【Well-Passインタビュー】人生はめぐり逢い。自分のチームを持つことで、心地よく生きていく

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【Well-Passインタビュー】人生はめぐり逢い。自分のチームを持つことで、心地よく生きていく

今回は、ウェブサイト「暮らし遊び村」の村長として、毎日の暮らしを心地よく軽やかにしたい女性のライフシフトを応援する、長楽さつきさんにお越しいただきました。人から求められるままに進んでいく、そんな長楽さんのたおやかな人生について詳しく伺っていきます。

この記事の目次

    人生は出逢いが全て。1度の出会いで人生は大きく変わる

    短大では主に英語について学んでいました。国費留学生との国際交流ボランティアも熱心に行っていましたね。そんなとき、私に転機が訪れます。それは、人間関係学という"人間であること"について考える面白い授業でした。

    その授業では毎回レポートを書き、授業後に提出することになっていました。私は文章を書くのが得意なこともあり、バーッと書いてすぐに提出していました。のちに聞いたところ、私がいつも1番だったそうなんです。それもびっしりと書いて。

    教授はその印象が強く、私がどういう子なのかと気になっていたようで、進路や学生生活のことを話す間柄になりました。暫くすると「ぜひ、私の仕事を手伝って欲しい」と言っていただき、教授に導かれるように通信で学士を取得することを決意したのです。

    ただ、これが本当に大変でした。レポートの提出も多く、難易度も高い大学でしたので...通信でストレートに卒業できる人は、ほんの僅かしかいないそうです。それでも、無事ストレートに卒業できました。それも、レポートを書くのが得意だったことが大いに役立ってくれたと思います。

    このように、教授との出会いは私の人生のターニングポイントとなりました。そして学生時代には、もう1つ大きな出来事が...それは夫との出逢いです。友人の紹介で、まだ会ったこともないのに、夫が映る動画を見て何だかすごくピンと来ていたんです。

    実際に会ってみたら「この人と一緒に暮らしたらすごく楽しそうだな」と思えて。大学4年生のとき、1年後に結婚をする約束をしました。まさか学生時代に婚約をするとは思ってもみませんでしたが、運命の人に出逢えたことは嬉しかったですね。

    結婚生活のスタートと、夫との喧嘩で開けたキャリア

    卒業後は大学院に行くつもりでしたが、婚約をしたので進学はせず、実家のある大阪で半年だけ働ける職場を探しました。半年後には夫が働く東京で一緒に暮らすことになっていたので、それまで実家で過ごそうと考えたのです。

    見つかったのは、大学医学部の教授の秘書。秘書業務はもちろんのこと、科学研究費というものがあって、その経理事務にも携わりました。半年間でしたが、いい経験を積み、職場の皆さんも明るく東京へ送り出してくれました。

    そうして、東京での新生活が始まりました。当時は社宅で、夫の職場関係の人たちが毎週のように来るので、ホームパーティーが日課でした。それまで料理は手伝うくらいにしかやっておらず、人様に召し上がってもらうためにはきちんとしなきゃ、と料理に専念。おかげで料理の腕は格段に上達しましたね。

    そんなある日、夫と喧嘩をしました。夫は今でも喧嘩ではなかったと言いますが、私からしたら喧嘩だったんです。どちらが悪い、良いではなく男女の価値観のズレってどうしてもありますよね。そして最終的に「私は、仕事を決めてきます!」と家を出ました。

    夫は「仕事なんてそんなにすぐ決まらないだろう」と高を括っていたようです。しかし、私はすぐに仕事を決めて帰ってきました。勤務先は、スタートアップの出版を営む資格教育企業。そこへ週4日勤務し、1日は自宅の一室を使って書道教室を開くことにしました。小さいときから書道を習ってきたので、せっかくなら人に教えてみたいと思っていたんです。

    出版社と書道教室の二足の草鞋生活を3年程続けたとき、横浜にマンションを購入することに。それまで私は、子どもを持つことに積極的ではなかったのですが、マンションの一室がぽっかり空いているのをみて子どもが欲しくなりました。夫は子ども好きなので、私のタイミングを見守ってくれていたみたいですね。

    そして、子どもが産まれることをきっかけに出版社は辞めることにしました。しかし、出版社からはコラムを書いてみないかとオファーがあり、出産や子育てについてのコラムを書くことに。出産後も"朝食日記"や、暮らしに関するコラムを週に1度のペースで続けていました。

    人から求められるままに、たおやかに生きる

    ある日、気分転換に長男を連れて横浜市の子育て支援広場へ行ってみると、案内してくれた方との会話の中で「実は今、財務をやってくださる方を探しているんです」と言われました。私はキャリアの軸を"家事と子育てを優先する"と決めていたので、差し支えない範囲でならまた働きたいなと思ったんです。

    利用者として伺ったのに、気づけば運営側として参加させていただく形に。それでも、子育て支援広場には長男を見てくれる人が沢山いて、子どもの預け先を心配せずに仕事ができることは本当に恵まれていました。

    子どもが3歳になったときです。夫が静岡に転勤になり、横浜市の仕事もコラムも辞めることに。ちょうど下の子も産まれ、長男には友達と遊べる環境をと考えて幼稚園を探しました。入園が決まると、園長先生から急に連絡がきたんです。「横浜で子育てに関する仕事をしてたって聞いたんだけど...」って。

    保育に精通している訳ではなかったので、保育はできないけど大人の心のケアを学びたいと思っていることを告げると、「それをうちでやってくれれば!」と言っていただきました。そうして、その園が運営する子育て支援施設でお母さんたちの心のケアをすることになったんです。

    人生の縁を強く感じましたね。大学時代も、横浜市のときも、結婚だってそうですが、出会う人が私をいろんな場所に連れて行ってくれるんですから。しかも、「力を貸して欲しい」とオファーをくださって。本当にありがたいですよね。人生っているべき場所というか、自分の居場所までちゃんと流れ着くようになっているんだなと。

    お母さんたちの相談会をやらせてもらっているうちに、園長からの相談を受け、無認可の幼稚園を許認可してもらうための仕事をすることになりました。横浜時代は行政に提出する書類を大量に書いていたこともあり、固い文章を書くのは得意だったので、本格的に運営者(理事・事務局長)として携わることにしたのです。

    それからは、静岡市の保健福祉センターなど公共機関で働く保健師さんからも相談業務を手伝ってほしいと、声がかかるようになりました。専門家だと相談者が身構えてしまうこともあるそうで、資格がないからこそやってもらいたいとのことでした。

    未知の領域への挑戦でしたが、せっかく頼ってくださっているのだからとお受けし、精神疾患や心の病気を抱えたお母さんたちの集まる、相談会に出向することに。専門家の方ももちろんいて、私はお母さんたちに一番近い存在として、相談業務を担いました。

    相談会では、家事や子育てと自分の病気をどうやって折り合いつければいいのか、といった悩みを聞きました。これまでは悩みを共有できる場がなく、一人一人が孤独の中で暮らしていらっしゃったんですよね。そんなお母さんたちにもだんだんと笑顔が溢れる機会が増えていき、私もすごく嬉しくなりました。

    事業を立ち上げたことで見えた、自分の改善点

    その後、2019年に独立開業。40代半ばでの起業は不安ばかりでしたが、自分のことがより客観的にそして鮮明にわかるようになったんです。よく「長楽さんって失敗とかしてなさそう」って言われるんですけど、全然そんなことなくて。むしろ他の人より多いんですよ。

    ただ、失敗があってもそれを即改善しようと思っているので、人生においては結果的にプラスになってしまうんです。何かに挑戦するときって、失敗するのが嫌だなとか、無駄かな...と思ってしまいがちですが、どんなことをやっても人生においてはスパイスになるし、動いていることで学び得られます。

    それに、自分一人ではできないことも、周りの人が巻き込んで動いていたらいつの間にか達成してることもあります。私なんてまさに自分の意思よりも、人から求められる場所で過ごしてきたので、強くそう思いますね。人を頼ることも頼られることも大事だなと。

    2021年には「暮らし遊び村」をスタート。毎日の暮らしを子ども時代に夢中で遊んだような気持ちで過ごせることをコンセプトに、日々情報発信を行なっています。また、キャリア人生の中で延べ3,200人以上の悩みを解決してきた経験から「悩める人たち」の気持ちを軽やかにすることを目指して活動中です。

    サイトの立ち上げには、30職種の方々の協力があり、「暮らし遊び村」というネーミングもコンテンツプロデューサーさんが考えるきっかけくださいました。私自身、人生においてもキャリアにおいても、「暮らし」と「遊び」という2つのキーワードを大切にしているんです。遊びのように暮らしが営めたら、きっと誰もがいつまでも元気で幸せに過ごせるのかなと。

    暮らし方が人生を大きく左右してしまうことを、多くの相談をお聞きしながらも感じています。でも、悩んでいる方って何をしたらいいか、何から始めたらいいか、はたまたご自身の暮らし方に問題があるとさえ気づいていない場合も多いんです。そんな方々に寄り添いながら、楽しく生きるお手伝いができればと考えています。

    正解がないのが人生です。能力や年齢を気にせずに、いろいろやってみるのが良いのかなと感じています。専業主婦だから、能力がないから、と自分を決めつけず、むしろ専業主婦をやってきたからこそ見えることや、世の中に貢献できることって多いんじゃないかと私は思っています。

    何せ、私のキャリアの軸は"子育てと家事を優先する"ですからね。認めてくれる人ばかりではないかもしれないけれど、ダメなら次!次!と自分の居心地の良い場所を探す旅が人生だと思うので、そうやって歩んでいくと思いがけない出会いや学びがある気がします。それを繰り返していくと、自分の味方になってくれる方にも必ず出会えます。

    暮らしに困った人や少し疲れた人の心が楽になるような場を、これからも提供していきたいです。気になる方は、いつでもHPに来ていただければと思います。また、小田急電鉄『ママカレ』でセミナー講師も務めていますので、こちらもぜひチェックしてみてください。一緒に「暮らし遊び」を楽しみましょう!

    暮らし遊び村はこちら

    まとめ

    「暮らし遊び村のHPには旦那さんからの温かいコメントが載せられています。それを読めば皆さんも長楽さんの人となりがわかるだけではなく、仕事に対する向き合い方もひしひしと伝わってきます。私自身もお話を伺いながら、結婚したいならまずは人間性からだ、と学ばせていただいた取材となりました。

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