40代男性の転職理由と業種・職種へのこだわり具合は?転職先の業種や職種に、企業規模から年収変化までをご紹介
- 自分の相場を知る
- 公開日:2020年5月14日
転職率は年々増加傾向にあると報道されていますが、中高年層が知りたいのは自身の年代・性別における転職者の傾向ではないでしょうか。マイナビが発表した転職動向調査より40代男性にフォーカスし、転職における活動傾向や、転職後の意識・環境の変化について解説いたします。
正社員転職率は増加傾向
すべての年代・性別において正社員への転職率は年々上昇していますが、特に2019年では伸び率が高まっています。
40代男性の転職率自体は全体よりも少ないものの、4年前の調査と比較するとほぼ2倍に増えていることから、年齢を問わずに転職という選択肢が一般的なものになっていることが見えてきます。
転職活動を始めた理由
転職活動を始めた理由についてです。転職者全体で見ると「仕事内容への不満」「給与が低さ」「職場の人間環境の悪さ」という理由が高い回答を集めています。
40代男性の特徴としては「職場の人間関係の悪さ」「会社の将来性への不安」「業績への評価」「企業理念とのミスマッチ」などが平均よりも高く回答されていること。
今後もこの環境で働き続けたいかを自問した結果、長く身を置く場所ではないと判断し、自分の価値を高め、スキルを活かし働ける環境を見つけるために転職活動を開始したという背景が見えてきます。
転職活動の進め方はどのような特徴がある?
利用しているサービス
すべての属性において最も認知されている転職関連サービスはやはり転職サイトですが、紙媒体、口コミサイト、SNSなども把握しており、情報接点は若年層と大きく変わらず、人材紹介会社の利用率も高い傾向です。
情報収集は転職サイトで行い、応募も転職サイトを利用しているユーザーが多いです。
閲覧数、応募数、面接数、内定数
転職者全体(35.6)よりも少ない平均32.2の求人を閲覧し、平均応募数は7と全体よりも少ない数値。面接に進む率は高く平均3.1回の面接を経て、平均1.6個の内定を獲得しています。
転職活動の期間
転職活動を開始してから転職先の会社に応募するまでかかった期間は2ヶ月未満と回答する率は約半数。多くの転職者がスムーズに転職先を決めています。しかし、11%が半年以上、8.1%が1年以上と回答していることから、条件へのこだわりが捨てられないなどが理由で転職活動が長期化する層も一定数存在しています。
転職活動前後における意識の変化
転職後の変化(ポジティブ要因)
最もポジティブな項目として「人間関係がよくなった」ことが上げられています。転職検討理由でも人間関係が多く回答されていたことから、40代男性にとって職場の人間関係は転職における強い要因であることが読み取れます。
他にも「仕事に取り組みやすくなった」「満足度が上がった」「自分にあった仕事ができる」「やりがいが感じられる」といった『仕事軸』の回答が多いこともこの年代の特徴です。年収が上がったということも大きなポジティブ要因です。
異業種、異職種への転換率
業種の変化について
「IT・通信・インターネット」「機械・電気・電子」業界は、流出が多いが受け入れも多い。このことは、エンジニア等スキルを持った職種での同業種内での転職が多いことが理由です。「医療・福祉・介護」業界においても、資格保有者などの同業種内転職が多い傾向があります。
「サービス」「運輸・交通・物流・倉庫」業界においても出入りが多いが、未経験受け入れも多い業界であることから、異業種間の転職も一定数含まれています。
40代男性の異業種への転職率は42.4%と、転職者全体(48.2%)に比べ低い傾向にあります。これは、これまで身につけたスキル・資格を活かし、優位なポジションを得ようとする傾向が強いことが要因です。
職種の変化について
異職種への転職率は転職者全体(38.0%)よりも低い35.7%ですが、全体的に幅広い職種への転職が行われており、職種にこだわるマインドセットを変えることができた転職者が一定数存在することが見て取れます。
最も転職元として多い「営業職」は、同職種での転職が多くなっています。また、「管理・事務職」は、営業職や企画・経営職からの受け皿となっていることが受け入れの多い要因です。
受け入れが最も多かったのは「技能工・設備・配送・農林水産」。中でも設備・配送は未経験採用が積極的であることから、異職種からの受け皿となっていることも想定されます。
企業規模や年収はどのように変化?
企業規模の変化
転職元として多かったのは、「11名~50名以下」「101名~300名以下」の企業に勤めていた人たち。転職先としても同規模の企業が多いですが、1000名以上の規模の企業へ転職した割合も2割近くいます。
企業規模がより多い企業へ転職した割合を見ると、全体が32.3%なのに対し39.0%と高い割合であることも特徴的です。
年収の変化
年収変化について見ていくと、年収帯は前職・現職ともに「300~349万」が最多。経年比較を見ると、2019年の転職者全体で年収が上がったのは33.7%、年収が下がったのは25.8%。
2016、2017年に比べると転職によって年収が上がった割合は低下傾向にあるのは、年収を上げることが目的の転職から、働き方を変えるための転職という観点が強くなってきていることが考えられるでしょう。
40代男性の年収変化を見ていくと、上がった割合が37.1%(全体では33.7%)、下がった割合が27.1%(全体では25.8%)であることから、転職で年収が上がった人の方が多いという結果になっています。
転職することを、40代男性はどのように捉えている?
最後に転職に関する考え方を見ていきましょう。
「転職は簡単にできる」という設問に対して、そう思うと答えた割合は32.4%、思わないと答えた割合は37.1%。転職は簡単なものではないという印象を持っている人が多いです。
しかし、「転職は前向きな行動である」「転職は必要である」という設問に対しては、多くの人がそう思うと答えている結果から、転職は大変なものではあるが自分の人生を自律的に気づいていくために必要なものであると捉えていることがわかります。
まとめ
転職をするかしないかは、結局のところ自分次第。自分の所属する環境がどう変化していくかを見定めたうえで、どんな人生を歩んでいきたいかのイメージを描くことが重要です。
コロナショックによりこれまで以上に何が起こるか見通せない時代となりましたが、転職を成功させる秘訣は、検討は慎重に。しかし、決断したら迅速に行動することです。常に前向きな気持ちを持ち続けていきましょう。
【調査概要】『マイナビ 転職動向調査2020年版』
調査期間:2020年2月21日(金)~2月25日(火)
調査方法:インターネット調査
調査対象:正社員として働いている20代~50代の男女のうち、2019年に転職した方
有効回答数:1,500名(男性20代277名、男性30代286名、男性40代210名、男性50代144名、女性20代239名、女性30代139名、女性40代126名、女性50代79名)
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