転職時、「退職理由」はどうやって伝えるのがベスト?

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転職時、「退職理由」はどうやって伝えるのがベスト?

転職活動中、どうしても気になるのが「退職理由」の伝え方。本音を伝えるとなるとネガティブな要素も含まれるため、そのまま伝えてよいものか悩んでしまうもの。ミドルシニア世代の退職理由に関するデータをお伝えしつつ、採用担当者も納得する「望ましい退職理由の伝え方」をお教えします!

この記事の目次

    転職者の退職理由とは

    離職者は、どんな理由で退職しているのか

    それまで勤めていた会社を退職して、転職する理由は人それぞれ。けれど、他の人達の離職理由を知れば、この先の転職活動のヒントになるかもしれません。厚生労働省発表のデータで見ていきましょう。

    年齢階層別の退職理由.jpg

    転職理由で最も多いのはやはり「自己都合」。54歳以下ではすべての年代で70%を超えており、高い割合を占めています。

    「中高年世代は人員整理の割合が高いのでは..」という懸念を持つ方もいるかもしれませんが、54歳以下では10%以下。もっとも高い55~59歳を見ても、12.5%という水準ということがわかります。

    「早期退職優遇制度等」を理由に挙げた人も一定数いますが、最も多い50~54歳で4.3%と低水準。やはり、全ての年代において「自己都合」での退社が多いことがわかります。

    中高年特有の退職理由とは

    それでは、年齢別の退職理由のうち、自己都合の詳細を見ていきましょう。

    自己都合退職の理由.jpg

    仕事内容や労働条件、人間関係、介護・看護など、さまざまな理由が挙がっていますが、特に割合が高いのが、「満足のいく仕事内容でなかったから」。また、「能力・実績が正当に評価されないから」も高い割合を示しています。

    「人間関係がうまくいかなかった」ことを理由にする人も多く、特に45~54歳で高い数字を示しています。中間管理職になり、上司と部下に挟まれて何かと悩むことが多い時期なのかもしれません。

    45~49歳で「介護・看護のため」を理由に挙げる人が一気に増えることも、ミドルシニア世代特有の退職理由と言えるでしょう。

    なお、「賃金が安かったから」「会社の将来に不安を感じたから」「他に良い仕事があったから」などは、35~44歳と比較的若い世代が多く回答しています。

    転職における退職理由の伝え方

    大原則:退職理由はネガティブに伝えない

    ミドルシニア世代の転職事情がわかったら、今度は来たるべき転職活動に備えて、退職理由の答え方について考えていきましょう。

    企業が中途採用を行う時、必ず応募者に確認するのが「退職理由」です。応募者である皆さんが転職理由を伝える時、ありのままを話すのは決して望ましくありません。特にネガティブな理由から退職をした人は、ポジティブな言い回しに変換することが大切です。

    【ネガティブな退職理由の代表例】
    ・給料が安い
    ・人間関係に疲れた
    ・パワハラがひどい

    仮に友人との会話の中でこれらの退職理由をそのまま伝えたとしても、多くの場合で「それは仕方ないんじゃない」となるでしょう。

    しかし、話す相手は「採用担当者」。そして、目的は「共感を得る」ことではなく「採用される」ことのはず。そのために、ポジティブに表現することを心がけましょう。

    ポジティブに表現するコツとは?

    意識するべきは以下の2点です。

    ・ネガティブな理由は心に秘めて、前向きな理由をアピールする
    ・笑顔でハキハキと答える

    たとえ前職に対する不満があっても、それを表に出したら、採用担当者はどう捉えるでしょう。担当者によっては「会社の内情を気軽に話す=軽率」という評価をされる場合もあります。

    また、給料の安さを理由にすると、「仕事よりも給料の方が大切」という印象を与えてしまう場合も。やはり良い印象を与えないリスクがあります。

    履歴書に書く際も、面接でアピールするときも、会社への不満はいったんしまって、前向きな理由のみ伝えるようにしましょう。

    【ネガティブな転職理由の例文】
    前職は自動車部品の営業でしたが、目標設定が市場感と乖離しており、実現は現実的ではありませんでした。組織の人間である以上、目標達成のために様々な工夫、努力を重ねてきましたが、正直限界を感じ、退職を選びました。現場の状況を把握した目標を設定する会社にて、これまでの営業力を活かしたいと思っています。

    【ポジティブな転職理由の例文】
    前職は自動車部品の営業を担当し、常に高い目標目標を追いかけ、達成し続けてきました。しかし、納期や品質、コストといったお客様からの高い要求に応え続けることにやりがいを感じてる自分に気づき、モノを販売するだけではなく、よりお客様の課題解決に踏み込める仕事を選びたいと考え、転職を決意しました。

    いかがですか? ネガティブな要素があっても軽く触れる程度にし、前職で得たスキルややりがいなどをアピールしながら、「さらに難度の高い仕事にチャレンジしたい」と転職に対する前向きな理由を語っていく。どちらが採用担当者へ好感度を与えられると思いますか?

    また、面接では伝え方も大切です。笑顔でハキハキ答えれば、相手の印象がより良くなることは常に心がけましょう。

    採用担当者の納得度を高める答え方

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    面接官が採用しても大丈夫、と安心できる表現を心がける

    転職理由を伝える際、次のポイントも気にかけることで、採用担当者の納得度がさらに高まります。そのポイントとは、「採用担当者が安心できる」表現をすることです。

    採用担当者にとって最悪なのは、採用できないことではありません。「採用したのに短い期間で辞める」「他の社員といざこざを起こす」など、企業文化に馴染めない人材を採用してしまうことです。

    そして、そのことに対する不安は若年層よりも、ミドルシニア層に高まります。「これまで長く他の会社の文化に染まってきた人が、当社に馴染めるか」という懸念はつきまとうもの。会社の理念や価値観に沿わない人材は、いくら即戦力の期待が高くとも採用するには二の足を踏むものです。

    つまり、面接官に「この人は柔軟な対応ができそうだな」「周りと上手くやってくれそうだな」という印象を与える表現を心がけましょう。

    とはいえ、自分の要望を出してはいけない、ということではありません。仮に年収の条件で譲れないものがあるのであれば、それは伝える。しかし、この部分は譲歩できます、など相手の立場を想定したうえで交渉などできれば、「このようなコミュニケーションが取れるならば、大丈夫だろう」という安心感につながるかもしれません。

    一方通行は失敗の素。双方向の会話を心がけよう。

    退職理由を伝えたら、相手はどのように思うだろう――採用担当者の立場を思って伝えるだけでも、印象は大きく変わります。「自分をわかってほしい」「自分の要望を叶えたい」という思いがあるのは当然ですが、独りよがりな伝え方になってしまうと、あなたの想いが正しく伝わらない危険性が高まります。

    大切なことは相手の立場を慮りつつ、意見を通すこと。そのためには、自分のことばかり話すのではなく、相手の話に耳を傾けることも必要と言えるでしょう。「傾聴力」を評価する企業は少なくありません。

    転職活動も日々の仕事も、家族や友人との関係も、大切なのは互いを理解し合うこと。これまでの経験を次の転職先で活かしていけるように、採用担当者が「そうなんですね」と笑顔で納得してくれるような「退職理由の伝え方」を考えてみましょう。

    嘘をつく必要はありません。誠実に転職活動に取り組む姿勢もまた、あなたの転職を成功させる大きなカギとなるでしょう。

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