8050(はちまるごうまる)問題とは?

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皆さんは8050問題をご存知でしょうか。8050とは、80代の親が経済的支援をしながら50代のひきこもりの子どもを抱える世帯を表す言葉です。本日は、誰にでも起こりうるこの問題に焦点を当てます。

ひきこもりは今や若者だけに限らなくなった⁉

"ひきこもり"は、誰もが聞いたことのある言葉でしょう。
厚生労働省では、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と定義しています。

平成30年度調査では、全国の満40歳から満64歳までの人口の1.45%に当たる約61万人がひきこもり状態にあると推定されています。そして、このひきこもりは何も若者だけに限らないものとなってきました。

この要因は、ひきこもりだった若者世代が中年に差しかかっていたり、リストラや対人関係で会社を辞めた中高年がそのままひきこもりになってしまったりするからです。

そんな中高年のひきこもりうち、およそ7割が男性。そして、世間体を気にして家族が周囲に隠しているひきこもりや、親の介護のためと言って同居しているパラサイトシングルも含めると、潜在的なひきこもりはもっと多いだろうと言われています。

この問題は決して他人事ではありません。8050問題が起きる背景にはさまざまな原因が潜んでおり、自分がひきこもりになることも、親になって自分の子どもがひきこもりになってしまうこともあり得ます。

年金に頼って生活している親が子どもの将来を案じて殺してしまったり、無理心中をしたりするなどの事件が実際に起きています。また、親の死体をそのまま放置してしまうケースや、親の年金や生活保護費を不正受給してしまう場合など、現在この問題は社会全体で考えなくてはいけないものなのです。

※データ元:「内閣府 特集2 長期化するひきこもりの実態」

なぜ、8050問題は起きてしまうのか?

8050問題は、ひきこもりの長期化によって起きているケースもありますが、これまでは普通に社会に出ていた人がいきなりひきこもりになってしまう場合もあるのだといいます。そこには、対人関係に悩んだり、過剰労働が原因で体を壊してしまったりと、人それぞれの理由があるのだとか。

また、スマホやパソコンがあれば他人とのコミュニケーションを図ることができるようになった社会では、バーチャル空間に依存してしまい、中毒のようにずっと部屋にこもってしまうことも、問題をより複雑化させている要因の一つです。

さらに、親の介護が引き金となってひきこもりになるケースもあります。「介護離職」をして、無事に親を看取ったにもかかわらず、仕事をしていなかったブランクのせいで就職先が決まらず、そのままひきこもりになってしまう場合もあるのだといいます。

8050問題を食い止めるには?

8050問題の解決が難しいと言われる理由の一つに、世間体もあるからと家族内で解決しようとしてしまうことがあります。
知り合いや友人に相談しづらい場合は、住んでいる市区町村の福祉課に相談してみると良いでしょう。ソーシャルワーカーが親身になって社会復帰へのアドバイスをくれるはずです。

また、ひきこもり問題を専門的に扱うNPO団体や組織に話を聞いてみても良いでしょう。親も子どもがひきこもりになってしまったからといって、すぐに仕事に就かせるのではなく、まずは焦らず話を聞いてやるなどの身近な人の寄り添いも必要になってきます。

現在、ひきこもり地域支援センターは全国に設置されています。各自治体やハローワークと連携しているため、中高年のひきこもりへの対応がスムーズですので、もしこの問題に直面してしまった場合、一度相談してみるのも解決の糸口になるかもしれません。

9060問題へと発展させないためにも...

8050問題のその先にあるのが『9060問題』です。
8050問題は経済的な負担や生活の困窮が大きな問題にされていましたが、9060問題では介護が必要な親への介護を高齢になった子どもたちがきちんとできていない状態が危険視されています。

適切な介護を行わず、ネグレクト状態になってしまい、親がそのまま衰弱死してしまったという事件も多々起きてしまっているのです。

まとめ

人生は予測がつきません。いつ何時、"まさか"が起きてしまうことも大いにあります。そんなときこそ、一人で悩まないことが解決の第一歩になります。

会社で働けなくなっても独立やフリーランスという選択肢も念頭に入れ、ひきこもりになる限界まで頑張らずに、自分がのびのび生きられる方法を探ってみても良いかもしれません。

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