50代女性の転職体験談 |節約で2500万の貯金に成功した主婦!能力と技術がなくても、パートに受かり続ける秘訣とは?
- 自分の相場を知る
- 公開日:2019年9月17日
自営で不動産業を営むご主人と、社会人の長女、大学生の長男、それと三匹の愛犬と暮らす宮野さん(仮名)55歳。教育費や老後に不安を感じ始めたパートと節約によって、着々と貯蓄を成功させています。日頃の習慣や仕事探しのポイントについてお話を伺いました。
大学卒業と同時に結婚。下の子が10歳になってから働くことを選択
東北で生まれた私は、北海道の大学へ進学。卒業と同時に結婚したため、正社員で働いた経験がありません。
結婚後は、夫の転勤で東京へ。時折パートで働きながら7年ほど経った頃に長女を出産。さらにその7年後に長男を出産。夫の両親は東京にいたものの、気軽に預けにいける距離ではなかったため、専業主婦として子育てを中心とした生活を送っていました。
働きに出ようか、となったのは長男が10歳になった頃。43歳のとき。長女が大学受験のタイミングでもあり、教育費などの出費が大きくなる。「お金を貯めたいね」と夫婦で話し合ったのが動機です。
それからは新聞の折込チラシや求人情報誌を見て仕事探し。その中で17時から22時シフトのコールセンターの求人を発見。家からも近く、帰宅した子どもの顔を見てから出勤するのは悪くないな、と思い応募したところ無事合格。
仕事の内容はクレジットカードの支払いが遅れている方に、催促の電話をかける業務。仕事自体は辛くなく、長いブランク明けの私でも働きやすい環境でした。
しかし、夜勤シフトは土日勤務がセットとされていたため、子どもと過ごす時間は日勤の仕事の方が確保できると感じ、半年ほどで退職。新しい仕事を探すことにしたのです。
営業の仕事に就くも、50歳を転機と感じ退職を決める
ある日折込チラシを見ていたところ、とある共済でパートタイムの営業職を募集しているのを発見。パートの営業なんて珍しい、と思いつつ、そのサービスを自分でも使っていたため興味を感じて応募してみました。
面接に赴いたところ、他にも受験者が。若い年代の方も多く、「これは45歳の自分では無理かな...」と思ったのですが、無事合格。
後日、なぜ合格になったのかを聞いてみたところ、面接のときに「自分も使っていますが、いい商品だと思います」という発言を聞いて、この人なら売れるかもという印象を持ったとのこと。ユーザーであることは採用における一つの強みなのだと実感しました。
そうして入社した会社では、電話で商品のご説明、アポイントが取れたら訪問して提案を行う、というスタイルの営業に。自分がいい商品と思っていたことも影響してか、常に一定の成績は確保できていました。
片道1時間以上かかる通勤は不満に思っていましたが、残業もない、土日も休めるという働く環境の良さもあり、概ね満足しつつ50歳になるまで働きました。
退職した理由は、50歳になったとき「何かを始めるならば、今かも」という思いが突然生まれたため。そろそろ人生も後半戦、「新しいことを始めるならば今が最期のチャンスだ!」という勢いもあり、退職を決めたのです。
節約を習慣づけることで、目標額の貯蓄に成功!
そうして思いついたのは、起業でした。思い立ってからはいくつもの起業セミナーに参加。家の周りにトリミング店は多いものの、犬を連れて集まれるカフェがないためドッグカフェを開こう、という計画を立てました。
ですが、結局決断はできませんでしたね。リスクを負う覚悟を持てなかったのが理由かもしれません。
このように起業を思い立った理由の一つは、ラストチャンス感があったこともありますが、目標としていた額の貯蓄ができたこともあります。
パート営業で働いた5年間、月々の収入は17万程度。不動産屋を自営で営む夫が、毎月家に入れる金額は40万。ボーナスはありません。
月の支出を私の収入だけでやりくりすれば、年間480万。5年で2400万円貯まる計算ですが、育ち盛りの子ども二人を抱えて月々17万で過ごせるのかは疑問でした。そのため、ひとまず3ヶ月間、徹底的に節約を試みました。
いつもは気軽に買っていた飲み物など、「買う必要があるか」を検討。そうして身の回りの不要な買い物を控えました。さらに、光熱費など月々にかかる費用の見直しを徹底的に見直した結果、3ヶ月間で節約生活の基本ができました。
そこからは、お小遣いが欲しければ子どもがバイトするという家族ルールを決めたことや、長女が自宅から通える国立大学へ進学&給付型の奨学金を受けることができたことなどもあり、順調に貯蓄は進行。結果、5年間で2500万を貯めることができました。
目標額を貯めることができた達成感もあったため、パート営業を辞めてからはすぐに働きへ出る気持ちは湧きませんでしたね。
スーパーでのパート。家の近くで働けるメリットを感じる。
とはいえ、働かないで家にいると時間が余るもの。近くで仕事ができるなら、何かやりたいなーと思っていた頃、近所にスーパーが新規OPENすることに。オープニングスタッフ募集の張り紙を見て、応募してみました。
部署の希望が出せたため、第一希望:試食をオススメするデモンストレーター。第二希望:ベーカリー部門の調理スタッフ で提出。結果、ベーカリーで採用となり、週に5日、10-16時の時間帯で働くことが決まりました。
働き始めて感じたのは、家の近くで働くことのメリット。16時に仕事が終われば、16時半には家について、家事をすることもできます。知っている人に会うのは嫌だな、という気持ちは当初ありましたが、調理だとユニフォームにマスク着用のため働いてからは気になりませんでしたね。
そのようにスーパーで働いて4年ほど経った頃、最寄り駅にまた新しいスーパーがオープンし、オープニングスタッフの採用を始めたのです。
スーパーで働いているのは女性ばかりのため、長くいると人間関係で疲れも感じるようになっていました。良いタイミングだと思い応募したところ、無事採用。出勤日数を少なくしたいという要望を伝えたところ、遅番シフトであれば週4日OKとのことだったため、店を移ることを決めました。
新たな職場で担当することになったのは、品出しやレジ精算などの閉店業務。始めて徐々に気づいたことは、体力的になかなか厳しいということ。仕分け、品出しなどで重い荷物を持ち続けていたら手のしびれなど出てきたため、体を休めたいと思い半年ほどで退職しました。
体に負担のかからない仕事を選び、コールセンターへ。
少しゆっくりしようかな、とも思っていたのですが、長男が私立の大学へ進学。教育費もまだまだかかる...、と考え、再度仕事探しを開始。使ったのはマイナビミドルシニア。自分の年齢が対象の求人ばかりのため、安心感がありました。
体に負担がかからない仕事を、と考えコールセンターを中心に検索。家の近くで気になる求人を見つけたので応募したところ、一社目で内定をいただくことができました。
しかし、研修に参加したところ、働いているのは若い人ばかり。仕事内容は興味あるものだったのですが、気疲れしそうな懸念があったため就業を辞退。再度仕事を探すことにしました。
そうして別のコールセンターを発見。ペット関連の商材を扱うユーザーサポートでした。興味が湧き応募したところ、こちらも内定獲得。研修に参加したところ年配の方も多かったため、ここで働くことを決めました。
EXCELを多く使うなどパソコン操作に戸惑った部分もありますが、慣れた今では問題ありません。多くのユーザーのお問合せに応えるために、のど飴と栄養ドリンクを片手に仕事に向き合っています。
正直、50代を過ぎてからコールセンターで採用されると思っていませんでした。採用された理由は、かつてのコールセンター経験や、営業パートの経験などをアピールしたことにあると思います。
自身の経験が活かせる募集先を検索、そこに狙いを定めて応募を行うことが、この年代で効率的に仕事探しを進めるポイントなのだと感じますね。
あと、大切なのは気になる求人を見つけたら積極的に応募を行うこと。落ちるかも、という不安があっても、応募しなければ採用されません。特筆すべき能力も技術もない私でも、応募のたびに1社目で採用となっています。必要以上に不安を抱かず、積極的に行動したことが縁につながっているのだ、と感じますね。
まとめ
目標としていた貯金額を貯めたあと、少し働くモチベーションが下がったこともありましたが、働いているほうが規則正しい生活が送れ、なんと言ってもお金が貯まります。
退職金や厚生年金もないのが自営業。老後の不安を解消するために、貯蓄はやっぱり重要です。時折、自分へのご褒美も設け、無理せずに節約生活を続けながら、これからも働き続けていきたいと思っています。
※年齢は2019年9月取材当時のものです