交通誘導2級を取得するメリットは?合格率や勉強のコツを解説

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交通誘導の仕事にも資格があることはご存知でしょうか?経験や資格がなくても働くことができる交通誘導ですが、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。今回は交通誘導の資格の1つである「交通誘導2級」について、取得するメリットや合格率、勉強のコツなどについて解説していきます。

交通誘導2級とはどのような資格?

交通誘導2級とは、警備業法上の2号警備業務の資格のことです。この資格を取得していることで、警備に関する知識やスキルを持っていることを証明することができます。

警備業法で制定されている国家資格

交通誘導は警備業法で制定されている国家資格であり、正式名称は「交通誘導警備業検定」といいます。交通誘導2級の上には、交通誘導1級という資格もあります。国道や高速道路などでは、交通誘導2級の資格を持った警備員を1人以上配置する必要があると定められています。

交通誘導警備の仕事は資格がなくてもできる仕事です。しかし、資格を取得することで仕事の幅が大きく広がり、現場の責任者になれるチャンスも。「交通誘導警備の仕事を長く続けたい」「キャリアを積んでいきたい」という方は、資格取得を目指すと良いでしょう。

ちなみに、交通誘導警備1級を取得するには、1年以上の実務経験が必要になりますが、交通誘導警備2級は、実務経験がなくとも取得可能です。そのため、キャリアアップを目指すならばまず、2級の取得を目指すのがおすすめです。

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学科試験と実技試験がある

交通誘導2級を取得するための試験には「学科試験」と「実技試験」の2種類があります。まずは、学科試験の出題範囲について見ていきましょう。

【学科試験の出題範囲】
■警備業務に関する基本的な事項
・警備業務の意義と重要性
・交通誘導警備業務の意義と重要性
・警備業法第15条
・警備員の使命と心構え
・警備員の指導及び教育に関する制度の概要
・礼式と基本動作

■法令に関すること
・警備業法
・憲法(人権についての概略的知識)
・刑法(正当防衛、緊急避難についての概略的知識)
・刑事訴訟法(現行犯逮捕についての概略的知識)
・警察官職務執行法(警察官による避難等の措置についての知識)
・遺失物法(拾得者の措置等についての概略的知識)
・道路交通法

■車両等の誘導に関すること
・交通誘導警備業務用資機材の種類、機能及び使用方法
・合図実施上の留意点
・合図の種類と基本動作
・合図実施のための位置の選定
・合図実施中における受傷事故の防止
・工事現場の出入口、対面通行等における交通誘導

■工事現場その他人又は車両の通行に危険のある場所における負傷等の事故が発生した場合における応急の措置に関すること
・警察機関等への連絡の重要性
・救急法の意義と重要性
・負傷者等の搬送要領及び応急手当の概要
・交通誘導資機材を使用した道路における危険防止措置要領
・警戒棒の取扱い
・徒手の護身術(基本)
・消火器の機能及び使用方法
・避難誘導の意義及び基本的事項
・現場保存の意義及び実施上の留意点
・警察官への引継ぎ
・事故の発生時における二次災害の防止要領

【実技試験の出題範囲】
■車両等の誘導に関すること
・小旗を使用した徐行、停止、進行及び幅寄せの誘導
・誘導灯を使用した徐行、停止、進行及び幅寄せの誘導
・大旗を使用した徐行、停止、進行及び幅寄せの誘導
・その他交通誘導警備業務用資機材の使用方法
・合図実施のための位置の選定
・警笛及び素手の合図による車両の後進誘導要領
・合図の基本動作

■工事現場その他人又は車両の通行に危険のある場所における負傷等の事故が発生した場合における応急の措置に関すること
・警察機関等への連絡要領
・三角巾使用の止血要領
・負傷者の搬送要領
・警戒棒の基本操作要領
・徒手の護身術(基本)
・交通事故の発生時における二次災害の防止要領

出典:警視庁 交通誘導警備業務検定(1級・2級)の学科試験及び実技試験の出題範囲及び配点の基準

交通誘導2級を取得する3つのメリット

続いては、交通誘導2級を取得するメリットについて解説していきます。取得することで、キャリアアップが目指せるなど、大きく分けて3つのメリットがあるので、それぞれ見ていきましょう。

警備会社への転職に有利

まず1つめのメリットは「警備会社への転職に有利」という点。冒頭でも少しお話しましたが、交通誘導は資格がなくてもできる仕事です。しかし、逆にいえば資格を取得しておくと、それだけで重宝される人材になれます。また、シニアになると特に転職が厳しいといわれていますが、資格取得によって転職も進めやすくなります。

資格手当で給与アップが期待できる

2つめのメリットは「資格手当で給与アップが期待できる」という点です。資格手当を設けている企業が多いため、資格を持っていない人と比べて、高い水準の給与をもらえることにもつながります。

さらなるキャリアアップが目指せる

交通誘導2級の取得に加えて、実務経験を1年以上で交通誘導1級を受験することができます。2級だけでなく1級を目指すことで、さらなるキャリアアップも望めます。1級も2級も年齢関係なく受験できるため、シニアから新たなキャリアの形成をすることも可能です。

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交通誘導2級の合格率はどのくらい?

交通誘導2級の合格率はどのくらいなのでしょうか。「一般社団法人 警備員特別講習事業センター」が出している合格率データによると、以下のようになっています。2級に加えて、1級も見てみましょう。

【交通誘導2級】2021年分の合格率

受験者 6,785人
合格者 4,505人
合格率 66.4%

【交通誘導1級】2021年分の合格率

受験者 207人
合格者 145人
合格率 70.0%

2級は受験者数6,785人のうち、合格者が4,505人で合格率が66.4%と非常に高水準です。1級の受験者数は207人でそのうちの145人が合格し、合格率は70.0%とこちらも合格率は高いです。どちらも、学ぶポイントをしっかり押さえておけば合格する確率は高いので、それほど難しいものではありません。

出典:一般社団法人 警備員特別講習事業センター 合格率データ

交通誘導2級に合格した後はどうすればよい?

試験の後の合格発表の日は緊張するもの。見事試験に合格して「これで交通誘導2級の資格を取得できた!」というわけではありません。実は、試験に合格するだけでなく、その後に警察署に合格証明書交付の申請をする必要があります。
ここからは、試験に合格した後にするべき手続きの流れについて解説していきます。

警察署に合格証明書交付申請をする

試験に合格しただけでは資格を持っているということにはなりません。「合格証明書の交付申請」を申込むべき警察署は2パターンあります。ご自身の状況に合わせて、場所の確認をするようにしてください。

【パターン1:すでに交通誘導として働いている場合】
すでに警備会社で交通誘導として働いている場合は、所属している営業所の所在地を管轄している警察署で申込みを行います。

【パターン2:まだ交通誘導として働いていない場合】
まだ警備会社で交通誘導として働いていない場合は、自宅の住所地を管轄している警察所で申込みを行います。

申請時に必要な書類

続いて、申請時に必要な書類について見ていきます。申請時に必要な書類は「すべての人に共通して必要な書類」と「人によって異なる必要書類」があります。まずは、すべての人に共通して必要な書類から解説していきます。

①合格証明交付申請書
「合格証明交付申請書」は、警察署の公式ホームページから書式をダウンロードすることができます。こちらは申請書にあたるものです。パソコンで入力、または手書きでも大丈夫ですので、ご自身のやりやすい方法で記入しましょう。

②履歴書
「履歴書」は市販されているもので構いません。また、インターネット上では無料でダウンロードもできますので、ぜひ活用しましょう。ちなみに、すでに試験に合格していますので、この履歴書で合否が決まるわけではないので安心してください。

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③身分証明書
「身分証明書」は本籍地で交付されたものが必要です。

④住民票の写し
「住民票の写し」は身分証明書と同様に、本籍地が記載されているものが必要です。お住まいの役所、もしくはマイナンバーカードがあればコンビニでも発行できますが、「マイナンバーが記載されていないもの」が必要となります。ちなみに、外国人の方は国籍等が記載されている必要があります。

⑤医師の診断書
「医師の診断書」は合格証明申請書と同様に、警察署の公式ホームページから書式をダウンロードすることができます。そして最寄りの病院もしくは、すでに交通誘導として働いている場合は会社指定の病院で診断を受けましょう。
今回必要となる医師の診断書は、通常の健康診断書ではありません。覚せい剤や麻薬、アルコールなどの中毒者ではないこと、精神機能に障がいがないことを証明するものです。

⑥誓約書
「誓約書は警察署の公式ホームページから書式をダウンロードできます。しっかりと中身を確認しておきましょう。

⑦写真
「写真」の注意点としては以下の通りです。大きさや写真の取り方に注意しましょう。履歴書に貼る分と、2枚用意しておいてください。
・6ヵ月以内に撮影したもの
・裏面に氏名と撮影年月日を記入したもの
・無背景、無帽、正面、上三分身のもの
・サイズは縦3cm、横2.4cmのもの

【人によって異なる必要書類】

続いて、人によって異なる必要書類を見ていきましょう。

成績証明書または講習会修了証明書
まずは「成績証明書または講習会修了証明書」です。交通誘導2級は、試験に合格した場合と講習を受けた場合、2つの取得方法があります。「成績証明書」は試験に合格した場合に、「講習修了証明書」は講習を受けて資格取得した場合に必要となります。
この2つの書類は、交付日から1年以内のものに限られますので、合格の申請手続きは必ず1年以内に行ってください。

営業所所属証明書
すでに警備会社で働いてる場合に必要な書類で、会社の営業所がある住所地を管轄する警察署に提出します。そのため、まだ警備会社で働いていないという方は不要です。

合格証の発行は30日程度かかる

合格証は、提出した書類に不備がなければ30日程度で発行されます。写真の大きさが少し違うだけでも申請できないので注意しましょう。また、申請と受取は必ず本人が行う必要があるので覚えておいてください。

交通誘導2級に合格するためのポイント4つ

ここからは、交通誘導2級に合格するためのポイントについて解説していきます。合格するためには、過去問を勉強したりなど4つのポイントがありますので、一つひとつ見ていきましょう。

過去問を繰り返し解く

ただテキストを読むだけでなく、何度も繰り返し過去問を解くことで頭に入り、理解しやすくなります。1日に何度も解くのではなく、日数を分けておこうことで、より理解が深まります。

また、繰り返していくうちに答えを覚えてしまうこともあるでしょう。その際には、単純に答えを覚えるのではなく「なぜこの答えになるのか?」という理由も合わせて理解すると良いでしょう。

アプリを活用する

試験の勉強というと、問題集を使うイメージが強いかもしれません。しかし、昨今はスマートフォン用の無料で利用できる勉強アプリが配信されています。アプリならばスキマ時間で勉強することができるので、ぜひ活用しましょう。

実技は実際に身体を動かして覚える

YouTubeには、交通誘導2級の実技を解説した動画がアップされていますので、ぜひ検索してみてください。その際には、動画を観るだけでなく、実際に身体を動かすことで頭に入りやすいです。ただ動画を観るだけでは、覚えた「つもり」になりやすいので注意しましょう。

特別講習を受講する

この特別講習は、公安委員会の登録を受けた登録講習機関が実施する講習です。先にも少し触れましたが、交通誘導2級の資格を取得するには「試験に合格する」「講習を受講する」の2つの方法があります。その2つめの方法というわけです。

公安委員会が行う検定を直接受験する人と比べて、合格率は高い傾向にあります(60~80%)。しかし、講習費用は3万3000円と高額です。試験を受けるか、講習を受けるか、ご自身に合った方法を選んでみてください。

まとめ

今回は交通誘導警備2級を取得するメリットや合格率、勉強のコツなどをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?交通誘導2級を取得することで、転職に有利になったりキャリアアップを目指せたりなど、さまざまなメリットがあります。

交通誘導の仕事に転職を考えている方は、ぜひこの機会に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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