今さら聞けない!老年人口指数って何?

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ニュースなどで高齢社会などを扱う際に見かける「老年人口指数」。ミドルシニア世代にとって気になる言葉の一つですよね。でも、正しい意味を知っている人は案外と少ないのでは? そこで今回は老年人口指数を解説。指数を割り出して、各国の人口構造を分析してみましょう!

老年人口指数とは?

老年人口指数とは?

老年人口指数とは、人口構造のうち、年齢の構造を指し示す指標の一つです。年齢構造は以下のように定義づけられています。

年少人口:15歳未満
生産年齢人口:15~64歳
老年人口:65歳以上

「老年人口指数」は、15~64歳の「生産年齢人口」に対して、65歳以上の「老年人口」がどれくらいの割合なのかを数値化したもので、高齢化を示す指標としてよく用いられます。

老年人口指数=老年人口÷生産年齢人口×100

これにより、老年人口指数が年々上がっている国は、「高齢化が進んでいる」と分析することができます。

しかし老年人口が年々増加していても、必ずしも老年人口指数が上がるわけではありません。生産年齢人口との比較となるため、生産年齢が老年人口を上回る勢いで増加していたら、老年人口指数の値は低くなります。

日本の老年人口指数の推移

「日本は少子高齢化が進んでいる」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。日本の老年人口指数の推移から、日本の高齢化について考えてみましょう。


ここ6年間で生産年齢人口が減り続け、逆に老年人口が増えていることがわかります。結果、老年人口指数は6.9ポイント上昇しています。

次に、老年人口指数の推移を長期で比較してみましょう。

戦後間もない1950年の老年人口指数は8.3%。その後もしばらく一桁台が続きます。日本の高度経済成長期を支えていた生産年齢人口がどれだけ多かったかが、この数値からわかりますね。

そして、年少人口と生産年齢人口は緩やかに減少したため、1995年から老年人口指数が高まり、以降は加速度的に上昇を続けています

これらの数字を見て、「高齢化がニュースで騒がれるのもわかる」とうなずいた人も多いのではないでしょうか。

世界の老年人口指数の動向

さらに、世界の老年人口指数についても見ていきましょう。

他の先進国と比較しても、日本がずば抜けて高いことがわかります。なお、インドやインドネシアなどの現在では老年人口指数が一桁台の国においても、2100年にはインドで48.6%、インドネシアで37.2%と、老年人口指数が高まることが予測されています。

そのため、高齢化に適応した社会を作ることは、世界的な課題となっているのです。

人口動態を把握するための様々な指標

老年化指数とは?

高齢化を推し量るもう一つの指標に、「老年化指数」があります。老年人口指数とどう違うのでしょうか。

老年人口指数が、15~64歳の「生産年齢人口」に対する割合を算出しているのに対して、老年化指数は、15歳未満の「年少人口」に対する割合を算出します。

老年化指数=老年人口÷年少人口×100

15歳未満の人口比較することで、高齢化の度合いをより敏感に示すことができると言われています。

日本は少子高齢化が進んでいますから、老齢化指数も加速的に上昇を続けています。1950年の老齢化指数は13.9ポイント、2015年は210.6ポイントという結果が出ています。

年少人口指数とは?

年少人口指数とは、15~64歳の生産年齢人口に対する15歳未満の年少人口の割合を算出したものです。

老年化指数=(年少人口÷生産年齢人口)×100

15歳未満の年少人口は、主に保護者に扶養される人たちです。この数値が高まれば生産年齢人口の扶養負担が高まることを意味しますが、数年後に次なる働き手の世代としての活躍が期待できるため、この数値が高い国は成長への期待が高い、とされています。

この数値が高い国としては、アフリカ地域の国が多く挙げられます。

従属人口指数とは?

様々な場面でよく使われるのがこの「従属人口指数」です。

従属人口指数=(年少人口+老年人口)÷生産年齢人口×100

この指数は「現役世代何人で、働き手ではない世代を支えているか」を把握するのに役立ちます。

従属人口指数が増加すれば、現役世代一人あたりの負担が重くなる。そうして、経済成長に対してマイナスの効果を与えると言われています。

これからの人生を考える良いキッカケに

人口や年齢構造の推移は、同じ日本でも住んでいる地域によって異なります。皆さんがお住まいの市町村の人口推移を調べて、老年人口指数や老齢化指数を計算・分析してみると、興味深い結果が出るかもしれません。

前述の通り、現時点では老年人口指数の低い新興国などでも、今後は数値が大幅に上昇していくことが推測されています。つまり、高齢化は日本だけではなく、世界的に進行している社会課題なのです。

しかしながら、65歳を超えても現役で働き続ける人が増えているのが現代の流れです。この流れがさらに進めば、年齢構造の定義が変わったり、老年人口指数が高くても経済成長する国、または自治体などが生まれてくるかもしれません。

高齢化は避けられない問題ですが、だからこそ、私達一人ひとりが今後の人生について考えることが大切です。これから先、どんな働き方がしたいのか、どんな人と一緒に、どんな生活を送っていきたいのか。今一度、問いかけてみてはいかがでしょうか。

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