台風や地震で家が壊れたら保険は使える?火災保険・地震保険の補償範囲を解説
- ちょっと得する知識
- 公開日:2026年10月26日
2026年は各地で自然災害が相次ぎ、災害への備えを改めて考えている方も多いでしょう。なかでも住宅は生活の基盤となるため、万が一被害を受けた場合に保険が使えるのか確認しておきたいところです。今回は災害で住宅が被害を受けた場合、火災保険・地震保険でどこまで補償されるのか、補償されない範囲について解説。請求時の流れや注意点、保険を選ぶ際のコツについてもご紹介します。災害に関する補償について検討している人は、ぜひご一読ください。
火災保険・地震保険の特徴
火災保険と地震保険の特徴や違いについて、補償内容の違いなどを解説します。
火災保険
火災保険では、契約内容に応じて、以下のような損害が補償されます。補償範囲は商品や契約内容によって異なるため、契約内容を確認することが大切です。
- 火災
- 破裂・爆発
- 風災
- 水災
- 落雷
- 盗難
- 破損・汚損
- 水漏れ
生活の中で起こる可能性がある、さまざまなリスクをカバーしてくれるのが火災保険の特徴です。台風による強風で屋根が破損し、その結果雨漏りが生じた場合などは、風災補償の対象になる可能性があります。ただし、経年劣化などが原因の雨漏りは基本的に補償対象外です。
地震保険
地震保険は、火災保険と比較すると補償範囲は、地震・噴火・津波を原因とする損害のみとなります。台風はいずれにも該当しないため、被害が大きくても地震保険では補償されません。
また、地震保険は単独での契約はできません。必ず火災保険とセットで契約する必要があるため、火災保険に加入した後に地震保険を付帯させるか選ぶのが、一般的な流れです。
台風による被害をカバーする際は火災保険、地震や津波による被害をカバーする際は地震保険が必要になる点を知っておくと安心です。
火災保険・地震保険で補償される範囲とは
火災保険や地震保険で補償される内容について、具体的な事例をご紹介します。
風災
強風や暴風が原因で被害に遭った場合、風災として補償を受けられます。以下のようなケースの場合が、補償の対象となります。
- 暴風で飛来物が住宅に衝突し、損壊した
- 暴風で屋根が剥がれるとともに、住宅のアンテナが損壊した
- 暴風によって近隣の物置が倒壊し、自宅のガラスが割れて室内にも損害が出た
台風の強風によって被害が出た場合、風災補償が付帯していれば保険金の受け取りが可能です。補償内容に車庫などの付属設備も含めていれば、そちらも補償内容に含まれます。なお、風災は「風災・ひょう災・雪災」の3つでセットの補償になっている場合も多くあります。
水災
台風や暴風雨などによって、洪水・融雪洪水・土砂崩れなどの損害が出ると、水災として補償を受けられます。家財補償をつけていれば、家具家電の損害も補償対象となる場合があります。具体的なケースは、以下の通りです。
- 台風で堤防が決壊し、床上浸水した
- 豪雨で裏山が崩れて土砂災害が発生し、住宅が損壊
- 台風による高潮で浸水被害が起きた
- 河川の流域内の積雪が大量に融けて洪水になり、床上浸水した
台風や豪雨による水の被害は水災として認められますが、損害を認定するための基準が設けられており、基準を満たしていない場合は補償を受けられません。損保会社によって基準が異なる場合がありますが、以下のような基準が設定されています。
- 床上浸水が生じた
- 地盤面より45cmを超える浸水により損害が生じた
- 建物や家財に再調達価額の30%以上の損害が生じた
居住している部分の床に、床上以上の浸水がある場合は補償の対象です。また、床面が高いために床上浸水に至らないケースでも、地盤面から45cmを超える際は補償されます。
床上浸水の被害ではなくても、土砂災害で被害を受けた際は、建物の再調達価額30%を超えた損害が生じると補償を受けられます。
例えば、例えば、再調達価額の30%以上を支払条件とする契約では、再調達価額2,000万円の場合、600万円以上の損害が一つの基準となります。実際の支払条件は契約内容を確認してください。
落雷
台風の際は、大雨と同時に落雷が発生するケースがあります。以下のように落雷による被害が生じた場合は、補償が認められるでしょう。
- 自宅に落雷があり、屋根や壁が損壊した
- エアコン・物置・給湯器など、建物の付属設備が落雷で損壊した
- 落雷によって、自宅が火災になった
自宅へ直接落雷がなくても、アンテナへの落雷でテレビなどの電子機器を含む家財が損害を受けた時も、補償を受けられます。ただし、家財を補償の対象に含めておくことが必要です。
落雷による被害は目に見えにくい場合も多く、あとから発覚するケースも多くあります。台風後に調子が悪い家電がある場合は、落雷の影響も考慮してみてください。
火災保険・地震保険で補償されない範囲
火災保険や地震保険に加入していても、状況によっては補償されないケースもあります。どのような時に補償の対象外となるのか、ぜひご確認ください。
風災
以下のような場合は、風災としての補償はされません。
- 構造上もとからあった建物の隙間から吹き込む
- 暴風などが原因ではない、建物の外部からの物体の飛来・落下・衝突による損害
暴風によって建物が破壊された場合は、風災として補償されます。しかし、建物の構造上もとからあった隙間から、吹き込む損害については対象外です。また、老朽化していた屋根材が、強風で落下した場合、劣化が主因と判断されると補償は受けられないでしょう。
窓やドアの閉め忘れが原因で、雨が吹き込んで室内の家財に水濡れ損害が起きた場合も、補償の対象外となります。
暴風ではない理由で物体が飛来・落下・衝突した場合も、風災としては補償されません。ただし、火災保険の補償内容に「建物の外部からの物体の飛来・落下・衝突による損害」が付帯している場合は、補償を受けられます。
水災
以下のような場合は、水災として補償されないケースがあります。
- 台風による豪雨ではない落石による損害
- 津波による浸水被害
- 経年劣化による屋根の隙間からの雨漏り
- 経年劣化による排水設備の不備による浸水
台風による高潮の被害は水災の補償範囲内ですが、津波が原因の場合は水災ではなく、地震保険の補償範囲になります。床下浸水のみで建物の損害が軽微と判断された場合は、補償されません。
落雷
以下のような場合は、落雷の補償対象にならないことがあります。
- 落雷によってパソコンが壊れて、データが消失した
- 寿命による基盤の故障
- 内部部品の摩耗
また、落雷との因果関係が証明できない場合も、補償の対象外となる可能性があります。修理業者の見積書や、故障原因の診断書がない場合も受けられないケースがあるため、保険会社の指示を確認しておくことが大切です。
全てで共通する補償されないケース
経年劣化や自然の消耗などによる損害は、一般的に火災保険の補償対象外です。また、契約に免責金額(自己負担額)が設定されている場合、損害額によっては保険金が支払われないことがあります。
免責金額とは自己負担額のことであり、損保会社によって異なります。損害額から免責金額を差し引いた額が保険金となります。
火災保険・地震保険の補償金目安
火災保険の場合
火災保険は、建物や家財を再取得するために必要な金額で契約を行います。そのため、実際の損害額を保険金として受け取れます。
火災保険では、現在は再調達価額を基準として契約する商品が一般的ですが、実際に支払われる保険金は契約した保険金額や損害額、免責金額、契約条件などによって決まります。修理可能な場合は、損害保険金は損害額から免責金額を引いた額が受け取れます。
地震保険の場合
地震保険は、実際にかかった修理費がそのまま支払われる仕組みではありません。建物や家財の損害状況を「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で認定し、契約した地震保険金額の100%・60%・30%・5%がそれぞれ支払われます。
また、地震保険の保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲で設定し、建物は5,000万円、家財は1,000万円が上限です。
火災保険・地震保険の請求方法
実際に火災保険や地震保険の請求から受け取りまでの流れや請求の際に必要なものについてご紹介します。実際に請求する際の参考としてご活用ください。
請求の流れ
建物と家財によって、請求の流れは以下のように異なります。
建物の場合
1. 保険会社へ連絡
2. 必要書類を提出
3. 事実確認の協力を行う
4. 損害額が確定
5. 保険金が支払われる
家財の場合
1. 保険会社へ連絡
2. 必要書類を提出
3. 事実確認の協力を行う
4. 保険金の説明を受ける
5. 保険金が支払われる
請求をする際は、保険会社に事故の報告を行いましょう。その後、保険会社が事故の状況を確認して案内を出すため、その通りに手続きを進めます。場合によっては、調査員が自宅を訪問して現地調査を実施します。
請求時に必要なもの
保険会社によって異なりますが、一般的には以下のようなものが必要です。
- 保険金請求書(保険会社所定のもの)
- 損害見積書
- 被害状況が確認できる写真
その他、保険会社から指定された書類を用意しておいてください。
火災保険・地震保険の請求時の注意点
火災保険や地震保険で請求を行う際に知っておきたい注意点をご紹介します。スムーズに手続きを進めるためにも、ぜひご確認ください。
自分で手続きをする
被害を受けた場合は、まず契約している保険会社や代理店に直接連絡しましょう。保険金申請をサポートする業者もありますが、場合によっては高額な手数料を請求される可能性があるためです。
契約者本人が申請できるような作りになっているほか、保険会社にも質問や問い合わせに対するサポートが用意されています。不要なトラブルを避けるためにも、自分で手続きを行うようにしてください。
早めに手続きを行う
台風被害に遭った場合、発生後できるだけ早い内に火災保険請求を行ってください。保険法では、保険金を請求する権利は、行使できる時から3年間行使しない場合、時効によって消滅すると定められています。
時間が経つと被害原因や損害状況の確認が難しくなるため、被害に気づいたら早めに保険会社へ連絡します。被害に遭ったあとは、やることが多いですが、忘れないうちに保険の手続きまで済ませておきましょう。
被害状況の確認と写真整理をしておく
被害の状況がわかるように、範囲や有無がわかる写真を複数枚撮っておくといいでしょう。建物全体を撮る時は、可能であれば建物全体がわかる写真と、損傷箇所の写真を複数の角度から残し、浸水した場合はその深さがわかるように撮ります。
屋根や外壁の損害がある場合は危険を伴うため、専門業者に依頼しましょう。場合によっては動画として残しておくと、保険会社との連絡がスムーズになります。
火災保険・地震保険の選び方のコツ
火災保険や地震保険を選ぶ際のポイントについて、ご紹介します。自分に合った保険を選ぶ際のヒントとしてご活用ください。
風災・水災リスクを検討する
住んでいる地域や住まいの構造によって、直面しやすい自然災害は異なります。台風の進路になりやすいのか、積雪や豪雨が多い地域なのかによって、必要な補償は変わります。
商品によって、風災・水災はオプションになっているケースがあります。どのような補償が入っているのか、そもそも必要なのかを確認し、加入を検討してみてください。
セット契約は必要か確かめる
火災保険は地震を原因とする火災や損壊には、対応していないのが一般的です。そのため、地震による家屋損害に備えるには地震保険が必要です。地震による住宅被害への備えも必要だと考える場合は、家計とのバランスを踏まえて地震保険の付帯を検討しましょう。
免責金額が自分にあっているか
火災保険などでは、契約時に設定した免責金額を超えた分だけが補償されるのが一般的です。免責金額が低く設定されていれば保険料は上がり、高く設定されていれば保険料は下がります。
小さな被害では使わないが、大きな被害のときにはカバーしてほしいなど、自分の希望に合わせて免責金額を設定してください。
まとめ
火災保険・地震保険の特徴や、補償範囲についてご紹介しました。火災保険は、台風による床上浸水・風によって飛来物がぶつかって壁が破損・落雷で家電が故障などの被害が出た際に、カバーをしてくれる保険です。地震保険は地震・噴火・津波にのみ対応しており、台風時の被害には対応していないのが特徴です。
保険会社によって詳細なプランが異なるため、まずは自分の住んでいる地域のハザードマップや、住宅の造りにあったプランを検討してみてください。