることもでき、良い印象を与えられます。
職務経歴書の書き方については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。編年体式など、一般的なフォーマットのサンプル(見本)もダウンロードできるので、是非ご活用下さい。
まとめ:じっくりと自分と向き合って、強みや目標を浮き彫りにしよう
職務経歴書は書き込む項目が多く、まとめるだけでも多くの時間を要します。職務経歴書を書くのに何日もかかってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、過去の職歴を振り返ることで、仕事の強みが浮き彫りになったり、改めて「仕事で叶えたいこと」が見えてくるなど、良い面もたくさんあります。じっくり自分自身と向き合うことが、良い職務経歴書を書くための一番のポイントなのかもしれません。
最後に、「自宅にパソコンがないから、手書きで職務経歴書を書きたい」という方も、効率化を検討してみてください。振り返りや下書きに時間をかけることで、効率化を図ることができます。また、清書した職務経歴書のコピーを取っておくと、別の企業に応募する際に役立ちますよ。