年収の壁が撤廃されたらどうする?主婦への調査結果や収入を増やすコツ
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- 公開日:2024年8月20日
パート・アルバイトで働いている人の多くは、103万円や130万円などの年収の壁を意識しているでしょう。今回は年収の壁を意識して働いている人の割合や、年収の壁がなくなった後の就労意識に関する調査結果をご紹介します。併せて年収の壁撤廃に関する内容や、主婦が効率よく収入を調整する方法、月数万円の収入を増やす方法も解説します。
年収の壁は撤廃される?
年収の壁は将来的に撤廃される可能性があり、今後の動きが気になっている人は多くいるでしょう。以下では、年収の壁の概要や撤廃に関するニュースの内容について解説します。
年収の壁の概要
年収の壁は、税金や社会保険料の負担によって、手取り額が減少する可能性がある年収のボーダーラインを指します。年収の壁には税制上の壁と、社会保険上の壁の2種類があります。
税制上の年収の壁は100万円・103万円・150万円・201万円の4種類。社会保険上の年収の壁は106万円と、130万円の2種類です。それぞれ月収のラインや、所得控除の内容が異なります。
103万円の壁
パートやアルバイトで働いている人が、年収103万円を超えると所得税の課税対象となります。例えば、年収が110万円となった場合は、所得税は以下のようになります。
年収110万円-給与所得控除55万円-基礎控除48万円=課税所得12万円
課税所得12万円×所得税率5%=所得税額6,000円
106万円の壁
106万円は社会保険上の壁の1つで、2022年10月に適用された条件です。以下の条件を満たした場合は、社会保険への加入義務が発生します。
• 勤務先の従業員数が101人以上(2024年10月以降は51人以上)
• 週20時間以上の勤務
• 月額8.8万円以上の賃金
• 雇用期間が2ヶ月以上の見込み
• 学生ではない
130万円の壁
130万円の年収を超えた場合は、扶養から外れて健康保険料と厚生年金保険料を支払う必要があります。年収130万円を超えるラインは、月収10万8,333円がひとつの目安です。目安を超えてもすぐに扶養を外れることはありませんが、勤務先によって基準が異なります。扶養を外れそうになる前に確認しましょう。
150万円の壁
年収が150万円を超えると、配偶者特別控除の額が徐々に減少します。そのため、所得税や住民税の負担が増加します。また、家族の年収が900万円を超えている場合も、配偶者特別控除の減少の対象です。
201万円の壁
年収が201万円を超えると、満額で38万円ある配偶者特別控除額が0円となります。また、家族の年収が1,000万円を超えている場合も、配偶者特別控除や配偶者控除は受けられません。配偶者特別控除を受けられるボーダーラインが201万円のため、201万円の壁と呼ばれています。
年収の壁の変化について
年収の壁は近年変化しており、年収106万円の壁の対策が用意されています。106万円以上となると厚生年金や健康保険の加入が必要となり、手取り収入額が減ってしまいます。
そこで、手取りを減らさないような取り組みを行っている企業に対して、支援金を支払うという内容です。企業側が負担をすることで、パートやアルバイトの就業調整を減らすことを目的としています。
また、2023年10月からは130万円の壁が緩和されました。扶養に入って働いている人の場合、手取り額の収入が減少しないようにと、労働時間を制限していることが多くあります。しかし、就業調整が発生した結果、企業側が人手不足となる現象が発生しています。
人手不足の問題を解消するために、政府は一時的な収入の変動であると認められれば、年収が130万円を超えてもただちに扶養から外れる必要がないという対応を行っています。しかし、一時的な収入の変化に対する対応は2年間のみと決まっており、2025年にはさらなる変更が考えられるでしょう。
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年収の壁を意識している主婦はどのくらい?
実際、年収の壁を意識して働いている主婦はどのくらいいるのでしょうか?
マイナビが2023年に実施した「主婦のアルバイト調査(2023年)」によると、就業調整を行っていない人は全体の44.9%。約4割が調整をせずに働いています。
次いで、130万円の壁に収まるように働く人が23.0%、103万円の壁に収まるように働く人が18.8%となりました。全体の半数以上の人が、何らかの年収の壁を意識した働き方をしているとわかります。
年収の壁が撤廃された後の就労意欲について
今後、年収の壁が撤廃された場合の就労意欲については、現在の雇用形態でもっと働きたいと回答している人が43.8%と最多です。現状維持が34.5%、雇用形態を転換させてもっと働きたい人が14.6%となっています。年収の壁を気にしないのであれば、現状よりももっと働きたい人が半分以上となっています。
また、もっと働きたい理由は「将来のための貯金や世帯収入を増やすため」、「自分で好きに使えるお金を増やしたい」といった理由が多くありました。年収の壁が撤廃されたあとは、多くの人が現状よりも貯金などのためにお金を稼ぎたい、もしくは現状と同じように働きたいと考えているとわかります。
参照元:マイナビニュース
主婦が収入を効率的に調整する方法
希望の年収の仕事へ転職する
現在よりも少しでも高い年収を希望している場合は、転職や雇用形態の変更を検討しましょう。近年、転職市場は活性化しており、フレックス制度や時短勤務などの働き方に対応した企業も多くあります。また、現在働いている職場で、そのままキャリアアップや年収額の増加を希望する際は、雇用形態の変更ができるか確認してみると良いでしょう。
在宅で仕事をする
最近では、在宅で仕事ができるリモートワークが一般的になってきました。在宅でできる仕事は増えており、通勤時間を気にせずに効率的に働けます。リモートワークでも雇用形態はさまざまなため、パートやアルバイトと同様の時間で効率的な働き方も可能です。人間関係の悩みを増やしたくない、通勤時間を減らしたい、ストレスなく自宅で働きたい人には在宅での仕事が向いています。
単発バイトや副業を始める
単発バイトや副業であれば、時間や収入の調整がしやすくなります。パソコンによるデータ入力の仕事のほか、簡単な梱包作業やイベントスタッフなど、仕事の幅はさまざまです。すぐに収入を得られるほか、自身の都合に合わせた働き方ができるため、希望の勤務時間や収入に対して柔軟に対応できます。
資格やスキルを持っている場合は、より単価の高い仕事を得られる可能性もあります。まずはちょっとずつ仕事を始めてみたいという方は、単発バイトや副業案件から始めてみましょう。
月数万円の収入を増やしたい方におすすめ!在宅の仕事5選
まずは自宅で少額を稼ぎたいと考えている方におすすめの仕事をご紹介します。
データ入力
パソコンを持っている人は、企業から依頼されたデータをWordやExcelに入力する仕事があります。入力するデータは領収書やセミナーの音声など、さまざまです。報酬の相場は文字単価で1文字0.1〜1円、文字起こしの場合は1時間1〜2万円ほどとなります。
正確で速いタイピングができる人は、より時給単価を上げられるでしょう。特別なスキルがなくても始められるため、パソコンのタイピングに自信がある人や操作に慣れたい人におすすめです。
ライター
ライティングする記事のジャンルはさまざまで、専門的な知識が必要なものもあれば、未経験で書ける内容もあります。初心者でもパソコンがあれば仕事ができるため、始めるハードルが低い点も魅力的です。自宅で働けるのはもちろん、自分が興味のあるジャンルで活動できるため、活躍できる場所が広くあります。
報酬は文字単価制が多く、1文字0.1〜3円などで設定されています。より専門的な内容を書ける場合は、1文字5円といった高単価案件を獲得できるでしょう。コツコツと調べ物をしたり、文章を書いたりが苦痛にならない人はライターの仕事をご検討ください。
写真撮影
写真撮影も、月数万円の収入を得られる可能性がある仕事です。特別なカメラなどは必要なく、スマホで撮影した写真を販売できます。販売方法は簡単で、撮影した写真を登録している写真販売サイトに投稿するのみです。その後、写真を買いたいと思った人がダウンロードや購入すると、売り上げの一部が収入として入ってきます。
写真販売サイトによって販売価格や報酬に関する制度が異なるため、事前に比較をしてから登録しましょう。写真撮影は気軽にできるため、スキマ時間でもできます。よく写真を撮るという人は、ぜひ写真販売をご検討ください。
在宅秘書
営業事務や秘書として働いていた経験がある人は、在宅秘書で活躍できる可能性があります。在宅秘書は、自宅から企業経営者や営業担当者のサポート業務を行う仕事です。メールや電話対応などがメインの仕事となっており、必要に応じてスケジュール管理やSNS運用などを行う場合もあります。
働く日時を制約される場合がありますが、自宅で今までの経験を活かしながら働けるのは魅力的です。仕事をする際はパソコン操作やソフトを問題なく使えることや、Webミーティングツールを使用できるといったスキルが求められます。また、ビジネスマナーが備わっており、上司やチームの人、顧客とより良い関係を構築できる人が評価されます。
アフィリエイト
アフィリエイトはブログやSNSなどを活用して、紹介した商品やサービスを読者に紹介し、購入された際の報酬の一部を受け取れる仕組みです。商品やサービスが売れるようにするには、SEO対策や競合の分析などが必要となっており、すぐに収入を得るのは難しいです。
しかし、一度収入を得られる仕組みが出来上がると、自身が働いていない時間でも収入を得られるようになります。ブログやSNS作成はパソコンやスマホがあればできるため、初期費用なども必要なく、手軽に始められるのは魅力的です。
発信する内容は自身で決められるため、家事や育児に関する内容はもちろん、経験がある仕事についてなどを収入に変えられます。更新のペースも自分で決められるため、スキマ時間にコツコツと続けられるのも嬉しい点です。
まとめ
年収の壁と年収の壁が撤廃された際の、主婦の意見や希望をご紹介しました。現在、年収の壁を意識して働いている人、所得税の課税対象にならないように働く人や扶養から外れないように調整している人が多くいます。政府は少しでも労働力確保のために年収の壁の制限を緩和しており、2025年にはさらなる緩和や年収の壁の撤廃など、新たな動きがあると考えられています。
年収の壁が撤廃された後に現状よりも収入を得たい人は、転職や雇用形態の転換を検討してみましょう。柔軟な働き方を選択すると、自身のスキルや経験を活かして希望の年収を得られるようになるかもしれません。