介護の仕事は大変?仕事の種類・内容やそのやりがいについて

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介護の仕事は大変?仕事の種類・内容やそのやりがいについて

「きつい」「大変」というイメージを抱かれがちな介護の仕事ですが、実は皆さんの想像以上に奥が深く、極めがいのある仕事です。そこで今回は、介護の仕事について取り上げて、メリット・デメリットや向き不向きなど、さまざまな角度からご紹介します。

この記事の目次

    介護の仕事内容とは?

    そもそも介護の仕事ってどんなもの?

    若い頃は元気にできていたことも、年を重ねるとともに体力や身体機能が落ちていき、できないことが増えていく。これは、生きていれば当たり前のことですよね。

    介護とは、身体機能が低下した高齢者や、心身に障がいがある人に対して、生活のお世話をすること。少子高齢化が急速に進んでいる日本では高齢者向けの介護施設が急増しており、介護のニーズ、必要性が社会的に高まっています。

    どんな仕事があるの?

    介護と聞いて多くの人がイメージするのは、利用者の生活のお世話をする姿でしょう。「介護スタッフ」「介護職」などと呼ばれ、施設などの現場に勤務し、生活で必要となるさまざまな動作をサポートしていきます。

    しかし、介護の仕事はこれだけではありません。介護サービスの利用を検討している方やご家族の相談に応じたり、ケアプランを作成する仕事もあります。また、施設長などマネジメントに専念する仕事もあります。

    このように、一口に介護といっても仕事の種類はたくさんあります。介護スタッフの仕事内容も、食事や着替え、入浴など、利用者の身体に直接触れる「身体介護」と、料理や掃除、洗濯といった「生活援助」に大別でき、「身体介護」を行うには介護の資格を持っていることが大前提となります。

    しかし、「資格なしでも可」としている施設が多く、介護職員初任者研修の資格取得をバックアップしています。

    どこで働くの?

    高齢者や障がいを持った方々に向けた介護サービスは、「入居型」「通所型」「訪問型」の3つに大別できます。

    入所型:利用者が施設に入居して、介護サービスを受けるもの。
    通所型:利用者が施設に通って、入浴やアクティビティ、リハビリテーションなどを受けるもの。
    訪問型:利用者のご自宅を訪問して、日常生活の支援を行うもの。

    つまり、介護の仕事に就いた場合、入居型・通所型の施設や、訪問介護センターに勤務することになります。

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    介護業界の現状とは?

    常に人手が不足している

    介護業界の課題の一つに、人手不足があります。高齢化に伴い介護のニーズが高まっているものの、人材が集まらずに苦労している施設が少なくありません。では、どの程度、人手が不足しているのでしょうか。

    公益財団法人介護労働安定センターの「平成29年度介護労働実態調査」によると、66%の事業所が「介護サービスに従事する従業員」に対して「不足感がある」と答えています。過去4年連続増加しており、慢性的に人材不足であることがわかります。

    これを職員別に見ると、訪問介護員が82.4%、介護職員が66.9%となっており、訪問介護員の人材不足が極めて高いことがわかります。また、不足している理由については、88.5%の事業所が「採用が困難である」と答えています。

    今後、さらに需要が高まる仕事である

    もちろん、国も介護業界の人材不足に対して、何もしていないわけではありません。2017年4月、職員のために職場環境の改善やキャリアアップの取り組みを行った事業所に対して、賃金アップのための補助を行う「介護職員処遇改善」の改定・拡充を実施しました。

    また、多くの業界がAI導入による自動化を検討しているように、介護業界でも介護ロボットなどのテクノロジーを導入している事業所も増えつつあります。

    これらの取り組みにより、介護者の待遇改善や負担軽減が期待されていますが、当たり前ですが介護の仕事は"人"が相手の仕事です。自動化が難しい領域も多数あるため、検討は慎重に進められているのが現状です。

    介護の仕事に就くメリットとは?

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    介護の仕事につくことで得られるメリットは数多くあります。

    メリット1:キャリアを築きやすい

    人材不足が続いている介護業界では、「優秀なスタッフを一人でも多く採用し、長く勤務してほしい」という理由から、採用や人材育成に力を入れている事業所がたくさんあります。そのため、キャリアが築きやすいというメリットがあります。

    メリット2:正社員登用や継続雇用などの制度が充実

    パートやアルバイト、派遣スタッフからスタートしたスタッフを正社員に登用する「正社員登用制度」や、定年後も働き続けることができる「継続雇用制度」を設けている事業所もあります。介護職の求人を探す時には、「正社員登用制度」や「継続雇用制度」などの制度があるかどうかもぜひ、確認しておきましょう。

    メリット3:過去の経験を活かせる

    体力仕事のイメージが強い介護職ですが、利用者の様子を記録、ケアプランの作成など多くの事務作業の仕事も含まれます。そういった業務の中では、パソコンスキルやマネジメント力、コミュニケーション力など様々な経験・スキルが活かせ、施設長としてマネジメントの仕事を求められるケースも存在します。

    メリット4:自分の両親の介護に活かせる

    介護のスキルをプライベートで活かすこともできます。皆さんのご両親が介護を必要とした時、介護のスキルや知識を持って適切な判断を下せること。これは、高齢化社会に生きる私たちにとって実は大きなメリットなのです。

    介護の仕事のデメリットとは?

    デメリットについても見ていきましょう。「きつい」「大変」「しんどい」というイメージのある介護職ですが、実際はどうなのでしょう。

    デメリット1:待遇が他業界に比べて低い

    厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」によれば、2017年時の介護職員の所定内賃金は介護職が20万8,162円、訪問介護員が19万7,041円となっています。全産業の平均月給が30万4,300円ですから、かなり低いことがわかります。

    介護職の給料が安い理由の一つに、「無資格者の賃金が安く抑えられていること」があります。この場合、資格取得により待遇がアップされるケースがほとんど。無資格の方は、会社の支援制度を利用して、積極的に資格を取得していくと良いでしょう。

    また、先に紹介したとおり、2017年に「介護職員処遇改善」の改定・拡充が実施されました。今後、介護職の待遇改善が図られることが期待されています。また、パートやアルバイトからスタートした場合、正社員に登用されることで待遇が一気にアップすることも期待できます。

    なお、「平成29年度 介護労働実態調査結果」によれば、「前職の介護職を辞めた理由」で「収入が少なかったため」と答えた人は全体の15.0%。28年度の16.5%から1.5ポイントダウンしており、この結果から介護職の待遇が改善されつつあることがわかります。

    デメリット2:体力が求められる

    ベッドから起こしたり、車椅子に移乗したりと、介護の仕事に体力は不可欠。自分よりも身体の大きな利用者を担当することだって珍しくありません。そのため、体力的な負担が大きくなり、仕事をしながらイライラを感じたり、ストレスがたまってしまう人もいるかもしれません。

    確かに、体力の必要な仕事ですが、介護の技術を習得することで、身体に負担をかけずに介助することができます。また、最近は介護者の負担を軽減するベッドを導入する事業者もあります。

    デメリット3:夜勤や土日勤務もある

    入居型の施設の場合、交代制で夜勤や土日休日勤務があります。通所型の施設は日中のみの勤務となりますが、土日休日も営業しているため、こちらも交代制により休日勤務があり得ます。

    介護の仕事のやりがいとは?

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    一人で生活することが難しくなった高齢者や障がいを持った方々に対して、生活のお世話をする――介護の仕事には、「人の役に立つ」というかけがえのないやりがいがあります。

    人と向き合う仕事なので、時には上手にコミュニケーションが取れずに悩むこともあるでしょう。たとえば、常にムッとした表情を浮かべている利用者。そんな利用者に対して、何度も話しかけ、関わり、生活のお世話をしていく中で、少しずつ心を開いてくれるようになります。

    心と心が通い合い、自分が行った支援が役に立っていると実感できる瞬間を、何度も味わうようになります。「この喜びがあるから、介護の仕事を辞められない」と感じる人もいます。介護の仕事を「楽しい」と感じている人は、皆さんが想像している以上に多いのです。

    介護の仕事に向いているのはどんな人?

    多くの仕事に適性があるように、介護の仕事にも向き不向きがあります。介護の仕事に向いてる人は、具体的にどのような人を指すのでしょうか。

    人と関わることが好きな人

    仕事柄、高齢者や障がいを持った方の生活を支援するため、人の役に立つことにやりがいを感じられる方に向いた仕事です。

    小さな変化に気づける人

    自立した生活が難しい方々をサポートするのですから、常に利用者の様子を観察し、わずかな変化にも気づくことができる視点が求められます。たとえば、「いつもより表情が暗いな」「このレクリエーションをしているときは、いつも楽しそうだな」といった具合に。

    初めて施設を利用する方はもちろん、長年利用している方を注意深く観察することも大切です。介護職一人ひとりの気づきがきっかけとなり、利用者が本当に必要とする支援を提供できるようになります。

    協調性がある人

    介護の仕事は一人で行うものではありません。仲間の介護職や現場のリーダー、施設に常駐している看護師、利用者のご家族、ケアマネジャー、自治体や医療機関、他の福祉施設など、さまざまな人と関わりながら仕事を進めていきます。そのため、協調性のある人に向いた仕事と言えます。

    思い込みを捨て、まっすぐな気持ちで介護の仕事を考えてみよう。

    ネガティブなイメージも持たれがちの介護の仕事ですが、実は多くのやりがいを得られる仕事であり、キャリア形成の上でもメリットがたくさんある仕事であることが理解できたと思います。

    人材が不足していたり、他業界よりも待遇が低かったりと、まだまだ課題もありますが、少しずつ改善されつつあります。「向いているかもしれない」「興味がある」という人は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。「一生続けたい」と思える仕事に出逢えるかもしれません。

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