40代女性の転職体験談|家から近場で希望の仕事を探す。その秘訣教えます
- 自分の相場を知る
- 公開日:2019年3月12日
- 最終更新日:2019年4月25日
ご主人と二人のお子様と暮らす47歳の保坂さん(仮名)。育ち盛りのお子様との時間を大切にするために、仕事探しの軸にしていることは「家から近い場所で働く」こと。それを実現させるために行った習慣や工夫についてお話を伺いました。
短大を卒業後、金融機関に勤めたことから経理のキャリアをスタート
短大の経営学科を卒業後、金融機関へ就職。預金や外貨両替業務などの金融業務の仕事に就き、大きな不満もなく働いていました。
しかし、転機が訪れたのが入社して6年ほど経った頃のこと。新たなセンターが立ち上り、そこへの異動が決まりました。しかし、当時は実家から通っており、実家から新たなセンターへ通うとなると、片道2時間以上。とはいえ、通勤しやすいところへ引っ越すという選択肢もなかったため、退職し違う仕事を探すことにしました。
当時は「派遣」という働き方がそろそろ一般的になって来た頃。試しに登録したところ、求人数も多く、これまでの知識を活かして働けるものがないか探してみると、とあるインフラ系企業の経理の仕事を発見。入社を決めました。
そこでの仕事は、前職での経験も、学生時代に取得した簿記2級の資格を活かすことができるもの。会計ソフトの使い方も習得し、「派遣として働くのも悪くないな」という充実を感じながら働いていました。
しかし、なんと会社が移転することに。移転先はまたもや自宅からはかなりの距離となる遠方の地域。残念な気持ちもありましたが、通うのが厳しいこともあり、やむなく退職することにしました。
出産とともに退職。子育てに専念する生活に。
退職した後は、旅行に行くなど少しゆっくりと過ごした後、仕事探し。様々な転職媒体など利用してましたが、結局ハローワークで見つけた会社で正社員として働くことを決めました。
その会社は、雑誌のおまけなどに使われるノベルティ類を販売する会社。小規模の会社であったことから、経理のみならず総務全般を幅広く担当していました。これまで金融やインフラ系と少し硬めの業界で働いてきたこともあり、新鮮さがありましたね。
そうして、この会社に入社して間もなく結婚。3年ほど勤めた頃妊娠し、出産とともに退職。出産した二年後に第二子を授かり、子育てに専念する生活が10年ほど続きました。
子供と過ごす時間を優先するために決めた仕事探しの軸
そうして子供も大きくなり、上の子が小3、下の子も小学校へ入学。周囲で平日の昼に働くママ友が多かったこともあり、働きに出ることを意識するようになりました。
とはいえ、子供と過ごす時間は確保したい。そこで仕事を探す軸は以下の3つに絞りました。
① 家が近いこと(歩いて通える距離)
② 子供が帰る時間に家にいれること
③ 春休みなど長期休暇で融通が利くこと
この条件で仕事を探すと決め、ハローワークや求人サイトを利用しましたが、なかなかすぐに見つかりません。そこで考えたのです「家の近くの会社を調べてみよう」と。
そうして、「このあたりだったら通いやすいな」という地域を歩き回り、会社の看板が出ていたら家に帰って会社HPを閲覧し、求人を出しているかを調べてみる。まさに「足で稼ぐ」探し方を徹底しました。
この方法を取った理由は会社の場所も把握できるほか、なんとなくの会社の雰囲気や規模感も見えてくるためです。仕事探しの軸の②③については、小規模の会社のほうが融通が利きやすいだろう、という目論見もあったため、この探し方で進めてみようと思ったのです。
そうする中で、家から近くにあった税理士事務所を発見。HPを見てみると経理の求人の応募をしていたので早速連絡。面接で希望の条件を伝えたところ、10~14時でのパートがOKとのことだったので、お願いすることに決めました。
女性ばかりのランチの時間が苦痛で、退職を決意
税理士事務所では経理として採用され、月次決算を主に担当。先輩方は私よりも年配の女性が多く、子育てする母親でも働きやすい環境なのだ、という印象を持ちました。
その印象は正しかったのですが、働くにつれてどうやらあまり自分には合っていないのでは、と思うように。
これまで働いてきたのは男性が多数の職場でしたが、ここは女性ばかりの職場。そればかりが理由ではありませんが、少し社内はギスギスした雰囲気が。それもあって、ベテランの女性たちへなかなか質問もしづらい環境でした。
さらに、仕事だけならばまだしも、短時間のパートですがお昼どきを挟むため、同僚たちとランチを食べる習慣がありました。ギスギスとした雰囲気の中で食べる昼食は味気のないもの。正直、長く続ける気持ちにはなれませんでした。
そのため、業務が落ち着く3月を終えたタイミングで退職を申し出ることに。半年ほどの期間で終了となってしまいました。やはり、職場内の雰囲気は、働いてみないとわからないものですね。
こんなに近くで仕事が見つかるとは!
退職することを決めてからは、求人サイトに登録するなど仕事探しを継続していました。とはいえ、求人サイトはメルマガを登録し、メールを見る程度。メインはやっぱり「足で稼ぐ」やり方で探していました。
そんなとき、近場に引っ越してきた会社を見つけたのです。それもなんと自分の住むマンションの一階(笑)。これ以上ない近さです。
HPを見てみると求人の募集を行っていたので、早速応募。面接のときに同じマンションであることを伝えると、交通費がいらないことや、何かと便利だという印象もあったのでしょう。無事、採用が決まり、週に4日のパートで出勤し、総務経理や申請書の作成などを行っています。
これだけ近いとメリットは多いものです。仕事中に雨が降ったら洗濯物を取り込みにいけるし、宅配便だって受け取れます。冷蔵庫が壊れたときは、会社の冷蔵庫をお借りしたことも。これだけ近いと運動不足が気になるくらいで、「ある意味在宅の仕事だね」なんて笑っています。
働き方と収入のバランスを取っていくために
私の仕事の探し方はおそらく一般的ではないかもしれませんが、同じような希望で探している人には効果的かもしれません。
そんな方にお伝えしたいのは、それでも「求人サイトは定期的にチェックしておいたほうがよい」ということ。自分の足だけで探していると、目にする求人数が少ないため、比較ができません。求人サイトに定期的に目を通しておけば、この「求人の時給は低い」などの相場感が身につき、面接時に交渉の材料にもなりますしね。
まとめ
こんな近くの職場はなかなか見つからないので、長く働きたいと思っているのですが、残念なことに仕事が減ってきました。一時期は出勤が多かったため月に7万円程度稼ぐことができていましたが、最近では3万円程度の実入りに落ち着いてしまっています。
収入を優先するのであればフルタイムも検討しますが、やはり子供が高校に入学するくらいまではなるべく家にいたい。そのため、単発の副業などをメールマガジンでチェックしています。
しかし、改めてですが、仕事を離れてから10年近くのブランクがあるというのに、よく採用してくれたな、と思いますね。これも学生時代に取得した日商簿記2級の資格や、会計ソフトの経験、何より経理を専門に担ってきたキャリアが役に立っているのかな、と感じています。
こんな私を受け入れてくれる会社がまだあるか、また散歩の合間についつい会社の看板を目で追ってしまいそうです。
※年齢は2019年3月取材当時のものです