配送ドライバーの仕事内容とは?求められるスキルも紹介
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- 公開日:2022年12月12日
コロナ禍においても業績が好調な運送業界の配送ドライバーは、経験や年齢に関係なく挑戦できる仕事です。今回は、そんな配送ドライバーの仕事内容や給料、求められることなどについて詳しく解説していきます。ぜひ、転職の参考にしてみてください。
配送ドライバーの仕事内容とは?
配送ドライバーは、小型や中型、大型トラックを運転して、目的地に荷物を届けるのが仕事です。それでは、配送ドライバーの仕事内容や1日の業務の流れなどについて詳しく解説していきます。
さまざまな場所へ荷物を届ける仕事
配送ドライバーの仕事は、さまざまな場所へ荷物を届けることです。個人宅や企業、店舗へ荷物を安全に届けることが1番の仕事です。届ける荷物は日用品や食品、資材など会社によって異なります。たとえば、食品の場合は常温で配送するものもあれば、冷蔵や冷凍で配送するものもあり、その際には専用の冷蔵・冷凍車で配送します。
また、荷物を届けるという意味では、引っ越しも配送ドライバーの仕事に含まれます。特に、引っ越しシーズンである3月、4月は繁忙期となります。
勤務時間や配送エリアはいろいろ
配送ドライバーの勤務時間は、会社の事業内容や取り扱う荷物によってさまざまです。日勤のみの場合もあれば、夜勤中心の場合もあります。この勤務時間は、配送エリアやルートによって大きく変わります。決められた近場のエリアを担当することもあれば、日帰りが難しい長距離の配送を担当することも。
このように、配送ドライバーの仕事の勤務時間や配送エリアやルートは会社によって異なるため、求人でしっかり確認してください。
1日の業務の流れ
ここでは、一般的な配送ドライバーの1日の流れについて見ていきます。
1.出社・アルコールチェック
出社後してまずは、必ずアルコールチェック(アルコール検知)をおこないます。アルコールチェックは平成23年に義務化され、配送ドライバーだけでなくタクシーやバスの運転手に対しても義務が課せられるようになりました。その目的はいうまでもなく、飲酒運転による事故防止のためです。
飲酒運転は事故のリスクが高まるだけでなく、免許の取り消しや3年以下の懲役、または50万円以下の罰金など、人生そのものを狂わせるようなことにもつながるのです。
2.車両の点検
次に車両の点検をおこないます。こちらも荷物を安全に運ぶために重要な業務です。ブレーキやバッテリー、タイヤなど、さまざまなところを見ていきます。1つでも車両に不備があっては大きな事故にもつながるので、しっかりと点検をおこないます。
3.荷物の積み込み作業
続いては、荷物の積み込み作業に入ります。どんな荷物でも慎重に積み込むのが基本ですが、特に割れ物には細心の注意を払います。積み込み漏れがないよう、すべての荷物が揃っているかの確認も忘れずにおこないます。
4.配送
アルコールチェックと車両の点検、荷物の積み込みが終わったら、メインの配送業務のスタートです。交通安全と時間を守りながら、目的地に荷物を配送していきます。トラックを長時間運転するだけでも疲労はたまっていくので、適度に休憩を挟みます。特に、日帰りできない長距離を運転する場合、休憩は非常に重要です。
5.帰社・アルコールチェック
無事に配送が終わったら帰社し、再度アルコールチェックをおこないます。業務中の飲酒を防ぐため始業時と終業時の2回に渡りおこう必要があります。
6.業務報告をして終了
アルコールチェックが済んだら、業務報告をして終了となります。加えて、翌日の準備などもおこなうこともあります。
配送ドライバーは普通免許でもできる?
結論からいうと、普通免許でも配送ドライバーの仕事ができ、「普通免許OK」の求人は多くあります。加えて、経験の有無を問わない企業も多いので、運転することに抵抗がなければ、未経験やシニアでも挑戦しやすい仕事といえます。
とはいうものの、専用の免許がなければできない仕事もあります。配送ドライバーとしてキャリアアップしていきたいのならば、中型や大型免許の取得を目指すのも一つの手段です。企業によっては、資格取得のための資金を負担してくれるところもあるため、仕事の幅を広げるためにも、ぜひ活用しましょう。
配送ドライバーの免許の種類
配送ドライバーに必要な免許には、以下の5種類があります。それぞれ、見ていきましょう。
【普通免許(普通自動車第一種免許)】
最も一般的な免許で、普通自動車を運転することができます。また、免許を取得した時期によって、運転できるトラックが異なります。
◆2007年6月1日以前に取得した場合
・車両総重量8t未満
・最大積載量5t未満
・乗車定員10人以下
※運転できる車両:中型トラック ・車両重量5t未満
◆2007年6月2日~2017年3月11日までに取得した場合
・最大積載量3t未満
・乗車定員10人以下
※運転できる車両:中型トラック ・車両総重量3.5t未満
◆2017年3月12日以降に取得した場合(現行)
・最大積載量2t未満
・乗車定員10人以下
※運転できる車両:小型トラック
免許を取得した時期が昔であるほど運転できる車両の幅が広がり、最近であるほど限られてきます。すでに普通免許を取得している方は、上記の表を参考にしてご自身がどのタイミングで取得したのかを確認してみてください。
【準中型免許(準中型自動車免許)】
準中型免許では「最大積載量4.5t未満/車両総重量7.5t未満/乗車定員10人」までの車両を運転することができます。
【中型免許(中型自動車運転免許)】
中型免許では「最大積載量6.5t未満/車両総重量11t未満の中型トラック/乗車定員29人以下」の車両を運転することができます。多くの企業において、中型トラックは主力となる車両です。そのため、中型トラックを運転できる中型免許を取得することで、仕事の幅が一気に広がります。
【大型免許(大型自動車運転免許)】
大型免許では「最大積載量6.5t以上/車両総重量11t以上/乗車人数30人以上」の車両を運転することができます。大型免許で運転できるようになる大型トラックは、車体が大きいので他のトラックよりも運転技術を必要とします。配送も長距離が多くなるため、仕事の幅が広がるだけでなく、給料アップも期待できます。
【大型特殊免許(大型特殊自動車運転免許)】
大型特殊免許には、最大積載量と車両総重量、乗車定員に定めはありません。そのため、さまざまな車両を運転することができます。トラック以外にも、ブルドーザーや大型フォークリフト、移動式のクレーン車なども運転することができるようになります。
配送ドライバーのお給料はどのくらい?
配送ドライバーの年収は、全国平均で380万円。就業地域や、運転する距離によって幅がありますが月収にすると約32万円です(※1)。運転する距離が長くなるほど給料が上がる傾向にあるものの、長距離は日帰りできない距離を昼夜問わず運転するため、疲労も増えて大変な仕事といえます。
中には「大きく稼ぎたいから、長距離配送ドライバーを目指そう」と考える方もいるでしょう。しかし、先にもお伝えしたように長距離の運転は体力を使うだけでなく、集中力も必要になります。無理をして身体を壊してしまっては、働けなくなってしまいます。そのため、ご自身の身体と相談してから決めるようにしてください。
配送ドライバーに求められることとは?
ここからは、配送ドライバーに求められることについて解説していきます。どのような知識やスキルが求められるのか、一つひとつ見ていきましょう。
運転スキル
配送ドライバーの仕事は、荷物を目的地まで運ぶこと。ということは、必然的に運転している時間が最も長くなります。また、安全かつ決められた日時通りに荷物を届けるためにも、一定の運転スキルが求められます。
配送先までのルートによっては、狭い道や曲がりくねった道などもあるので、運転スキルが高いほど有利になります。大型トラックの場合は大きな車体でさまざまなルートを運転する必要があるため、運転スキルが特に重要です。
コミュニケーションスキル
先述したように配送ドライバーの仕事は、運転している時間が1番長いです。それは、1人でいる時間が長いということにもなります。加えて、昨今はお届け先からサインをもらわず、玄関などに配達する「置き配」も主流になってきました。
そのため、「気楽に仕事ができる」こんなイメージを持たれている方もいるでしょう。確かにそうではありますが、まったくコミュニケーションを取らないというわけではないのです。荷物によっては、対面で渡してサインを受け取る場面も多くありますし、引っ越しのときなどもお客様とのコミュニケーションが発生します。
このように、お客様と接する機会がある以上は、コミュニケーションスキルも必要になるのです。積極的に話す必要はありませんが、相手を不快にさせない対応を心がけましょう。
責任感
配送ドライバーは「ただ荷物を目的地まで届ければいい」というわけではありません。「お客様の大切な荷物をお預かりして、安全に目的地まで届ける」という責任があるのです。このようなことから、配送ドライバーには責任感も求められます。
調整力
配送ドライバーは決められた日や時間内に荷物を届けることが重要、ということはお伝えしてきた通りです。ただ、運送業は慢性的な人手不足に陥っていることや、コロナ禍で配達の需要が高まったことから、一人あたりに割り振られる荷物の数が多くなりがちです。
そんな中、効率良く荷物を配達したり、トラブルが発生しても慌てない調整力も求められます。「どのルートを行けば最も早いのか」「どこから行けば効率良く配達できるのか」などを考える必要があります。また、いつも使っている道が工事をしていたり、渋滞していたりした場合は、別のルートを選択できるように複数のルートを覚えておくことも大切です。
そのためには、配送するルートの土地勘が非常に重要となるので、事前にシミュレーションしておくと良いでしょう。また、事故を起こしてしまった場合や巻き込まれてしまった場合でも慌てず、すぐに会社に連絡することを忘れずに。
お客様によっては配送日時を指定するので、それに間に合うように配達しなければなりません。もし、決められた日時までに届けられなかった場合、クレームを受けることもあります。クレームは会社の信用にも影響するため、できる限り避けたいところです。どのような状況でも冷静に分析し、顧客や会社に連絡を取ったり、ルートを変更したりする臨機応変な調整力が重要です。
丁寧さ
配送ドライバーは、慎重に荷物を配達する丁寧さも求められます。配達する荷物が多く、時間との戦いになりがちな配送ドライバーですが、それでも荷物を丁寧に扱うことは忘れないようにしましょう。特に「割れ物注意」や「天地無用」などの注意書きが書かれたものは、より丁寧さを心がけましょう。
たとえ、梱包が頑丈に見えても雑に扱うのはNG。丁寧さが欠けていたことで荷物を雑に扱ってしまうと、クレームにつながる可能性もあります。お客様によっては、中身は無事でも段ボールが凹んでいただけでクレームを入れることも。クレームは自分だけではなく、会社の信用にもつながります。少しの心遣いで避けることができるトラブルもある、ということを覚えておいてください。
まとめ
配送ドライバーは、経験や年齢に関係なく誰でも挑戦しやすい仕事です。また、普通免許だけでも働けるだけでなく、企業によっては中型免許や大型免許の取得支援を実施しているところもあります。
ぜひ、この機会に配送ドライバーの求人を探してみてはいかがでしょうか。