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退職の準備(2/3)

退職の作法

目指せ、円満退社! マナーを守って退職までの流れもスムーズに。

転職活動をしていると、どうしても転職後のことばかり考えてしまいがち。特に採用が決まると、「頭の中が入社後のことでいっぱい」という方もいらっしゃることでしょう。せっかく良い結果を得られたのですから、現在、勤務している会社を円満に退社できるよう、退職の作法について考えてみましょう。

まずは退職の切り出し方。会社の就業規則で「退職」について確認し、「退職の申し出」に関する期限が記載されていた場合は、その期限を守って、直属の上司に相談しましょう。これまでお世話になってきたことへの感謝を伝えつつ、退職への意思があることを伝えると良いでしょう。また、退職理由を聞かれた時、仕事や会社への不満を話すのは考え物です。円満退社のためには、どんな理由があっても不平不満を伝えるのは極力避けるようにしましょう。

退職を申し出た際、引き留めに合うケースもあります。前述の不平不満に対して上司が「来年から改善する」などと引き留めの材料にすることもあり得ますし、「希望の部署に異動させる」「給与を上げる」など、具体的な条件を出してくることもあるかもしれません。

この場合は上司の話を真摯に聞いたうえで、「それでも退職への意思が高いこと」を伝えましょう。それでも直属の上司が退職を受け入れてくれない場合は、その上の上司や人事部に相談してみましょう。

直属の上司に相談後、退社日を決めたうえで退職願、そして退職届を出します。それぞれの書き方については、下のサンプルをぜひご参考ください。

一般的な退職の流れ

一般的な退職の流れ

退職の意思を固めたら、退職の希望日を盛り込んだ退職願を作成する。

直属の上司に退職を申し出て、退職願を直接手渡す。(他の社員がいないところで行うのがマナー)

退職の承認を得て、退職日が決まったら退職届を提出する。(就業規則を事前に確認しておく)

退職(労働契約解除)

【書き出し】私儀(わたくしぎ)から書き出すのが一般的です。

【退職理由】自己都合退職の場合はどのような理由でも「一身上の都合」で問題ありません。(会社都合の場合は会社側が用意するのが一般的です)

【退職日】「退職願」では退職希望日を、「退職届」では上司・会社との話し合いで決めた日付を記載します。

【提出日】提出する日付を記載します

【所属部署・氏名】正式部署名と氏名を記載したうえで、氏名の下に捺印をいたします。

【宛名】代表取締役社長が一般的です。敬称は「殿」とします。(自分の名前よりも上部に記載することがマナーです。)

備品返却から保険・税金の手続きまで――退職にあたって必要なことを確認しよう

退職願を提出し、退職が受理された後も、やるべきことは多くあります。例えば在職中の健康保険料や厚生年金保険料は、企業がその半額を負担しているため切り替えの手続きが必要です。さらに、健康保険証や身分証明書(社員証)、名刺などを会社に返却し、雇用保険被保険者証や年金手帳などを会社から受け取るなどの手続きが必要となりますので、必要な事務作業は人事担当者に確認しましょう。

また、退職日によっては、退職月の保険料を納める必要が出てきます。末日退社で翌月入社の場合は問題ありませんが、月の途中で退社する場合は納付期間が退職月の前月となるため、退職月の国民年金や健康保険(国保か任意継続)料を納めます。不明な点がある場合は、人事担当者や市区町村に確認してみましょう。

「会社に返却するもの」「会社から受け取るもの」「保険、年金、税金の手続き」を以下にまとめたので、下の表も参考にして、必要な手続きを進めていきましょう。

会社に返却するもの

  • 健康保険証
  • 身分証明書(カードキー、社章等現会社の社員であることを証明するもの全て)
  • 名刺
  • 通勤定期券
  • 社費で購入した文房具類、図書
  • 制服

会社から受け取るもの

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票
  • 離職票、源泉徴収票は退職日以降に発行されるので、発行日を確認して自宅に郵送してもらうようお願いしておきましょう。

保険、年金、税金の手続き

転職先がすでに決まっている方の場合
  手続きの内容 手続きする場所 期日・条件
雇用保険 雇用保険被保険者証の受領 会社の総務担当部署 退職日当日までに
雇用保険被保険者証の提出 転職先の総務担当部署 入社後すぐ
健康保険 健康保険証の返還 会社の総務担当部署 退職日当日
年金保険 年金手帳の受領 会社の総務担当部署 退職日当日までに
年金手帳の受領提出 転職先の総務担当部署 入社後すぐ
税金の手続き 源泉徴収票の受領 会社の総務担当部署 退職日当日
住民税支払い方法の確認 退職日当日までに
退職所得の受給に関する申告 退職金が支給されたとき
源泉徴収票の提出 転職先の総務担当部署 年末調整の前に
転職先がまだ決まっていない方の場合
  手続きの内容 手続きする場所 期日・条件 必要な書類
雇用保険 雇用保険被保険者証の受領 会社の総務担当部署 退職日当日までに  
離職票の受領 退職日の翌日から10日前後
求職の申込み・
失業給付金受給申請
住所地を管轄する
公共職業安定所
離職票を受領後できるだけ早めに 雇用保険被保険者証、離職票
健康保険 健康保険証の返還 会社の総務担当部署 退職日当日  
▼いずれかを選択(2003年4月からは被保険者と被扶養者の一部負担金がどちらの保険制度でも3割となりました)
○健康保険任意継続会社で加入していた健康保険を引き続き利用できる制度。保険料は全額自己負担となる。 加入していた健康保険組合又は居住地の社会保険事務所 退職の翌日から20日以内
(退職日までに2ヶ月以上健康保険に加入していることが条件)
健康保険任意継続被保険者資格取得申請書、住民票
○国民健康保険
日本人であれば誰でも加入可能。保険料は市町村によって異なる。
居住地管轄の
市町村役所・役場
退職日の翌日から14日以内 会社から発行される健康保険資格喪失証明書、退職証明書、離職票のいずれか
年金保険 年金手帳の受領 会社の総務担当部署 退職日当日までに  
国民年金加入 居住地管轄の
市町村役所・役場
退職日の翌日から14日以内
※退職日が月末でなければ、退職する月の分から国民年金の第1号被保険者として保険料を納付することになります。
年金手帳
税金の手続き 源泉徴収票の受領 会社の総務担当部署 退職日当日  
住民税支払い方法の確認 退職日当日までに  
退職所得の受給に関する申告 退職金が支給されたとき  
所得税の確定申告 居住地管轄の
市町村役所・役場
2月16日~3月15日の間、還付の場合は1月以降随時 源泉徴収票、市町村から送付される納入通知書、申告書等

お世話になった方々に、心を込めて挨拶を――

諸手続と並行して、引き継ぎやお世話になった方々への挨拶も済ませておきましょう。引き継ぎは、後任者が仕事を進めやすいよう、文書にまとめるなどの工夫をすると良いでしょう。後任者が決まっていない場合は、誰でも対応できるようマニュアルを作成することも考えてみましょう。退職までの期間、残された業務をしっかりこなしながら、スムーズに引き継ぎを進めておきたいものです。

営業職など、社外の付き合いがある方は、取引先への挨拶も忘れずに行いましょう。ただし、先走って挨拶しないこと。まずは上司に「取引先に挨拶したいこと」を伝えて了承を取り、後任者を連れて取引先を訪問するようにしましょう。

メールや口頭による挨拶が一般的ですが、役員の方や定年退職する場合は、はがきで挨拶状を送ります。特にお世話になった方に対しては、在職中にメールや口頭で退職の旨を伝えたうえで、退職後、改めて個人名で挨拶状を郵送することも検討してみましょう。

挨拶状の文面は、お世話になったことへの感謝の気持ちを中心に。会社批判や退職理由を詳細に記すようなことは慎みましょう。お世話になった方々と退職後、何かのきっかけでまたご縁がつながることがあるかもしれません。「退職するから」とぞんざいな対応をするのではなく、最後まで誠実な対応を心がけましょう。

感極まって号泣!~お世話になった方一人ひとりに挨拶をしたMさんの場合

よく、年を取ると涙もろくなるって言うじゃないですか。私の場合はまったく当てはまらないんですよね。家族がドラマや映画を観て泣いている横で、私の涙腺はまったく潤まないまま。家族からも仕事関係の方からも"冷血キャラ"と思われていたんじゃないかと思います。

そんな自分が転職することになった時のこと。ほとんどの取引先を若手社員のA君が引き継ぐことになったのですが、A君は「自分にできるんでしょうか」と不安顔。「大丈夫だよ」と背中をたたいたのですが、それでも表情は晴れません。そこでA君用に引き継ぎノートを作成しました。そして、2週間かけて取引先全社を訪問し、「Aをよろしくお願いします」と頭を下げていきました。A君は緊張した様子でしたが、徐々に慣れていったのでしょう。挨拶時の対応も様になってきました。そして、すべての取引先へのご挨拶を終えて、会社に戻る時、ふとA君が言ったのです。「Mさんは本当にお客様との関係を大切にしてきたんですね。Mさんが築いてきたお取引先との絆を、僕の代で途切れさせないよう頑張ります」と。

途端に涙があふれ出してきまして、A君にみっともない姿を見せてしまいました。嬉しかったですね。私は確かに会社を退職するけれど、私が残した絆をA君が引き継いでくれるんだなと。A君とはかなり年が離れていますが、退職後も飲みに行ったりと今も付き合いがあります。時々、かつての取引先もご招待して――。このご縁をこれからも大切にしていきたいですね。
(越谷市 Mさん 43歳)

まとめ

  • 退職をスムーズに進めるためにも、まずは直属の上司に相談を。
  • 人事担当者に確認して、必要な諸手続を進めよう。
  • 立つ鳥跡を濁さず。引き継ぎや挨拶もしっかり行っておこう!

記事作成日:2017年10月3日
文責:マイナビミドルシニア編集部

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