仕事に役立つ資格│危険物取扱者乙種4類〜需要や取得する魅力を紹介〜

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仕事に役立つ資格│危険物取扱者乙種4類〜需要や取得する魅力を紹介〜

危険物取扱者は、消防法に定める「危険物」を取り扱う際に必要となる国家資格です。この資格を持っている人が立ち合っている場合は、資格を持っていない人でも危険物の取り扱いと点検を行うことができます。試験は各都道府県で行われ、毎年約30万人が受験する人気資格です。今回は危険物取扱者について詳しくご紹介します。

この記事の目次

    危険物の分類と対応資格

    危険物とは、ガソリン、灯油などの燃えやすい石油類や、燃焼性の高い物品のことをいいます。
    危険物を大量に「製造・貯蔵・取扱」する場所で必要とされ、管理責任者の役割を担うのが危険物取扱者です。

    工場やガソリンスタンド、タンクローリーなどで危険物を取り扱う場合は、危険物取扱者自身がその作業を行うか、危険物取扱者が作業に立ち会わなければなりません。

    甲種 全ての種類の危険物の取り扱いと定期点検、保安の監督が行えます。
    乙種 資格を取得している種類の危険物の取り扱いと定期点検、保安の監督が行えます。
    丙種 特定の危険物(ガソリン、灯油、軽油、重油など)のみ、取扱いと定期点検が行えます。

    甲種、乙種危険物取扱者が立ち会えば一般の人も、危険物の取り扱いと定期点検を行うことができます。丙種では行うことができません。

    例えば、セルフサービスのガソリンスタンドでは甲種か乙種危険物取扱者が常駐しているため、一般の人が給油することができるのです。

    また、甲種、乙種危険物取扱者は6か月の実務経験で危険物保安監督者になれますが、丙種ではなることができません。

    危険物分類.PNG

    危険物取扱者の資格が活かせる求人はこちら

    危険物取扱者の受験資格

    以下の通り、種類によって受験資格が異なります。

    乙種・丙種 誰でも受験できます。
    甲種    大学等において化学を学んだ方か乙種免状を持ち、実務経験2年以上の方

    参考:「危険物取扱者試験 受験資格」一般財団法人消防試験研究センター

    危険物取扱者の人気資格、合格率

    今回は受験資格が必要な甲種、活用度が低い丙種を除き、乙種の情報をお伝えします。

    合格率

    令和2年度、乙種全体の合格率は受験者の85.8%となっています。

    試験受験者中では乙種4類(以下乙4)の受験者が80%を占めており、乙4は圧倒的に人気があります。
    乙4単体での合格率は38.6%となっており、その他乙種試験の合格率70%前後とは大きな開きがあります。

    その理由のひとつとしては、乙4は人気資格のため受験者数が多く、対策をしないまま受験する人がいるからであると考えられます。
    また、初めに乙4を取得する人が多く、その合格者が他の乙種試験を受けるときは試験科目の一部が免除されるため、乙4以外のその他乙種の合格率が高いとも考えられます。

    危険物合格者.PNG

    参考:「試験実施状況」消防試験研究センター

    受験者数

    乙4の受験者は10年前は30万人近くいましたが、現在は約20万人に減ってきています。
    受験者数の推移を見ると、平成23年から令和2年にかけて約30%減っています。

    危険物試験状況.PNG

    これは、乙4の資格で取り扱うガソリンや軽油などの需要が減っていることと、少子化による影響が原因と考えられます。
    ガソリンスタンドの数も、1994年には6万か所ありましたが、2019年には約半分の3万に減っています。

    しかし、ガソリンスタンドを含む危険物施設の数は減っていますが、危険物による事故は増えています。
    平成6年(1994年)の危険物施設の数は560,790、令和2年(2020年)は396,457に対して、事故件数は平成6年に287件、令和2年に562件です。

    危険物施設数は約29%減少しているにもかかわらず事故件数は約2倍に増加しており、事故の発生数は過去10年で平均578件と高止まり傾向が続いています。

    このため危険物取扱者の必要性の高さは変わらず、一定のニーズがあると考えられます。
    令和2年では全国で4,091 回(対前年度比 434 回増)の試験が実施されています。

    出典:「揮発油販売業者数及び給油所数」経済産業省 資源エネルギー庁
       「令和2年中の危険物に係る事故の概要」総務省
       「危険物施設における事故発生件数の推移等」総務省

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    試験日程や願書の提出方法、受験料

    願書の提出方法

    試験日程や会場・願書受付期間などは全国一律ではないため、「一般財団法人消防試験研究センター」のホームページを参考にするのが良いでしょう。受験自体は全国どこでも可能です。

    また、願書の提出はWebもしくは書面で行えます。

    受験料

    甲種 6,600円
    乙種 4,600円
    丙種 3,700円
    ※2021年4月時点

    実施回数

    2022年4月~2023年3月での乙4の試験回数は、県庁所在地では札幌で年5回・仙台4回・東京41回・横浜3回・千葉1回・さいたま7回・名古屋9回・大阪5回・広島3回・福岡1回となっています。

    地域的には北海道と東北の開催自治体数、回数が多くなっています。東京では毎週のように試験が開催されています。

    参考:「試験会場検索」消防試験研究センター

    乙種第4類の教材

    各種サイトでおすすめされている乙4向けの教材をご紹介します。

    チャレンジライセンス 乙種4類危険物取扱者テキスト 新訂版
    10日で受かる! 乙種第4類危険物取扱者すい~っと合格(増補改訂版) 
    乙種4類危険物取扱者試験 令和4年版
    ユーキャンの乙種第4類危険物取扱者 速習レッスン第4版

    危険物取扱者が活かせる就職先

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    危険物乙4の資格が役立つ職場や職種は数多くあります。例えば、ガソリンスタンドや化学系メーカー、タンクローリーの運転手、石油会社や自動車整備工場、薬品会社、研究所、ビル管理・ビルメンテナンス会社、消防士などです。

    セルフスタンドの監視業務やビル管理業務は中高年や女性にとって、身体の負担が少ない仕事です。

    各求人サイトの求人数

    ハローワークの要資格件数(2022年4月20日現在)
    ・危険物取扱者甲種:218件
    ・危険物取扱者乙種:4,864件
    ・危険物取扱者丙種:944件

    ・Indeedでの危険物乙4の求人結果:6,578件
    ・求人ボックスでの危険物乙4の求人結果:15,392件

    中高年歓迎の危険物取扱者の資格が活かせる仕事はこちら

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