マンション管理人の求人のチェックポイント。勤務形態によって給料が変わる?
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- 公開日:2019年10月28日
シニア年代から人気の仕事の一つである「マンション管理人」。とはいえ、具体的にどのような業務を行うのか、どれくらいの給与水準など疑問も多いのではないでしょうか。マンション管理の専門家である小川正則氏に求人のチェックポイントを紹介してもらいました。
マンション管理人とは?
マンション管理人という仕事に対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
多くの場合、マンションの窓口(管理事務室)に座っている、建物周辺を掃除している、居住者と話している、などを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、一見、誰にでもできる簡単な仕事と思われがちですが、実際の仕事は多岐にわたり、具体的には以下の内容が上げられます。
「受付等の業務」(居住者・来訪者への応対)、
「点検業務」(外観目視による建物、諸設備の点検)、
「立会業務」(設備点検・災害・事故等の立ち会い)、
「報告連絡業務」(管理組合の文書の配付や掲示、フロント担当者・役員への報告)
その他にも、これらの管理員業務や管理組合の運営を補助する「管理補助業務」(防火管理業務の補助等)や、比較的小規模で清掃員が勤務していないマンションでは、「日常清掃」も管理人が担当をします。
なお、フロント担当者とはマンション管理会社の従業員で、総会・理事会に出席する等管理組合をサポートする担当者をいいます。
マンション管理人の勤務時間は?
マンションの管理方式(勤務形態)によって勤務時間は異なります。半日勤務などを除いて休憩時間は1時間程度、休日などは契約により決められます。
1. 通勤方式
管理人がマンションに通勤し、管理業務を実施する方式です。契約によって勤務日数や時間が定められます。
通勤方式のなかで多い勤務形態は、平日の朝から夕方までの週5回程度勤務するフル勤務や、週3回程度・午前中などに勤務する半日勤務があります。
2. 巡回方式
管理人は特定のマンションに通勤せず、複数のマンションを定期的に巡回し管理業務を実施する方式です。巡回回数、勤務時間等は契約によって定められます。
別名、巡回管理員ともいわれ、管理人のペースで巡回できることが多く勤務時間を気にせず働くことができます。
3. 住込方式
管理人が、マンションに住み込みながら管理業務を実施する方式です。本来、契約で定められている勤務時間以外は私的な時間ですが、緊急時については対応を求められることがあります。
この方式は、リゾートマンションなどを除いて近年、減少傾向にあります。
4. 常駐方式
夜間もシフト制による宿直で、24時間体制で管理業務等を提供する方式です。この方式は、タワーマンション、大規模団地等で多く採用されています。
勤務先は、集中管理を行う防災センターであることが多いです。
実際には、管理会社との雇用契約や管理組合のルールによって、勤務形態や業務内容が定められます。自分にあう勤務形態を見極めましょう。
管理人の勤務場所は?
主にマンション内の管理事務室(防災センター)となります。管理事務室には、電話・FAX等の通信機器、設備機器の警報盤、防犯カメラシステム、鍵保管箱などが設置されています。
管理事務室は、マンションと管理組合の情報が集積しており、マンション管理や管理員業務を効率的に行ううえで整理整頓が重要とされています。
マンション管理人はきつい?やりがいとは?
管理人の仕事は、「受付等の業務」「点検業務」「立会業務」「報告連絡業務」など多岐にわたります。
特に「受付等の業務」では、マンションの居住者(区分所有者)、賃借人、来訪者など様々な方の応対をすることになります。なかには苦情やクレームなど、きつい言い方をする方もいるでしょう。これがクレーム産業など、管理人がきつい職種といわれる由縁です。
しかし、管理人が全てを解決する必要はなく理事長等の役員、フロント担当者とともに解決を図ることができます。言い換えれば、業務も多岐に渡り、様々な職業、老若男女の方と接することができるので、仕事に変化があり飽きなく働ける仕事といえます。
また、管理人は管理会社の代表(従業員)として現地に配属され「管理会社の顔」といえます。さらに、来訪者などから見ると管理人の応対がマンションの印象を左右する「マンションの顔」という側面も持ち合わせています。
そのため、管理人の応対が信頼関係を左右する責任ある仕事です。管理組合と管理会社の接点として信頼関係ができるよう、また近隣などとの関係では良好な関係を築けるように職務を遂行する必要があります。
一般的に残業なく定時で退社でき、生活のリズムがつかみやすいので健康増進のために管理人になる方もいらっしゃいます。営業職のように営業ノルマがないのも魅力です。
マンション管理人の給与は?
管理人の給与は、勤務形態、勤務地、マンションの規模等によって異なり、管理会社との契約により定められます。近年では、最低賃金の上昇により管理人の給与も上昇傾向にあります。
たとえば、東京地域の通勤方式の場合、月収160,000円前後、パート勤務では時給1,100円前後。常駐方式であれば月収200,000円前後になります。
経験を重ねてベテラン管理人や大規模マンションで管理人を統括する責任者等になれば、当然給与はアップされます。
また、管理会社によっては、「マンション管理員検定」「管理業務主任者」「マンション管理士」などの資格手当が支給される管理会社もあります。
まとめ
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律(2001年施行)」が施行される前は、管理員業務は誰でもできる比較的簡単な仕事とされていました。
しかし、現代ではマンション管理人の仕事は専門職と位置づけられるほど多岐に渡り、やりがいのある仕事といえます。
また、健康であれば、年齢はあまり関係なくシニアの方(50代~70代)に大人気の職種です。近年では、女性管理人も増え、男女分け隔てなく活躍しています。特に人と接することが好きな方に向いている仕事といえます。
現在の分譲マンションストック戸数は約655万戸(2018年末時点)。マンションの増加とともに管理会社や管理組合は大勢の管理人を求めています。管理人の活躍フィールドは増えるばかりです。「人生100年時代」年齢関係なく長く働くことができる管理人に奮って応募してください。
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