葬儀のセレモニースタッフの仕事内容とは?

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人生経験が豊かなミドルシニアだからこそ歓迎される仕事の一つに「葬儀セレモニースタッフ」があります。遺族に寄り添いながら、葬儀を滞りなく進行していく大切な役割がありますが、具体的にはどのような仕事なのでしょうか。仕事内容ややりがい、心構えなどについて解説します。

葬儀セレモニースタッフの仕事を理解する

ミドルシニア世代に突入すると、身内や知人、近隣のおつきあいなど、葬儀に参列する機会は多くなりますね。若い頃よりも、身近に感じる葬儀ですが、遺族をサポートするセレモニースタッフがどのような働き方をしているのか意識することはあまりないのではないでしょうか。仕事の内容や働き方についてまとめました。

葬儀セレモニースタッフの仕事内容

生きとし生けるものすべてに訪れる「死」。その「死」を扱う仕事は幅広いため、葬儀セレモニースタッフとひとことで言っても、会社によってその仕事の範疇はやや変わってくるようです。ここでは基本的な葬儀の式典「通夜」「お葬式」に関わるセレモニースタッフの仕事について解説します。具体的な仕事内容は下記のようなものです。

・遺族の着付けなどの手伝い
会場に着物を持ち込み、更衣室で喪服(和装)に着替える方の着付けサポートを行います。

・会場のアナウンス
通夜・葬儀のはじまりのアナウンスをするほか、遺族あいさつなどの紹介をします。

・遺族や参列者の案内
遺族はもちろん、故人と最後のお別れに来た参列者を会場に案内します。

・焼香などの案内
読経のタイミングに合わせて、遺族や参列者に対し、焼香の案内などを行います。

・お別れの時に花を配る
故人が眠る棺桶の中に、花を入れてお見送りをしますが、その際に遺族や参列者などに花を配ります。

・式典の写真撮影
葬儀サービスの一環としてアルバムが作成される場合があります。その際に使用する祭壇や参列者の様子を収めた写真を撮影します。

・祭壇の撤収や会場の掃除
会場となったホールの掃除や片付け、祭壇の撤収をします。遺族・参列者が飲食したあとの片付けをすることもあります。

・僧侶への椅子引き
挨拶や読経のタイミングに合わせ、袈裟を着た僧侶が座りやすいように椅子を押す・引くなどを行ってアシストします。そのほか、僧侶へのお茶出し、参列者への食事の配ぜんなども含まれるケースもあるようです。

セレモニースタッフになるには?

セレモニースタッフになるためには、特に資格は必要ありません。多くの葬儀会社はしっかりした研修制度を設けているため、未経験でもセレモニースタッフを目指すことができます。

ただし、ビジネスマナーや一般的な常識が身についている証として秘書検定などがアピールポイントになる場合もあります。

葬儀に関わる人が目指す資格として、厚生労働省認定の「葬祭ディレクター技能審査」があります。葬祭業界で働く人にとって、必要な知識や技能のレベルを審査・認定するこの制度は、取得することにより給与アップやキャリアアップにつながるといわれています。

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セレモニースタッフの働き方

雇用形態はどのようなものがある?

セレモニースタッフは、正社員のほか契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど、葬儀会社によってさまざまな雇用がされています。

<正社員や契約社員>
葬儀の依頼はいつ入るかわからないため、葬儀会社は365日24時間体制で人員を配置しています。正社員や契約社員の場合は、土日祝日を含むシフト制を採用しているケースが多いようです。

出社時間・定時時間も定められていますが、通夜や葬式が行なわれる時間によって、早朝に出社したり、夜まで勤務が続くこともあります。担当する通夜・葬式がない日は、他の式典のヘルプに回ったり、問い合わせの電話対応などを担当する場合もあります。

給与は地域や葬儀会社によって異なりますが、目安としては月給15~20万円くらいのようです。

<派遣社員、パート・アルバイト>
パート・アルバイトの場合、勤務する葬儀会社が受注する式典に携わります。一方、派遣の場合は毎回派遣される葬儀会社が異なるため、仕事内容や式典の流れなど多少変わる場合もあるようです。

勤務時間の目安は?

勤務時間は、正社員と同様、土日祝日を含むシフト制です。正社員はその式典の規模によって長時間勤務になったり、早朝・深夜までの勤務になることもありますが、派遣やパート・アルバイトの場合、多くはそれほど拘束されず、1日7時間勤務くらいです。

待遇はどのようなものが多い?

給与は地域・葬儀会社によって異なりますが、時給の目安としては900~1200円前後のところが多いでしょう。中には日給制や通夜・葬儀セットでの1案件でいくら、と設定しているところもあります。派遣社員の場合は1400~1600円前後のところが多いようです。

待遇としては、正社員・契約社員・パート・アルバイトは、靴以外の制服(スーツなど)が貸与となっている場合が多いようです(派遣社員は派遣会社によって異なる)。

大切な人との一生に一度の別れの場であるため、パート・アルバイト、派遣社員でも、正社員と同様に髪型や服装といった身だしなみや言葉遣いは重要。そのため、マナーの研修、セミナーなども積極的に行われています。

また、先に説明した葬祭ディレクター技能審査は、2級であれば実務経験を2年以上積めば受験資格を得ることができます。パートやアルバイト・派遣社員としてセレモニースタッフをスタートさせた人の中には、経験を積んで社員にキャリアアップしたり、葬祭ディレクター技能審査の資格を取得する人も少なくありません。

セレモニースタッフとして働く前に

ミドルシニアならではの落ち着きと冷静さを活かすことができるセレモニースタッフの仕事。人生の最期をしめくくるセレモニーだけあって、やりがいも十分ですが、反対に「死」と向き合うだけに大変な仕事でもあります。働く前におさえておきたいポイントをまとめました。

セレモニースタッフのやりがい

大切な人とのお別れの場である通夜や葬儀。遺族の「このようにして送り出してあげたい」という思いを尊重しながら、故人の旅立ちをサポートしていきます。

中には、喪主の経験が初めてであったり、葬儀の場が慣れていない人もいます。急で初めてのこととなると、慌ててしまったり、混乱してしまう人もいるかもしれません。遺族の思いをできる限り実現しつつ、スムーズに通夜・葬儀を進行させていくことができれば、遺族から感謝されるでしょう。

通夜・葬儀は大切な場だけに、お辞儀や歩き方、座り方、言葉遣い、礼儀作法などが重視されます。研修では徹底的にマナーや礼儀作法について指導を受けるため、不快感を与えない美しい身のこなし方を身に着けることができるのもメリットです。

セレモニースタッフの大変なところ

やりがいは十分あるセレモニースタッフですが、常に、人の「死」と向き合う必要もあるため、精神的にきついと感じる人もいるかもしれません。時には故人の「死」をきっかけに遺族の感情がむき出しになってしまうことも。予期せぬハプニングがあっても、その後の式の進行の妨げにならないように、軌道を修復していく冷静さも必要となります。

また、大切な人を亡くした家族に失礼にならないよう、念入りな確認作業も大切となります。故人や喪主、僧侶の名前、宗派、タイムスケジュールなど覚えることがたくさんありますが、ミスをしても「緊張のあまり度忘れしてしまった」「勘違いしてしまった」という言い訳は通用しません。常に緊張感をもって仕事に取り組むという心得は大切なことです。

まとめ:ミドルシニアならではの経験が生かせる仕事

家族葬や直葬など、現在は従来とは異なる葬儀スタイルを選択する家族も多くなっています。変化する葬儀ビジネスですが、「落ち着きがある人」「真心をこめた対応ができる人」「安心感を与える人」「臨機応変さ」など、求める人材は変わらないのではないでしょうか。

さまざまな人生経験を重ねてきたことで身についた「人に寄り添う気持ち」。これを自然と有しているミドルシニア層にうってつけの仕事の一つといえるでしょう。

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